表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/53

1-9 グレイヴキーパー戦

 


 DW(ダンジョンウォーカー)グレイヴキーパー 『墓守』


 青く、半透明な2m半はある巨体に、灰色の朽ちかけの貫頭衣。

 関節部と思われる場所には紫色の火の玉。

 右手には男性の成人ほどのシャベル。左手には草を刈るにはあまりにも大きな鎌。足は無く、常に浮いている。


 攻撃パターンは判明しているだけで20通り、討伐例は存在するが聖騎士のみのアライアンスを組み特攻技で即死させるという戦術もへったくれもないもの。


 注意すべきは圧倒的な攻撃力と範囲:強制(ギアス)『自殺』それと魂送り(戦闘不能者を確率で強制送還する)


 その次に不可視化からの即死攻撃。主に背後から首を狙ってくる。

 大鎌を赤く染めて斬りかかってくるガード不可の超威力攻撃。最高7回連続で振るわれることが確認されている。


 それと通常エネミーは墓守と敵対することが確認されている。


 パリィのSTR要求は非常に高いがDEX要求は低め。

 つまりは弾くな、流せ。



 こんなところか。リスキル対策の無敵と認識不可(エネミー)の間に覚えてる情報を上げたが、やっぱ無理な気がしてきたぞ。


 では暗視potを飲み、墓守のいる部屋へ突撃。


「ーーーーー!!」

「ふぐっ!?」


 一歩動いた瞬間、暗視potを口に突っ込んだ瞬間、音も無く一瞬にして斬りかかってきやがった。

 関節部の火の動きで予想してパリィしたが、ほぼまぐれだ。多分次やれって言われてもできないな。


 流しながら飲み干し、瓶を吐き捨てる。


「『Fセラフィナイト』!」


 また流して、


「『Fヴァルキリーライズ』!」


 もう一度。


「『Fホーリーウィンド』!吹っ飛べぇえ!」


 効果上げに上げたホーリーウィンドで吹き飛ばし、やっと狭い廊下から大部屋の中へと入る。


「さぁ、やろうか?」

「ーーーーーー!!」







 ダメージは通る。八回ほどミスって小振りの攻撃受けたがセラフィナイトの追加HP込みで7割持ってかれた。


 防具これじゃなかったら死んでた。


「『Fホーリーウィンド』!」

「ーーー?!」


 体重は軽いようでヴァルキリーライズなしでも吹き飛ぶまでは行かずとも110F、1.8秒仰け反ることが判明。


 ヴァルキリーライズ宣言とヴァルキリーレイド発生までが80F。


 たまに舌がもつれて発生しなかったりするが、次の聖剣技強化なのでそれでもホーリーウィンドに効果はある。


 飛び上がり、宣言。

「『Fヴァルキリーライズ』『Fヴァルキリーレイド』ぉおお!」


 シャラララララン!と音を鳴らし、光を撒き散らして、どう体が動いているのかわからないくらいの速度で8回の連撃を放つ。


「ーーーーーー!!!」


 右肩の火が消え、肘、手首と火をなくした右腕が千切れ飛び、粒子となって消える。

 その手に握られていた大鎌はガラガラと音を立てて床を転がっていく。


「これは、勝てるな」


 火の部分は弱点、というかダメージの通る唯一の場所であると同時に破壊できるらしく、試しに右腕の火を全部消してみた結果、こうだ。


 敵の残りHPは約30%、俺の残りMPは30とMPリジェネレートポーションは73服。戦闘開始前のポーション数が97服だったから、24分戦ってるのか。

 ……ちょっと集中切れてきたから終わらせたいんだがな。


「ーーー!」


 灰色のなんか文字書いてあるっぽい螺旋、つまり範囲強制(ギアス)!当たり行動だ!殴れ殴れ!


「効かねーよ!ばーか!」

 

 外れ行動は小振りの通常攻撃と、パリィ不可の大鎌を赤くして切ってくるやつ。大鎌は消したしもうヌルい。

 範囲強制(ギアス)も精神耐性の指輪クエスト報酬でもらえてなかったら即死確定の技だがな。


 そして、ホーリーウィンドとヴァルキリーレイドの再使用時間が経過したら、大振り攻撃を地面に流してブッ放してを繰り返し、繰り返す。


「ーーー……!!!!!」


 なんだいきなり赤くなってきた。発狂ですか?

 HP25%切ったみたいだしそれがトリガーか?


「ーーー!!」


 シャベルを地面に刺した。岩石飛ばしか?

