第21鳴:紗枝異世界に立つ
「・・・・・・・・・・・これ、見て。」
エアは、僕とアイリスと紗枝に、手に持っていたものを見せる。
それは、人の形をした人形だった。
い、いや、顔はクマの顔でした。
「・・・・・・・・・・・・試作品。」
なんでも、この前、二代目ダテが来た時に、クマのぬいぐるみ『何でも聞きますよ』と一緒に持ってきたみたいだ。どうも写し人形を二代目が新たに手を加えて作りかえたらしい。いわゆるバージョンアップという物だ。
「・・・・・・・・・・・友、使う?」
「どういう効果があるかわからないし、友が使うとあの獣が誕生しそうだ。友はやめとけ。」
「・・・・・い、いや、僕があえて使おう。僕が心を鬼にして耐えればいいんだ。」
感触が共有されるから、是非ともあの体験をもう一度・・・。
「私がやるわ。お兄ぃの獣の相手は面倒だし、試作品ということはもっと面倒だろうし。」
「そうだな。紗枝でやってみよう。」
そういうと、エアは紗枝に人形を渡し、アイリスは紗枝の人形の持っている手に触れ、神力を込め始めた。
その紗枝の手を握っているアイリスの顔は赤い・・・。
そうこうしている内に、人形が光だし、その人形から光が飛び出し、ムクムクと大きくなっていく。
光がおさまるとそこには、紗枝そっくりの人間がいた。
「ここまでは、普通の写し人形と大差ないな。」
「ちょっと動かしてみるね。」
紗枝は分身に念じて、まず、正拳突きを繰り出し、そのままハイキックをする。
速すぎます・・・出始めが全く見えません・・・・。
紗枝は一体どこでこんなものを見つけたのでしょうか。また、どこを目指しているのでしょうか。
「なんか能力が1/10になっているように思えないわ。そのままみたいな・・・。」
「中々の動きだ。私も感心したぞ。」
「・・・・・・・・・・・能力低下なし。凄い。・・・・・・・販売されたら買う。」
「まず、9万円僕に払ってからにしてくれ。」
そういうと僕の目線を外すようにエアは横を向き、口笛を吹きだした。
「これで異世界にいってみたいんだけど、いい?」
「ああ。問題さえ起こさなければ大丈夫だ。」
「・・・・・・・・・・レッツGO!」
紗枝の分身は、黒電話から異世界に送られ、僕達は『なんでもできますよ』でその様子を確認する。
紗枝の分身が降り立った場所は、どこかの国の王様の前だった。
「おおおおおおおおおおお!異世界召還が無事に成功したんだな!」
「え、ええ?え?え?」
「でも、こんな美人な女を召還するとは・・・おぬし達も好きよの~。」
王様は長い階段の下にいる召還士10人にそういう。紗枝はその階段の踊り場らしき場所におる。
踊り場っていうくらいだから躍ってやったらいいのに。
紗枝は、え?え?っとパニックいる。
「さあ、勇者よぉ!我が国のために是非戦ってほしい。」
「え?私?私が勇者?」
「おぬししかおらんだろ。これだれか!パンパン」
王様が手を叩くと、慌てたような騎士が入ってきた。
「ここに。」
「おお~。我が国の騎士団隊長のウイルではないか。ここにおられる勇者に色々と良くしてやってくれ。」
ウイルは、紗枝を見て、王様に目線を戻し、
「わかりました。ウイルの何かけて勇者様を無事に送り届けて見せます。」
「うむ。まかしたぞ。・・・・ところで勇者のレベルはいくらくらいじゃ?」
「わ、私、今きたとこなんで・・・。」
「測定します!!」
召還士の横にいた鑑定士らしき人が、紗枝をじぃーっと見つめる。
「わかりました。バストはFカップで、
「おぬしは一体何を鑑定している。」
「も、申し訳ありません。」
鑑定士の言葉に紗枝は胸を両手で押さえ、王様に突っ込みをもらう。
「改めまして・・・・な、なんですとぉぉぉぉぉ!!レベル40ですぞぉ!」
「ば、ばかなぁ!召還されたものがいきなり40なんてことは今までなかったぞぉ!」
鑑定士の声に、ウイルも合わせて声をあげる。周りの連中もガヤガヤ言い出す。
その者たちに黙るように王様が手を前に出す。
その行動を見た者達は、一斉に静まる。
「前代未聞の勇者よ。おぬしの名前を聞いてもよかろうか?」
「紗枝よ。」
「紗枝殿か。一度その腕をお見せいただけないだろうか。ここのウイルは、レベル50の我が一の強者じゃ。手合わせをしてくれないかの?」
「是非、私からもお願いしたい。勇者といわれるものの実力をこの身で確かめたい。」
そういうとウイルは、鎧を脱ぎ、え?え?上半身の服を脱ぎ・・・何の手合わせをする気だ。
ウイルは、上半身裸、下半身はズボンでファイティングポーズを取った。かなり鍛えられているのがわかるくらい筋肉が盛り上がっており、逆三角形になっており、腹筋もバキバキです。
紗枝も構えを取り、
「いいわよ。」
「では、勇者vs騎士団隊長の試合を始める!」
「どっちだ!どっちにかける?」
「お、俺は、もちろんウイル隊長だ。」
「俺はあのプリティーレディーにかけるぜ。」
「あのおっぱいが縦横無尽に暴れるんだぜ、全財産を勇者にかけるしかないだろう。」
「準備はいいか!!」
「「「「「「「「「「「「「「「「おう!!」」」」」」」」」」」」」」
王様が音頭をとり、城内はヒートアップしていく。
この人ら大丈夫か?賭けしちゃだめでしょう・・・。それも来たばかりの人巻き込んで・・・。
「お前、全財産っていっても金もってたけ?」
「・・・・・・・・・・。」




