第59鳴:友のピンチ
カタリーナさんが泣き止み、僕達は先に進むことを決めた。
僕の服はカタリーナさんの鼻水と涙でぐちょぐちょになっている。
ヨルンさんもエアもそのせいか少し僕から距離を取っている。
「洗浄の魔法って、誰か使えないの?」
「ワシは覚えていないのぉ~、少しくらい汚くても気にしないからのじゃから。」
「私も覚えていない。戦闘には必要ないからな。」
「トモ様、申し訳ありません。私はスタンしか使えません。」
ムーさんもカタリーナさんもどうやら覚えてないみたいだ。
そして、ヨルンさんはスタンしか使えないみたい・・・なぜ、スタンを覚えたのだ。
その時、エアが僕の左手を指で突いてきた。
「エア、どうしたの?」
「・・・・トモ、使える。」
「エア、洗浄の魔法が使えるのか!?凄いじゃないか!!
是非今すぐ僕にかけてくれ!!」
僕はエアが使えることを知り、歓喜し、エアの両手を握って、荒々しいダンスを踊る。
エアは、僕に手を引っ張られ、おぼつかない足取りで精一杯頑張っていた。
「・・・・・・・酔いそう。ウップ。」
僕がエアを10回転させると、エアは青い顔をして口元を手で押さえていた。
ちょっとやりすぎたかな。
僕は口元を押さえているエアの隣に立ち、背中を摩ってやる。
「おまえ、それはまずいぞ!!」
「!?ウゥ」
「えっ!?」
メイさんが背中を摩った僕に注意しようと大声を出した時、エアは口元を押さえていた手を離し、僕の服に向かって出してしまいました。
「・・・・・。」
そして、さらに僕から距離を取るパーティメンバー。
エアさんも一緒に距離を取っています。・・・・あなたが出したんでしょうが・・・。
「魔界の独特な空気の匂いを上書きするような匂いじゃの。」
「ゴミの匂いがします。」
「トモ様、申し訳ありません。近づきたいのですが・・・体がどうしても言うことを聞かずに。」
「・・・・・トモ・・・・洗浄魔法・・・・対象に1m・・・・近づく必要・・・・・ある。
でも・・・この匂い・・・・無理。・・・・・昨日食べた・・・・ミミズだと思う。」
エアさん・・・・昨日パーティメンバーに黙って何を食べていたんですか。
・・・というかこのままだと洗浄魔法かけてもらえないじゃないか。
どうするどうする。
僕はパーティメンバーに一歩近づくと、皆は一歩後退する。同じように一歩踏み込むと、同じように一歩後退する。僕と皆は沈黙しながら、硬直する。
そうか・・・・そういうことか。
僕は気合を込めて、筋力を1.1倍にする。
「な、なにをするきじゃ。界王○んでも使うつもりかのぉ~。そんなことをすれば筋肉痛がおぬしを襲うぞ。」
・・・・ムーさん、なんで日本のア○メ知ってるんですか。
まあ、それよりも準備は整った。
僕はフフフと薄ら笑いをする。
その薄ら笑いを見た皆はまさかっと呟いて僕から距離を取ろうとする。
「逃がすかアアアアアアアアアア!!」
僕は全力でパーティメンバーに襲い掛かる。
「「「きゃああああああああああああああ」」」
パーティメンバーは散り散りに逃げていく。特に女性人からは必死さが伝わる。エアは無表情だけど。
僕は酔っ払いで足がふらついていたイルさんに飛びつき、ハグする。
「ぎゃああああ、くせえええええええ。」
あなたも十分に酒臭いですけど。・・・・で、僕が抱きついたことにより、イルさんは気分を悪くし、
「うおおえええええええええ。」
「・・・・・・。」
僕はイルさんの汚物を頭から被ってしまう。
・・・・・。フフフ、界王け○2倍ってところでしょうか。
イルさんは、吐いた後、そのまま蹲ってしまいました。
僕は次の獲物を探す。
さきほどまで盛っていたメイさんが腰を抑えて満足に走れていないことに気づく。
「僕から逃げれると思うなよ!!」
「ぎゃああああああああ、盗賊におった頃にも嗅いだことない匂いだアアアアア。は、鼻がああああ。」
僕が抱きつくとメイさんは、鼻を押さえて気絶する。・・・・どうもエルフは鼻が効くらしい。
抱擁しながら気絶したメイさんの胸が僕の顔に当たる。
・・・・・。
ちょ、ちょっとくらいいいよね。
僕はメイさんのお胸に顔をこすり付けた後、地面に寝かせ、次の獲物を探す。
ゴレンダーは、空手でいうところの正拳突きの構えをしていた。
あ、あれは近づいたら僕の体吹き飛びそうだね。
ゴブさんは、ナイフを構えて臨戦態勢を取っている。
・・・・。
ヨルンさんは、今まで見たことないくらい険しい顔をして、スタンの準備をしている。
エアは、白いワンピースから掃除機らしきものを取り出した。
なんか近づいたらあの掃除機で吸われてしまいそうで怖いんだけど。
ムーさんは死んだ振りしている。いや、意味ないんですけど。
「次はカタリーナさんだ!!!覚悟ぉ!!」
「許せ!!!ファイヤーフォォーク!!!」
「えっ!?」
カタリーナさんが生成した火のフォークが僕の真下から出てきて、フォークの先の隙間に、頭、両手がそれぞれ入り込み、動けなくなる。
「浄化!!!」
カタリーナさんがそういうと、フォークから炎の竜巻が出て僕を焼きながら、10mはある炎柱が立つ。
「あああちぃぃぃぃぃぃぃ!!」
数分後、火が消え、僕は地面に黒焦げになって倒れこむ。
HPがMAXなので死ぬことは無いんですが、体中が痛いんですけど。熱いんですけど。
僕は、全身素っ裸で黒焦げになり、魔界の地面に倒れることになる。
そこには観客、改装工事をしていた数えれないくらい多い魔族達が押し寄せて、炎を観察していた。
「おい、アイツ、生きてるのか?」
「いや~、あの炎だぞ。無理だろ。」
「お前・・・こんなとこで何してるんだ?」
ま、魔王さんが重たそうな石を肩に担いだまま、倒れている僕に話し掛ける。
「あ・・・・これ、おみやげです。」
「何も持ってないだろ。・・・・お前の裸なんかいらないが。」
「あ・・・。」
「ハアハア、なんで私がこんなことぉ。」
私は、今日も朝早くジョギングをしていた。
まあ家から出て5分しか立っていませんが。
近くの公園により、ベンチに腰をかけていた。
そして自販機で購入した砂糖たっぷりのコーラを一気飲みする。
「女神がダイエットするなんて前代未聞。」
ウィルネは、友の体を見る。
「一掃のこと、消去するか。」
「駄目だろ。」
ウィルネを制するようにアイリスが声をかける。
・・・・この脳筋に注意されるなんてぇぇぇぇ。