 地面を砕く音が響き、


「墓生やし!?」


 墓がチンアナゴみたいにニョキニョキ生えてきた。

 当たったがダメージはない。


「ーーーー、ーーー!」


 墓がボーンと抜けて、それはもうたくさん抜けて、ひゅーんと俺の方にってヤバいヤバい!


「『Fホーリーウィンド』!」


 やっぱホーリーウィンドとんでもなく便利だわ。

 第一陣は吹き飛ばしたが、まだまだ飛んでくる。

 5階の出オチモンスターハウスを思い出すな……


 飛んでくる墓を受け流して凌ぎ、少しづつ前進しながらも避ける。


「!?」

「ーーッッ!!」


 剣を壁にしてシャベルの突きを受ける。流せない。軽い小さな体が飛ぶ。

 完全に不意を突かれた。墓飛ばしてる間は動かないと勝手に思ってた。


 HPゲージが消し飛び、112%あったのが2%残り数値1まで減る。それと同時にセラフィナイトの能力強化が消滅する。


 もしやセラフィナイトに即死ガード的な効果あるのか?

 でもこのままだと壁にぶち当たるか、墓当たるかして死ぬ。


 あ、そうだ。



【死亡しました。世界樹の雫を使用しますか?】


 使用!


【世界樹の雫を使用しました。】


 はーっはー!運営のお詫びアイテム取ったのだ。街でしか課金ショップ開けないがこれなら二つ使えるしな!


 死んだからヴァルキリーライズも再使用可能になったし、MPも全快だ。割りに合わないが良しとしたい。

 あと魂送り発動しなかったのは運が良かった。してたらどうしようもなかったし、運営アイテム出した意味なかった。


「ーーー!」

「墓は打ち止めだろ?そろそろ死ね!『Fセラフィナイト』『Fホーリーウィンド』!」


 墓の残骸を撒き散らして、墓守を仰け反らせる。


「『Fヴァルキリーライズ』『Fヴァルキリーレイド』!死ね!」

「ーーーーー!」


 全部股関節に命中。今までに14回当ててある、火が消えた。HPは4%ほど削れた。残り21%


 少々遠いが、ミスらなければやれる。保険(復活)はもうない。


「あああああああ!」

「ーーーーーー!!」


 小振り攻撃、流す。

 魔弾、避ける。

 霧の爆破、予備動作がわかりやすい、避けた。

 大振り攻撃、流して、3度攻撃。

 溜め、4回攻撃。

 見たことない攻撃、地面を割った、避けた。

 ホーリーウィンド再使用可能。

 大振り攻撃、流して3度。

 小振り攻撃、いなして突く。

 小振り、弾く。

 消えた。背後に剣を振りながらホーリーウィンドを自分を起点に。

 仰け反った、丁度ヴァルキリーレイド再使用可、放つ。


 ……

 …………




 大振り、ホーリーウィンド。

 仰け反らせ、ヴァルキリーライズ付きレイド。

 残り、1%


「これで、沈めえぇえ!!」

「ーーーー!」


 小振り攻撃の反撃をいなし、飛び上がり、回転しながら4回斬る。


「ーーァ……アアア………」

「…………」


 青い巨体が、俺に斬られズタズタになった黒い貫頭衣が、青色の粒子に変わり、散る。


 ……終わった?


「……つっかれたぁあああ!」


 よく勝てたな、と思う。

 小振り攻撃と不意打ち以外受けていないが即死ゲーで適正lvではなかったのは間違いない。


 弾き返し、受け流し、いなしのプレイヤースキルがクソほど上がった気がする。

 盾あったらもっと楽だっただろうか。少なくともそちらの方が前のゲームで慣れてはいた。足でパリィやら素手でパリィ、頭突きパリィとかは狙ったら死にそうだったのでやっていない。


 やってたらもうちょっと早かっただろうか。


「敵の身長ちっさかったら楽だったんだけどなぁ」


 …………帰って寝たい。が、せめてクエストアイテムは取って帰ろう。じゃないともう一度戦う羽目になりそうだ。


「もう一仕事しますか……!」


 クソだるいけどな。

この墓守さんの推奨lvは50以上の12人PTなので普通は勝てないのです。


VIT(防御力)は低いのですが火の部分に的確に光属性攻撃を当てないとダメージになりませんし、とんでもない火力+結構速い行動速度に後衛を狙いたがる性質があるのです。


そのうち出てくるギルドのサブリーダーさんも挑みましたが光属性攻撃できないので負けました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