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第67鳴:決着

街の土から魔法で召還した岩のドラゴン、アースドラゴンが5mの頭上から僕達を見下ろしていた。


「ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


大気が震える雄たけびを上げるアースドラゴン。

フフフ、いくら紗枝と言えどゴジ○に勝てるわけがない。


「お姉さまあ!!ドラゴンは無理です。逃げましょう。」

「お姉さまぁ、速くぅ~。」


「うわああああああああああああああ、街の中にドラゴンが出たぞぉぉ!!」

「ぼ、冒険者達に依頼だあ。」

「騎士達に連絡を!」

「に、逃げろぉおおおおお。」

「お母さん~!!」


街の住民達はパニックを起こし、その場から逸早く逃げようと行動を起こしていた。

・・・ちょっとやりすぎたかな。


僕は、近くで倒れて泣いている女の子を見て、アースドラゴンを召還したのを少し後悔する。


「ぼ、僕の父親にそっくりだよぉ~。お父さんが蘇ったようだぁ☆」


ズヴァさんは、目を輝かせながら、アースドラゴンを見ていた。


「お姉さま。私達も加勢致します!!このままでは街に被害が。」

「わかったわ。・・・でもくれぐれも無茶はしないでね。」

「お姉さまの為にも誰も死ぬなよ!!」

「「「「「おう!!」」」」」


なんかとっても悪役になった気分です。

紗枝達がアースドラゴンに目が行ってる間に、僕は縛られているエアに近付く。


「エア、大丈夫か。」

「・・・・問題ない。」

「私の縄も外して欲しい。」


僕はエアの縄を外し、アアンナの縄に手を伸ばしたとき、


「ああ~、そ、そこは敏感なのじゃ。」


嬉しそうに頬を赤くしながら、アアンナが甘い声を出す。



「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


ザシュっという音が聞こえ、僕はアースドラゴンを見上げると、紗枝が上空高くジャンプして、アースドラゴンの一部を切り裂いていた。

・・・あんな頑丈な岩を簡単に・・・。


紗枝が着地しようとする直前、アースドラゴンの尻尾が紗枝の体を強襲する。


「きゃあああ~!!」


紗枝は、前の店の壁に突っ込むように飛ばされ、壁ごとぶち抜いていった。

他の紗枝軍団達は、アースドラゴンに魔法や弓をぶつけたりしている。


アースドラゴンは紗枝の攻撃以外は、ほとんどダメージを受けていないのか怯んだりもしていなかった。


本当、ドラゴンって最強ですね。

その時、アースドラゴンが紗枝に追撃をするかのように、尻尾をその前の店に叩き込んだ。

ズドーンと尻尾が店に埋まり、他の店や家なども破壊していく。

その威力が生み出した突風により、紗枝軍団も弱いものから飛ばされていく。


ちょ、ちょっとスカートが舞い上がるので目のやり場に困りますが。

僕はしっかりと現状を確認した。


ところで・・・・いつしまえばいいんでしょ。

アースドラゴンは勝気の雄たけびのようにゴオオオオオオオオオオオオオオと吼えていた。


「お姉さまああああああああ!!」

「さ、紗枝・・・。」


僕は紗枝を殺してしまったのではないかと、やりすぎたのではないかと後悔しだす。


すると、アースドラゴンの尻尾の先が飛ばされ、空中を舞う。

その場所から一人の女が、黄金色の輝きとともに現れる。


「お兄ぃ~、あとでお仕置きだからね。」

「お姉さまああああ!」

「フフフ、生きててくれてよかったぞ、我が妹よぉ!ちょっとお兄ちゃん後悔しちゃったけど、いつもの仕返しをここでさせてもらう!!行くぞ!!!」


「ちょっと待ったああああああああああああああああ!!」


アースドラゴンの左手を切り飛ばし、そのまま着地をした女・・・アイリスがこっちを睨んでいた。


「・・・私の邪魔をしたな、友。宿屋をふっとばしてくれるなんて・・・。」

「アイリス・・。」


やべぇ・・こいつまで敵に回してしまうと・・・・非常に。


「エア、手を貸してくれ。」

「・・・・このドラゴンはやりすぎだと思う。ゴホゴホ。」


「紗枝・・・、ひさしぶりにあれをするか。」

「ええ。よくってよぉ。」


「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」」


アイリスが青く光輝き、紗枝が黄金色に光輝く。


「「断・罪・剣えええええええええええええん!!」」


アイリスが召還した聖剣でアースドラゴンを縦に一刀両断にした後、紗枝が横に一刀両断し、二人ともアースドラゴンを背に構えをとく。


その後、アースドラゴンから光が舞い上がり、爆音とともに弾け飛ぶ。



「ところで、お兄ぃ、覚悟はいいかしら。」

「ああ。友。」

「あ、あの・・・できれば穏便に。」

「殺しはしないから。」


紗枝とアイリスが黒いオーラを放ちながらニヤリと唇を上げる。


そして、


二人の何十発の拳を体中に浴び、僕の意識はすぐさま飛んでいった。




「こ、ここは・・・。」


全身に痛みを感じながら僕は起き上がると、そこは見慣れた宿屋であった。


「いててて・・。」

「うぅ~ん。」


僕は上半身を起こそうとすると左肩に重みを感じ、左肩に視線を移す。

すると、そこには紗枝が寝ていた。


「お兄ぃ・・・お兄ちゃん・・・。」

「さ、紗枝・・。」

「・・・・・・帰ってきてよ。」


紗枝が寝ながら涙を流しており、僕は紗枝の頭に左手を乗せ、優しく撫でてやることにした。


「ああ。そろそろ帰るか。」


「・・・・そう。・・・なら準備する。」


急に隣のベットから声がしたので振り返ると、エアとヨルンさんがいた。


「そうだったのですか、トモ様は異世界の人だったのですね。」

「・・・ウィルネに連絡した。」



僕は楽しかったこの冒険を終わりにするときがきたのだと認識した。

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