第1鳴:エア登場
異世界らしく、女神登場します。
「・・・・・・エア。」
「えっ、・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・私の名前。」
「・・・・・ああ・・。」
緑色の髪をした女の子は、僕の目を見ながら、エアと名乗った。僕は、エアの可愛さに顔が赤くなる。
こんな可愛い子と見詰め合うなんて・・・・ドキドキです。
エアは、無表情のまま、僕に牛歩のようにゆっくりと近づいてくる。
僕は・・・彼女が一歩踏み出すと、一歩下がるを繰り返す。
・・・・そうです。いくら可愛い子でも初対面の方が怖いのです。。。
そうこうしている間に、僕の太ももがベットの端に当たり、体勢を崩し、そのままベットに倒れる。
それでもエアは無表情で近づいてくる・・・・一秒に一歩進む感じで。
僕の部屋のベットは壁側にある為、僕は逃げ場をなくしたといっても過言ではない。
その時、紗枝が後ろからエアの首ねっこを掴んで持ち上げる。
「・・・・・・・。ポン・・・・・・・にゃぁ♪」
紗枝に宙ぶらりんにされているエアは何を思い出したか、左手の上に右こぶしをそえ、猫の鳴きまねをした。とっても可愛いねこちゃんです。なでなでしたいなぁ。
「ちょっとあんた~。どこの誰で、どうやって、入ってきたのよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・天界人のエア。」
「「天界人??」」
エアは、天井を指差しながら答えた。2人に天界人と尋ねられたエアは顔を縦に振る。紗枝はゆっくりとエアを降ろしていく。
「か、神様?」
「・・・・・・・・・・・・・・そう、女神。」
紗枝・・・・・女神様の首ねっこを掴んで持ち上げるなんて、罰があたるぞ。その巨乳を気の済むまでもませてあげるんだぁ。見た目からして女神様ないから・・・胸ないから。。。
「・・・・・・・・・・・・・・33.5地区管理の女神。」
「33.5地区??地球の女神様じゃないの?」
「・・・・・・・・・・・・・・地球の一部の神。」
「へぇ~、どこを管理しているの?」
僕は興味本位で、エアの管理地域を聞いた。するとエアは、急に片足立ちになって・・・・
トントントントン、ピタ
エアは、部屋の隅まで片足で横っ飛びしながら、壁に手をついた。
「・・・・・・ここから・・・」
エアは、今度は逆向きに横っ飛びしながら、逆の壁に手をついた。
「ここまで。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
俺の部屋の管理だけに女神様一人も使わないで下さい。労力の無駄です。
エアは、頑張ったと頬を膨らまし満足気。腰にもちゃっかり手を添えている。
紗枝は、その行動を手を組んでみていた。お胸が強調されておりますぞーっと言いたい。
「で、どうやってきたの、女神様。」
紗枝は、エアの息が落ち着くのを待ってから話しを続けた。エアは、紗枝の返答とばかりに黒電話を指差す。
「・・・・・・・・・・・・・あれを使った。」
この後、エルは喋るのが苦手なのか、少しずつしか話してくれなく、真相を聞きだすのに30分かかった。その結果、9万円で購入した黒電話は【黒い電話】といい、神の小道具だとか。これを使えば、天界人が天界から地上に降りれるとのこと。天界人は基本道具を使わないとなかなか地上に降りられないのだが、地上人の能力で憑依して降りることもあるらしい。僕にはその能力はないとのこと・・・。後、軽く自己紹介もそれぞれ行ったが、エアは僕のことはよく知っているとの事だった。
「へぇ~、天界人の持ち物だったのか。9万円もしたんだから。うんうん。」
「ところでお兄。 知らない人とよく喋れるね。」
「・・・・う、うん。・・・・まあなんか仲良くなったし。」
「・・・・・・・・・・・・友達になった。えっへん。」
エアは僕と同時に同じ内容のことを喋りだした。紗枝の機嫌がいっそう悪くなる。
「エア。この黒電話さぁ~ 天界人を連れてくるだけでなく、なにか他の使い方もないの?」
「・・・・・・・・・・・・ある。見てて。」
エアは、黒電話の受話器を取り、
ガチャ
「・・・・・・・・・・・・・繋がった。出て。」
「?????、はい?」
僕は、首をかしげながら。エアから黒電話の受話器を受け取り、耳に当てた。
「ハイネ~、もぉ~、喧嘩しない。お兄ちゃんでしょ。」
受話器の向こうから女の人の声と、にぎやかな声と音が聞こえる。
なんですか、これは。
番号回してなかったよね。エア、受話器取っただけだよね。
「・・・・・・・・・・・・・・喋る。」
「あ、ああ。。。。」
何を喋ったらいいんだ?おはよう?はじめまして??????
最近引きこもってからこういうの疎いよぉ~
「マ、マ、・・・・・・・・・・・。」
マイクのテスト中~♪って言いたいのに~。こんなこともいえないなんて。
「し、神託だわ!!!!い、今私の脳裏に神のお言葉がぁ!」
「えっ、、、、」
受話器の向こう側で神託がどうのこうの言ってる。また、受話器の向こう側の音量が高いせいか、紗枝とエアにも内容が伝わってそうだ。向こう大パニックになってるよぉ。
エアは僕から受話器を取り、元の位置に戻した。
チンという音が聞こえ、受話器から音が消えた。
「・・・・・・・・・・・・・異世界の誰かと繋がる。」
「「え、、、、異世界???イセエビじゃなくて??」」
エアの発言に俺と紗枝は同じボケをする。兄弟だから思考も一緒なのか。お兄ちゃん嬉しいよぉ。
「・・・・・・・・・・・・・エア、ここと違う異世界も担当して、ごほごほ、る。」
エアは、長文を喋ると咳がでるのか・・・・。あ、背中さすってあげようかなぁ。
セクハラとか言われてしまったら。と、友達が困ってるんだ!せ、セクハラじゃない!!
と俺がエアに手を伸ばそうとしたとき、
「お兄、なにしてるの!」
紗枝ににらまれました。
「い、いや、、、異世界について聞こうかと。ほら、僕、異世界なんてマンガの世界だけかと思ってたから。」
「手は関係ないでしょ。」
その時、黒電話が鳴り出した。
ジリリリリ~ン、ジリリリリ~ン。
俺は、黒電話の受話器を取り、耳元に添える。
「そこで待ってなさいよぉ!」
受話器から怒った女の声が聞こえた。。。。
紗枝は、エアの魔の手から友を救い出した。
だが、紗枝の気持ちは友には届いていない。
どうする、紗枝。お兄ちゃんに振り向いてもらうにはどうしたら!