第40鳴:ホームレスの試練
「あの・・・。」
「うお!!なんじゃおめえ~、何で裸なんじゃ。」
友は、路地裏に逃げ込み、そこでホームレスをしている男性に話し掛ける。
「ちょっと追い剥ぎに会いまして・・・アハハハ。」
「そ、そうか。それは辛かったのぉ~。此処に来たのは初めてか?」
「はい。もう・・・・何も分からなくて・・・。」
ホームレスの男性は笑いながら、僕の背中をバシバシと叩く。
「心配するな。ホームレスの過ごし方ならこのワシが教えてやるわぁ。」
「は、はあ~。」
僕は、異世界に転移したが、所持金も身の回りの服さえ、持ってない状況であった。
つまり、ホームレスに身を寄せるしかなかったのだ。
「ところでおめえの名前は?」
「と、友といいます。」
「ほうぅ~、トモかぁ。中々変わった名前じゃのぉ~、もしかして転移者か?」
「い、いえ・・・。」
「そうじゃのぉ~、異世界転移者が裸でウロウロしとるわけなかったの。」
「は、はぁ~。」
「ワシの名前は、ムーだ。とりあえず、着るものをなんとかしなくてはなぁ。」
ムーさんは考えてるような表情をし、何かを思いついたかのように、急に立ち上がる。
「ついてこい。あそこに行けば何かあるはずじゃぁ。」
僕は、ムーさんの後をついて、路地裏の奥へ奥へと行く。
「ここじゃ。」
「ここって・・・・、どう見てもゴミ捨て場のようにしか。」
「色んな物があって、便利な場所なんじゃ。」
「そ、そうですか。」
ムーさんが紹介した場所は、この街のゴミ捨て場であった。
見るからには、確かに色々な物が捨てられている。穴の開いた木傘、壊れたタンス、さび付いた武器、穴の開いた防具、ウェスとして役目を終えたシャツの切れ端、食べかけのパンなどなど。
・・・・・穴の開いた防具とか武器とか捨てられてるけど・・・リサイクルとかしないのかな。
「ほほう。おぬしもここが宝の山に見えたようじゃな。」
「え・・・そこまでは・・・。」
「金持ち共が、まだ使える道具などをこんなにも捨てておるのじゃ。これもまだ使える、これも、これも」
「そ、そうですねぇ・・・。」
ムーさんは目を輝かせながら、ゴミの山を漁っていく。
僕も裸のまま、ゴミ山を登って行く。ちょっとチクチクして痛いです。
ですが、僕は歩く度、怪我をしているはずなのに、足裏を見てもぜんぜん怪我をしていない。
あれ?・・・と思って、足を置いた先に、さびついた剣が突き出ており、足裏に刺さりました。
「いてえええええええ。」
「おぬし、裸なんだから気を・・・って、おぬし今回復魔法を使ったのか?」
「え?・・・そういえば、足の痛みが無くなったような・・・。」
僕は剣がささった足裏を確認するが、怪我一つ負っていない。
「おぬし、回復魔法の使い手じゃったのかぁ!」
ムーは持っていた無数のゴミを投げ飛ばし、すごい勢いで僕に向かってきた。
「え、つ、使えるかどうかは分かりませんが・・・僕自身には使えるみたいですね。」
「それは中々使えるのぉ~。」
ムーさんは僕の顔を見ながら、ひげ面の顔をニタリとする。
・・・・嫌な予感しかないのですが・・・。
そして、数時間後・・・街の中央の泉のそばで・・・
「オラオラオラ!!!」
「ちょっと、ちょっと待って、ええ、い、いてえええええ。」
僕は街の冒険者に素手で殴られている。
「おい、ちょっとは避けろよ。」
「ううううう。」
「でも本当に凄いな・・・あの傷が一瞬で治ったぜ。でもなんで裸なんだ?」
「まあ、いい憂さ晴らしになったぜ、ほらよぉ。」
「毎度有りぃ~。」
ムーさんは、僕を殴った冒険者からお金を貰っていた。
「おぬし、後できっちり分け前を渡すから、ここは我慢じゃ。」
「あの・・・・他の方法は考え付かなかったのですか・・・。」
「おぬしの為にもなる。頑張るのじゃ。」
「ひぃ~。」
「次は俺だな。俺はB級冒険者なんだが、大丈夫か?」
「大丈夫ですよ、旦那。」
・・・・・あの後、B級冒険者のボディブローを喰らい、内臓破裂。A級冒険者のビンタで首がヒビが入ったりなど、色々あったが、一瞬で回復をし、生き延びるのに成功。
「ムーさん・・・・もう持ちません。」
「まだあんなにも行列があるのじゃ。もう一踏ん張りじゃ。」
僕は、50mはあるのではないかという行列に目をやり、死ぬな僕・・・と思いながら、殴られていく。
あの後、ウィルネさんから連絡があり、
「友のチート、HPMAXと自然治癒能力MAXだから何があっても死なないようになってるから、気楽に過ごしてねぇ。」
気楽に過ごしてませんから、もうメッチャ殴られましたから。
途中にホモのムキムキマッチョに連れてかれそうになりましたから。




