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第62鳴:依頼達成

アアンナを連れて、自分達が拠点している町まで帰ってきました。

僕達は、街に帰って来てすぐさま、冒険者ギルドに駆け込んだ。


「・・・で、この子がどうしたのですか?」

「ジュンちゃん、このおチビはのぉ~、魔王の妹なんじゃ。」

「魔王って噂で何歳か知ってますか?

 その妹なら50オーバーでもよさそうですけど。

 この子、どう見ても一ケタ台にしか見えませんが・・・。

 ハッ!!も、もしかして、攫って来たのですか!?」


冒険者ギルドの受付嬢のジュンさんが、取り乱して、行方不明者リストに目を通す。

・・・・僕達、誘拐してませんから。


行方不明者リストを一通り見たジュンさんが、静かにリストを片付けていく。


「ええっと、ごほん。・・・どこから連れてきたんですか?」


攫ってきたの前提かい!と僕は突っ込みたくなる。


「ジュン、私達本当のことを言ってるんだけど。」

「ああ、ええ~、とっても判ってるわ、ヨルン。

 あなたはこう言いたいのね。

 ・・・・犯人はムーさんと。」

「なぁ!なんの犯人じゃわい~。ワシなんもやってないのじゃあ~。」

「そこのダークエルフのメイさんからセクハラされたと既に訴えられておりますが・・・。」


ムーさんは急いで振り返り、後ろにいたメイさんを見る。

そのメイさんは、声をあげず、唇を動かして説明していた。

ええっと、う、わ、き、し、た、ば、つ・・・・・。


ムーさんは青い顔をしている。

・・・・昨日夜中に一人でコソコソ出て行ってたのは浮気だったみたいです。


「まあ、ムーさんはともかく、僕の話を聞いていただいてもよろしいでしょうか。」

「なぜワシはともかくなんじゃ!?け、潔白を証明してくれぇ~い。」

「ええ、その少女を誘拐してきた話しでしょうか。」


・・・・もう僕達を誘拐犯にしたてあげたくて仕方ないみたいです。

その時、後ろで控えていたゴブさんが、


「ゴブゴブゴブ」

「ええ、わかってますよ。ゴブさんはそんなことをする人じゃない事を。

 したのは、友さんとムーさんですね。」

「ゴブゴブゴブ!」


ゴブさんが慌てて、ジュンさんの前に行き、説明しようとするとジュンさんが身を乗り出し、ゴブさんの片手を両手で抱きこむ。


「こ、こんなとこで愛を語っていただけるのですか?」

「ゴブゴブゴブ!?」


話しが一方的にしか伝わらないことをいいことにジュンさんは自分にいい方向に話を進めようとする。


「違うのだ~。誘拐はしてないのだぁ~と言ってるのだ~。それと、そんな事一言も言ってないのだ~と言ってるのだ。」

「ちぃ」


ゴレンダーが説明するとジュンさんは舌打ちをする。


「まぁまぁ、そんなに私の為に争うな~。まぁ私がこの世で一番可愛くて神々しいからと言って。」


さっきまでパーティの後ろにいたアアンナが前に乗り出し、仕方ないな~といった感じで出てくる。


「・・・・一番不細工の間違い。」


エアとアアンナから火花が飛び散る。


「それで、あなた本当に魔王の妹のなの?」

「私が魔王の妹、アアンナじゃ。ひれ伏せ、人間共ぉ!フォホホホホ、ゴホゴホゴホゴホ。」


慣れない事するからむせるんだよ、アアンナ。


「そうですか・・・証明するものは何かお持ちで?というかなぜ魔王の妹を?」

「「「「証明するもの・・・。」」」」

「お前、なんか証明できるもの持ってるか?」

「私のパンツくらいでどうじゃ。魔界でしか作られていないパンツだぞ。」


そんなパンツで魔王の娘ってわからないでしょう・・・。

というかそんなものをジュンさんに渡したら、それこそ牢屋に連れて行かれる。


「証明は後にして。連れてきた理由は、魔王軍を率いて人間界に侵略計画を立てていた張本人だからです。」

「そうじゃ、私が指揮をすれば、お前達人間など容易くひねり潰すとこじゃったんだぞ。」

「へぇ~、じゃあその張本人を死刑にしたらいいのですか?」

「え・・・。」


ジュンさんが興味なさそうにテーブルに伏せながら話を聞き、アアンナに死刑宣告する。アアンナは高笑いしていたのを止め、顔が青くなっていく。


「そりゃあ、そんなこと考えてる人を生きて帰さないでしょう。」

「まあ、普通そうですよねぇ~。」

「お、お前等ぁ~私を殺す為にここまで連れてきたのかぁ~。」


泣きそうな顔になるアアンナ。いやそのつもりはなかったのですが、侵略止めたってことだけを証明できればよかったのですけど・・・。凄い話になっていく。

その時、アアンナは何かを思いついたみたいで、ムーさんを見ていた。


「わ、私、あのおじいちゃんにぃ、無理やりぃ、うえええええんんん おねえちゃ~ん。」


アアンナは幼児の演技をしだし、ムーさんを誘拐犯にしたて上げていく。


「そうですね、そりゃあそっちの方が信憑性がありそうです。」


ジュンさんが中指でチョイチョイ手招きすると今まで後ろで控えていた冒険者たちがムーさんの両手を掴んでどこかへと運んでいく。


「さ、詐欺じゃあ~!!ワシはダマサレタダケジャア~!!」


「それで魔王討伐はどうなりましたか?」

「ええっと・・・・魔王さんは討伐できませんでしたが、人間界の侵略は止めましたので・・・。」


僕は依頼書をサブミッションで達成したと依頼書をおそるおそる提出する。


「そうですか!?ありがとうございます!!さすが、モンスターパーティですね。」

「あの・・・証明とかは?」

「魔王さんの方から便箋にていただいております。トモさんから話を聞いてくれと。」

「そうですか・・・。」

「それとこれが賞金となります。一応借金分は省いておりますのであしからず。」


ドンと机の上に置かれた手提げかばんいっぱいに金貨が入っており、光り輝いていた。


「こ、こんなにぃ!!ええっと、何人で分けないといけなかったけ。エアとヨルンさんとゴレンダーさんとゴブさんとカタリーナさんとイルさんとムーさんと・・・」

「お兄ちゃん!!」


アアンナが僕の事をお兄ちゃんと申し、にこやかな笑顔で両手を差し出していた。


「お兄ちゃん!☆」


アアンナ以外のメンバーで山分けにし、各自解散とした。


僕は今、ヨルンさんとエアと一緒に家を借りようと、賃貸を探していた。


「お兄ちゃん、私大きな家がいい。」

「・・・・なんでアアンナ、こっちにいるの?」

「トモぉ~連れないわね~。お兄ちゃんの友達は私の友達って知らない?」


初耳ですけど・・・。


・・・・・

おかしい。

ジョギングしているのに・・・体重が減るどころか


増えてる。


ウィルネ(友)は、恐る恐るたわわに実ったお腹に手を伸ばす。


「よぉ!ウッチャネ。」

「ビク!?

 ア、アイリスかぁ~びっくりさせないでよ。」


・・・・この体、どうしようもないな・・・・。

どうしようかな。


私は雲ひとつない青空を眺めて、現実逃避する。

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