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第32鳴:アイリスおつかい編

黒電話からジリリ~ンと音が鳴る。

部屋内を黒電話からの着信音が反響する。


だが、この部屋には現在、電話を取れるものがいない・・・。

数回鳴り響いた後、隣の部屋からエアが現れる。



「・・・・うるさい。」



エアは、今も鳴り続ける黒電話の受話器を取り、耳元に受話器を近づける。


「あ、やっと繋がった。おーい、友!」

「・・・・・・。」


エアは、声で電話の主がアイリスであることが判明し、そっと受話器を元に戻そうとする。


「今からそっちにいくか・チーン」

「ふぅ~・・・・。」


エアは一仕事終えたかのように、右腕で自分のおでこの汗を拭く。


「こらぁー、切るな!!」


アイリスがいきなり友の部屋のドアを開けて、出てきたので、エアはゆっくりとそちらを向く。


「あれ?友がいないじゃあないか。・・・あれ?エアどうした?」

「・・・・・・・。」

「そうだぁ! エアでいいから少し手伝って欲しいことがあるんだが。」

「・・・・・・なに?」

「一緒に異世界に行ってほしい。」


アイリスはマジックバックから『写し人形』を取り出す。エアも最近購入した『人形に写るんです』を取り出す。アイリスの神小道具は、自分の能力の1/10の分身を作りだすことが可能だが、エアの神小道具は自分の能力そのままの分身を作り出すことができる二代目の作品である。エアは今月の小遣いでしっかりと買っちゃいました。


「エア・・・・・私にもその人形に写るんですを貸して欲しいのだが。」

「・・・・・・・・買う。」


アイリスはエアに二代目の作品を貸して欲しいと頼むが、断られる。

仕方なく、アイリスは神力を使用し、自分の能力の1/10の分身を作り出す。エアも同じように1/1の分身を作り出す。


「さあ、行くぞ!!」

「・・・・・・・・・・うん。」


アイリスとエアの分身は、黒電話に触れ、光柱が分身を包み、光柱が自分の部屋から消えたとき、分身もいなくなり、異世界アースガストに降り立つ。


「どうやら無事に来られたようだな。」


アイリスは周りを確認する。そこは、どうやら喉かな・・・ではなく、殺伐した場所であった。

・・・・少し離れた所には、魔王城らしきとこが見えます。


「ウィルネ聞こえるか?」

「はいはい~、どうしましたかぁ?」


この世界の女神ウィルネとアイリスは、この世界では好きな時にお互いに念話を送りあえる。


「魔王の侵略地にきたぞ。」

「知ってるよぉ~、私がそこに送ったんだだものぉ。」

「言われた通りに来たんだが、この後はどうしたらいい?」

「ええっと・・・さっきいったんだけどぉ~。」

「・・・・・・・ふむ、詳細は忘れた。だが、魔王から取って来いと言ってたのは覚えている。」


「に、人間がこんなとこにおるぞ!!」

「ま、まじか!ま、魔王様に報告しろー。」


魔族達は、急に現れたアイリスとエアを発見し、パニックを起こしている。我先にと逃げる者、魔法を放とうと詠唱を開始する者、接近戦を試みようと突進してくる者、何事もなかったかのように厠に行く者。


「死ねエエエエエエエエエエエエエエエエ!ニンゲン!!!」

「うむ、私に剣を向けるとはな。愚かな。」


蝙蝠の羽のようなものを背中についている男が、剣をアイリスに突き刺そうとしている。

アイリスは聖剣を召還し、正面に現れた剣の柄を右手で握る。

そして、横一閃で蝙蝠男の胴体を斬りぬける。


「くはあああああああああ、魔王様バンザーイ・・・・・・ドサ」

「くぬぬぬぬぬ、魔法だ、魔法攻撃を放てーーーーーー。」


アイリスに向けて、魔族が放った多数のファイヤーボールが迫る。

ヒョコとエアがいつの間にか出したマントを装着し、アイリスの前に陣取る。

そして、ファイヤーボールがエアに迫った時、エアはマントを振る。

マントに触れたファイヤーボール達は、煙となって消えていく。

エアが取り出したマントは、神の小道具「なんでも止めちゃいます。」といって、魔法攻撃を無効化にするだけでなく、


「魔法攻撃が防がれた!!!なんだ、あいつは!なら弓だ、弓であいつらを打ちぬけ。」


多数の弓矢がエアに迫るが、エアはマントを翻すだけで、弓矢を弾いていく。


「・・・・・・・・・無駄。」

「私のエアに何をする!!!」


アイリスは魔族達の横を通り過ぎていき、指揮を取っていた魔族に接近する。

横を通り過ぎていった魔族達は、パタパタと倒れていく。通り過ぎた瞬間にアイリスに斬られていたのだ。


「き、貴様、勇者か!!勇者じゃないとこんなことができるはずが・・・。」

「ふ・・・・残念だったな。私は女神だ。女神アイリスだ。」


アイリスは、指揮を取っていた魔族に向かって、自慢げに胸を揺らしてそう答える。

指揮を取っていた魔族は縦に揺れている胸に少し意識をもっていかれたが、


「め、女神だと!調子に乗るな、そして、俺の大好きなアイリス様を語ったお前には死んでもらう。」

「え?」


アイリスの信者であった魔族の指揮者は、大剣をアイリスに向かって振り下ろす。

アイリスは、え?という顔をしながら、その大剣をなぎ払う。

魔族の指揮者はその反動により、よろけて、自分の大剣を背中受ける。


「ぐはあああああ、・・・お、俺がやられても・・・・魔王様のとこに無事でつけるとは思うなよ。俺なんてただの一兵士にしか・・・・」



女神ウィルネは、その光景を『なんでもできるんです』で見ながら


「アイリス・・・・魔王から魔力の玉を預かってきてほしいと頼んだのにぃ。・・・何戦ってるのぉ。」








「ただいまぁ~。あれ?誰もいない。」

「お兄ぃ、私の卒業式なのにぃ、泣きすぎ。」

「いや、あれは泣けるだろ。曲と雰囲気に。」


ウィルネはもう一台の『なんでもできるんです』で友と紗枝の帰宅を知る。


「仕方ないですねぇ~。」

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