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2-4 シアと無謀な開戦

 

 空から見る景色は普通だった。だって見晴らす限り平原だし川もなければ木もないし花は踏み荒らされてるし。ここじゃなかったら綺麗なんだろうが……


「また来た。片方頼める?」

「了解」


 前方から迫り来るっていうかこっちから近づいてるっていうか、まあそれはいいとしてDW(ダンジョンウォーカー)の白鳥が二鳥。


 この空の旅の敵と言えるものはこいつだけだ。


 シアさんは俺で両手が塞がってるので武器は使えない。腰に錫杖をぶら下げてインフィニティブラストの火力を上げているだけだ。


 本来なら地上で見ていた時のように二本の大剣で瞬く間に裂いているのだが、代わりの火力を俺が務めなくてはならない。


 遠距離攻撃は魂の浄化とホーリーウィンド。そしてアクアヒール使ってる内に生えた水精霊魔法:スパイラルカッター、以上だ。


 試しに撃ったが使い勝手と射程、貫通力に優れているのでこれでスキル枠を埋めることにした。


 MP効率は悪かったがウンディーネであるため水精霊魔法のMP消費は全て半減する。


 よって消費は2、フェアリーウィッシュだけでは余ってしまうようになったMPもこれで消費。DPS(秒間ダメージ効率)も上昇し最高だ。


「『F魂の浄化』、『Fホーリーウィンド』『スパイラルカッター・詠唱』」


 このゲームの魔法とスキルの違いはMP消費するかしないかだが、魔法は宣言だけでなく一部詠唱できるものが存在する。

 それらは詠唱することで効果の強化、時間の追加、攻撃回数を追加したりホーミングできるようになったりする。


 最大HP3%以上のダメージを受けるか、集中しなければ詠唱は失敗し、MPを無駄に消費、さらに消費MPの2倍のダメージを受ける。


 スパイラルカッターの場合2秒だ。短い。


「『詠唱完了(キャストコンプリート)!』いけ!」

「私、接近戦以外だとスキル宣言ないよなぁ……」



 魂の浄化とホーリーウィンドで一体を倒し、インフィニティブラストによる雷の弾丸の嵐と、螺旋を描く斬撃の水槍でもう一体も撃墜。


 圧倒的火力。魂の浄化lv3一発で9割、ホーリーウィンドlv19で1割、スパイラルカッターlv1詠唱で3割。


 ……邪悪な敵ならホーリーウィンドも特性で2倍、イザナミの効果でさらに2倍。これで4割でさらにヴァルキリーライズ乗せれば17割削る超火力になる。


 魔法用の錫杖手に入れたら魔法も火力上がるだろうけど。







「じゃあボス行ってみよっか」

「マジですか」

「アクアちゃんはレベル詐欺っぽいから、魂の浄化とかいう超火力にヴァルキリーライズ……プレイヤースキルもかなり高いし」

「そうですかね?」


 墓守ソロで倒したし、黄鹿lv20の群れにソロlv19でも勝てるし、DEX低いと受け流しとか失敗しやすいらしいけど簡単だし……やはり他のゲームで実際70年鍛えたパリィ力は並みではなかった、と。


「騒々しい無謀者のボスとかとんでもない数の雑魚連れてるから処理追いつかなくて負けたけど、アクアちゃんいたら勝てると思う」

「ソロで挑んだんですか!?」

「墓守ソロなんて馬鹿やるよりは勝率高いと思うぞ?」

「それは相性良かっただけで……」


 ホーリーウィンドで仰け反らなきゃ絶対勝てなかったからな。

 しかも復活アイテム二つ使ってるし。


「まあ相性の問題もあるだろうね、私はダメージ通らなくて負けたし」


 お姫様抱っこの状態で整った顔を呆けた顔で見上げてしまう。


 神官でも聖系武器使いでもないのにソロで挑んだのか……俺は逃げれなかったから戦っただけなのに。


「でも囲まれて空からも攻撃される状態で普通に耐えれることがすごいよ」

「はあ」


 まあ、そうだな。


 毎日2000時間はオフラインゲームでパリィしまくってたし。あの頃は頭おかしかった、MOD入れて追加されたボスをひたすらパリィし続けて虐めてたし。


「そんな訳でボス行こう!」

「えっと、雑魚狩りは?」

「ボス倒した方が経験値美味しいし、ボスの取り巻きにいっぱいいるし。それにそういう話の流れだったでしょ?」

「……わかりましたー」


 流されとこう。








 そのまま空を飛びとうとうボス階層。

 階段を下りると白い空間に着き、草原と動物の群れが表示された水晶が宙に浮いている。


「いい?」

「あの、大剣に変えなくていいんですか?」

「あ、忘れてた。……服も着替えるから後ろ向いてて」

「はい」


 シュルシュルと布擦れの音が聴こえる。その、なんだ、エロいな。

 振り向きたいが、どうせ透明になって見えないんだしな。夢があった方がいい。


 結構前のゲームで裸になると人から見えなくなるという仕様を利用した暗殺事件があったのを思い出した。


 その事件後、裸だと誰にも干渉できなくなる仕様にされて、さらに公共の場を裸でウロウロしているとGMに捕まる。垢BANももらえる。


 他のゲームもこの仕様が多い。稀に裸になれない物がある程度だ。


「もういいよ」

「……!?」


 緑っぽくて自然っぽいエルフの民族衣装から巫女服に変わってる……!


