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2-3 鹿狩り無双

 

【ランダムダンジョン:騒がしき 無謀者の 自然の 平原に侵入しました。推奨lv21】



「んじゃ、バフ積んで」

「「はーい」」

「「了解」」

「おけ、ってもう来たぞ!」


 チラリとその方向を見ると狼と鹿、鴉が群れでやって来ている。鹿の色は茶色、目的の敵ではない。


 あ、カフェで超高級オムライスセット食ったので食事効果でHP+20 STR+2 VIT+3 INT+2 MND+5 MP自動回復(30s 1)ついてます。シアさんこれ食ってたので真似した。


「蹴散らして6階まで降りるよー」

「ん、『Fセラフィナイト』『Fホーリーウィンド』」

「『マジックサークル』『サンダーレイン』」

「タゲ取りいるか?」

「いらない、『F精霊の慈愛』『インフィニティブラスト』」


 どんどんやってくる敵の第一陣を俺が蹴散らし、持続的な範囲攻撃をメタミドホスさんが放ち、シアさんがインフィニティブラストで道を開き続ける。


 火、雷、水風土の魔法が乱れ飛びバッタバッタと倒れていく動物達。彼我の力量の差も命も顧みずただただ無謀に突撃してくるさまは哀愁すら漂わせる。

 シアさん大剣二刀流から錫杖二刀流になってるし。俺もMND上げる用の錫杖買おうかな……


「DW来た!」

「イジさんと空さん対処」

「「了解」」


 DWらしき猛牛は魔法の嵐の中でイージスさんに流され、いなされ、空さんに矢で撃ち抜かれすぐに退場。


 ゲーム慣れしてるなぁ。


 くろいろさんはいるだけでPTメンバーのMP回復するレアスキルを持っているし、インベントリ増加のカバンとスキルで荷物持ち兼装備修理役。


 だがレアスキルの代償でHP5 MP0 全ステータス1というとんでもないことになっている。

 そのためAGIが低すぎるのでシアさんに背負われてる。


 長時間狩りをするのでありがたい存在だ。

 ただいるだけなので暇だろうし俺はやりたくないが。


 そういえば双大剣士ってAGI恐ろしいほどに低いのに移動速度速いな……BP振ってるのか?



「6階到着。お疲れ」

「ってかここからが本番だろ?」

「まあね」

「戦術はどうするんですか?」

「人いないところに陣取って、臨機応変に対処」


 ここまでに他の人と出会ってないんだが……

 高火力の広範囲技で飽和攻撃しないとすぐに押しつぶされるだろうし少ないのは当たり前か。くろいろさんのレアスキルの効果がなかったらメタミドホスさんのMP切れてるだろうしなぁ。


「DWは全員で対処ね、時間かけるとくろちゃん殺されるかもだし」

「死ぬのいや」

「俺はタゲ取ってりゃいいか?」

「初期ヘイト増加のパッシブスキル持ってるでしょ?無謀者のモンスはダメージヘイト無視するからやらなくても集まってくると思うよ」

「そうだっけか」


『騒がしき 無謀者の 自然の 平原』


 ダンジョン名の

 "騒がしき"は敵の数増加、

 "無謀者"は恐怖無視、AIのランク大幅に低下、敵の数増加、経験値低下。

 "自然"は動物系エネミーが主になり、夜になってもアンデットは湧かない。

  "平原"はそのまま障害物のないただの平原を指す。


 つまりは数がとんでもなく多く、360°全方位から延々と敵が迫ってくるダンジョンなのだここは。


「来たよー」

「うっわ黄鹿ばっか」

「あ、雷耐性だからね」

「知ってた」


 地味に疎外感あるよね。他の人達は気を使わない関係のようだし、固定PTに野良で加わっただけだしなあ。









「MP回復!アクア!」

「『Fヴァルキリーライズ』『Fホーリーウィンド』!」


 ヴァルキリーライズで範囲が4倍になったホーリーウィンドを発動し、周囲の敵を一掃する。


 メタミドホスさんもこれに近い範囲の攻撃はできるが威力が足りないしノックバックもない。

 俺のFヴァルキリーライズ付きホーリーウィンドなら超広範囲、メートル換算で直径150mくらいかな?それと高威力、かなりのノックバックを併せ持ちさらにはMP消費ほぼ無しというとんでもない性能になる。