「あはは……やっぱ恥ずいなこれ」

「すごく似合ってると思います!」


 白い髪に金色の猫目(ツリ目)と黒い巫女服。脇は出ていてミニスカニーソックスだ。白い絶対領域がある。


「いやいや、媚びすぎだよね、私が着ていい服じゃない。ダメ」

「それで大剣二刀流で魔法の雨降らせるとかすごくカッコいいと思います!」


 萌え要素の塊だ。つるぺたすとーんだというのもなかなかにわかっている。


「……そう?カッコいい?」

「はい!」

「まあな、空飛んで大剣二刀流とかカッコいいよね」

「はい!」


 シアさんはカッコいいって単語に弱い。アクア覚えた。

 でもそのクソでかいカバン背負ってボスとも戦うんですかシアさん。


「じゃ、開くよ」


 水晶に触れ、刹那、閃光が走る。

 白い空間がさらに白に染まり、その3秒後草原が広がる。

 前方には動物の群れlv24、後方にも群れlv20、左にも右側にも群れlv23。奥が一切見通せない程度には動物がいる。


「私は空から頭を潰す。だから空も含めて一掃頼んだよ」

「『Fセラフィナイト』」


 肯いて応答する。


 そして俺がセラフィナイトを発動したのを皮切りに動物たちが特攻してくる。たった俺たち二人だけに向かってくる。


 逃げ場はない、空にもない。


「『Fヴァルキリーライズ』『Fホーリー……」


 だけど待つ。あいつらが俺たちの目前にまで迫る瞬間まで。


「アクア!」

「……ウィンド』!!」


 イザナミを掲げ、聖風にて無謀な動物たちを吹きとばす。

 正面に見えるHPゲージは8割程度しか削れてはいないが、猛烈な勢いで吹き飛び、その背後にいる動物は押しつぶされ消滅する。


「『F精霊の慈愛』『Fレゾルーション』『Fバーサク』『インフィニティブラスト』!行ってくる!」


 黒い巫女が超大きいカバンを背負い空へと舞い上がる。

 カバンで雰囲気台無しだなあ。


 ……さて、MPリジェネレートポーション(5s2 60秒)を呷り、


「『スパイラルカッター・詠唱』……おれもやろうかね!」



 #==武具詳細ステータス==========

 『天涯・晴夜の装束』


 総部位数6(8)

≪胴≫白衣(黒色) HP+3 VIT+10 MND+4 下記の属性耐性+2%

≪下着≫肌襦袢(装備枠に含まない)

≪腕≫別れ袖 HP+3 VIT+6 STR+10 下記の属性耐性+2%

≪腰≫腰巻 HP+13 VIT+4 STR+2 MND+3

≪腰≫袴(ミニスカ 黒) HP+2 VIT+18 DEX+5 MND+5

≪足≫足袋(ニーソックス 装備枠に含まない)

≪靴≫草履 VIT+6 DEX+2 AGI+13 下記の属性耐性+1%

≪外套≫千早(めっちゃ薄い 白) VIT+2 MND+18 下記の属性耐性+10%


 全ての部位に不壊と無限に成長するがついています。



 合計ステータス

 HP+21 VIT+46 STR+12 DEX+7 MND+30 AGI+13

 光,火,水,雷,風,土属性耐性+15%

 不壊 無限に成長する


 全身装備時のセット効果

 装備によるVITが全身に適用される



 レアリティ:幻想級上位

 唯一無二の防具(オンリーアーマー)


 それは精霊を休める巫女の装束。全ての精霊を祀り、育む安寧と調和を示す。

 夜を思わせる黒と、纏った際に星を想わせる輝きを稀に放つ。

 #============




インフィニティブラストの解除条件は一歩でも移動する事です。言い換えれば一歩でも歩けば、能動的な移動を行えばという事になります。


反動で吹き飛ぶことは能動的な移動ではありません。それと馬に乗って馬が移動していても解除されません。


最高速度はAGI換算で(MND*3+スキルLv*5+精霊魔法スキル補正)/2となります。


わかりづらいですし時速で考えたりしようと思うとくっそ面倒臭いし矛盾点が出まくると思うので我慢してください。


取り敢えずめっちゃ速いって思ってもらえれば大丈夫です。


あとアクアの中の人の実年齢は19歳です。VRゲームの時間加速でゲームやってた時間は200年超えてますが。

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