 まあ連発はできないしただの動物が邪悪な存在なわけがないので即死級の威力というわけではない。


 しかしノックバックがすごいので一瞬休憩をする際に撃つことに戦ってる最中で決まった。


「ドロップ品整理!」

「レアドロ以外置いて」

「クソスキルしか生えねぇええ!」

「ポーション残り68でーす」

「暇だから弓でも射つかな?」

「作るのめんどい」


 5秒もない空き時間によく喋る。

 だいたいスキル撃ってるだけだから戦いながらでもアイテム整理はできる。

 このインターバルに意味はないけれど気を一瞬抜けるという意味はあるのかもしれない。


 作業だから休憩必要なほど疲れないけど。


 俺もスキルが生えてたが一騎当千、10体以上の群れと戦闘する際にステータス増加というここ以外で使い道のないスキルなので消去。



 引き続き、狩る。








「そろそろ18時、終わるけど残りたい人いる?私は残る」


 976匹狩れたので帰ってもいいが、やる事ないし経験値美味しいから残るか。まさか1時間で黄鹿976匹狩れるとは思ってなかったが。


「残ります」

「……そろそろ黒は持ち物いっぱいだから帰る」

「飽きたし帰るわ」

「俺も」


 俺とシアさん以外は帰ると。

 イージスさんとかDWの白鳥からくろいろさん守るくらいしか仕事なかったし、空さんは単純に飽きたんだろう。


「後で売却金渡すからフレなろ、……申請できない」

「あ、設定外します」


 フレンド申請を遮断するのチェックを外す。


「いいですよ」

「送った」


【くろいろさんとフレンドになりました。】


 そして設定を戻す。


「ん、テレポリング使うから二人とも抜けて」

「おう」

「はい」

【パーティから離脱しました。】

 テレポリングっていうと"リヴおばあちゃんのお手伝い・地下室掃除"で貰えるホームタウンに一日一回転移できるアイテムか。


 消費する転移アイテムは高いんだよな。レベルに応じて値段上がるし、三つしか持てないし、トレード不可だしで。


「じゃあね」

「「またなー」」

「無茶すんなよー」


 キラキラと光を舞わせて光条とともに消えた。効果音はヒュロ↑ヒル↑ル↑ル↑ルン→って感じ。


【シアさんのパーティに参加しました。】


「それじゃ、行く。前にカバンつけるから待って『F精霊の慈愛』」

「おれもつけた方がいいか?」

「まさかの俺っ子、いいよつけなくて。私はAGIいくら下がっても変わらないし」


 敬語で喋ればそれっぽくネカマできるが一人称はボロが出そうでな。ヴァルキリーみたいな格好してる女の子供とか格好つけて俺とか言ってそうじゃん(言い訳)


 ってデカっ!背負えるのかそれ、背負った。○ンま○のリ○ルカ・○ーデのような感じになった。白い女エルフってところでかなり違うけど。


「……それ着けて動けるんですか?『Fホーリーウィンド』」

「ん?動ける動ける。素でSTR175あるからね。極振りって偉大」


 STR高っ、でもAGIは……


「まあ普通に歩いたら亀より遅いけど、……こうしたら」


 は?空飛んだ。どうやってんだ。

 ……まさか、インフィニティブラスト制御して風魔法で浮いてるのか!?


「いやいやいやいや、無理、え?なんで制御できるんですか?βテストの情報ではできないって」

「思いっきり集中すればできるよ、リアルチートみたいなものだけどね」

「集中だけで……?」


 ホーリーウィンドとか魔法も想像してどんな風に吹かせるだとか、どんな風に撃つとか制御できるのだが、インフィニティブラストだけはできないってwikiに書いてあった。掲示板では最初の一発は選べるので連射速度が速すぎて思考が追いついていないだけなのでは?とされた。


「じゃあ狩りを再開しようか。白鳥は私が墜とすから、死なないように頑張って」

「……はい」


 あれで空飛んで白鳥墜とすとか鳥獣人やらシルフ涙目だな。

 鳥獣人は空飛べるの以外に先天種族特性ないし、シルフはMP使う上に成長してからだし。










 流して斬って、正面から斬って、捌き切れなくなったらホーリーウィンド。HP減ってきたらV(ヴァルキリーライズ)ホーリーウィンドで一掃して治療。鳥は魂の浄化を使って殺す。


 くろいろさんのMP回復が無くなったからMPリジェネレートポーションがぶ飲みである。不味い。


「はー、多いな……」


 空からは氷の槍の雨が降り、足止めと同時に死を売りさばく。

 インフィニティブラストで多属性の制御もできるんですね、Wikiだと無理だって書いてありました。

 制御しなかったら全属性の魔法を連射するんだから複数の属性制御できてもおかしくないか。


「ドロップ品回収〜」

「はーい、『Fヴァルキリーライズ』『Fホーリーウィンド』!」


 黄鹿のレアドロを残し、それ以外を一括で空から飛んでくるシアさんに譲渡。

 あのカバンで何枠インベントリ増えてんだろ。2000とか増えてそうだな。


 初期インベントリは200、課金で最大+500。

 それ以降はスキルとカバンによって追加。


 βテスト時代の最高のカバンでリュックサックの大きさのが700枠追加。

 デカすぎて使い物にならないので18000枠追加、大きさは二階建ての一軒家2つ分程度。


 モンスターのドロップは一匹平均3つで大きさによって取る枠が変わるがこいつらは1枠取る。


 整理術っていうクエスト報酬のスキルで同じアイテムならスキルlv分スタックできるってのがあるが多分シアさん持って……ない、か?でも狩ってる量的に持ってそうだなぁ。



「……金策効率落ちるけど下行ってみるー?」


 お?あ、シアさんレベル上げになってないのか。

 十分金稼いだ気がするし行こうか。


「行きますー!」

「了解〜掴まって」

「はい」


 もしや飛んでいくのかな?手に掴まる。


「こう、だな」

「ひゃっ!?」


 お姫様抱っこされたんですが、おんぶはカバンあるし、普通の抱っこは顔が非常に近くなる上周りが見難いし、妥当なのはわかるが男としてなかなかに屈辱的な……


「行くよー」

「……はい」


 そういえば俺今ネカマだったわ。

シアのSTRは装備も考えると250あります。

レアスキルとかすごい装備を持っているわけではなくただの極振りです。

STRの比較的低い種族のエルフ・光種でこれなのでジャイアント・火種やらの掲示板で言われてたSTR高い種族が双大剣士やればもっと高くなります。


それとシアの成長率、比較用にアクアの成長率載せときますね。


シア

HP:0.8 MP:1.0

STR(力) :3.8

DEX(器用):0.7

VIT(耐久):0.8

MND(精神):1.8

INT(知力):0.8

AGI(速度):0.0


アクア

HP:1.2 MP:1.5

STR(力) :1.3

DEX(器用):0.8

VIT(耐久):1

MND(精神):1.4

INT(知力):1

AGI(速度):1.2


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