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第15鳴:真実

紗枝の昔話続きです。

・・・・・お楽しみに。

「おお~い、荒川ぁ、チーズハンバーグはできたのかぁ~。」

「できてま~す。」


お兄ぃは、チーズハンバーグを皿に載せ、ウェイトレスに渡しにいく。

加西という女は、その光景を見て微笑んでいた。


その後、客足が伸び、会話どころでは無くなり、お兄ぃと加西という女は只管料理を作る。

私はというと・・・・コーヒーで時間を稼いでました。


「お姉ちゃん~、いつまでいるの?」


と小さい子供にも言われるくらいずぅっとおりましたよ、もう。

すると、お兄ぃがスタッフルームから出てきて、私に声をかけました。


「また今日も来たのか。紗枝、暇人だな~。」

「ここのバナナパフェが美味しいのよ。」

「あ、それ、俺が作ったやつだぞぉ。感謝しろよぉ~。」


お兄ぃとたわいもない話をして店を出る。

なんか後ろから視線がするなっと振り返ってみると、そこにはあの加西という女が私を睨んでいた。

さきほどまで可愛らしい?笑顔だったのが、嘘のよう。

そっちがあなたの本性なのね。

私はわざと見せ付けるかのように、お兄ぃの腕にしがみついた。

お兄ぃはちょっと顔を赤くしている。・・・・純粋だね。


・・・それから数日後、

同じようにバイト帰りを待ってた私は、途中にあったゲームセンターに入ろうとお兄ぃにせがむ。


「もうすぐ暗くなるから。また今度にしようなぁ。」


私の頭にぽんと手を載せる。私はむぅ~と顔を膨らませるが、お兄ぃの腕を引っ張って入る。

ぉぃぉぃ、そんなに強くひっぱるなよぉ~とか笑いながら言ってたかな。

このゲームセンターは女同士もよくいるけど、カップルも多いの。

プリクラしかないゲームセンターで、この中のどれかは一緒に撮ったカップルは末永く幸せになるとかいう伝説もあるくらい~。

私はそのどれかを知っている。クラスの中でよく話しにあがっていたから~。

私は恥ずかしそうにしているお兄ぃを一台のプリクラに引き込む。

さすがにこの時間になると人も少なかった為、すんなり入ることが出来た。


「お兄ぃはそこに立ってよぉ~。あ、画面からきれてるよぉ~。」

「ここでいいだろ~。兄弟でプリクラとってるやつっていないだろ?」

「知らないの~お兄ぃ?今、家族で撮ってる人もいるくらい多いんだよ。」

「へぇ~、もうすたれてるもんだと思ってたんだけど。」

「すたれてるっていったらこの店閉まってるよ。」

「まあ、そうだなぁ~。」

「はい、チーズ。」


店から出た私達は、そのまま家に続く道をわいのわいの言いながら進む。


「って、どこに張ってるんだ!?」

「お兄ぃのスマホ~♪」

「おいおい、友達に見つかったら、どこのシスコンだって言われるだろ~。」

「いいじゃん♪シスコンなんだし~。」

「なんだとぉ~、まてぇ~。」


本当に楽しい一日だった。

あの人が関わってくるまでは・・・・・・・・・・。


「ねえ・・・荒川くん・・・。私ずぅっと待ってたんだよ。」

「え?・・・か、加西さん・・・」


家のすぐ近くの電信柱の影に、あの女 加西がいた。

家まで調べたのか・・・。

そして、あの女は私を見て、


「その女なに?だれ?」

「あ、ああ~、俺の妹。」


この頃はまだお兄ぃは自分のこと、俺っていってたなぁ・・・。


「へぇぇぇぇ~、妹・・・妹のプリクラをスマホに張ってるの?」


あの女から何かやばいオーラが出ている気がするが、私は口をはさまず、二人のやり取りを聞く。


「ま、まあね。ところで・・・待ってたって?」

「ほら~、2日前に駅前でデートの約束したじゃない?」

「え、・・・・・2日前って、水曜日・・・・バイトの日だろ。」

「私に学校サボって朝からデートしようってメールくれたじゃない。」


そういうと加西はスマホを取り出して、メールを開き、内容をお兄ぃと私に見せる。


「お、俺送った覚えがない・・・んだ・・・が・・・。」

「じゃあ、スマホみせてよぉ!」


加西はそういうとお兄ぃのスマホを奪って、メールの送信履歴を確認しだす。

スクロールの手が止まったかと思うと、その画面を私達に見せる。

そこにはさきほどの文章が書き込まれていた。

そう、そのメールは私がお兄ぃのスマホを使ってあの女に送ったものだ。

お兄ぃは顔を青くして、あの女は顔を赤くしている。

あの女は目に涙を貯めながら、お兄ぃの頬をビンタし、走り去った。


お兄ぃ・・・今はつらいかもしれないけど・・・大丈夫だよ。



その後、お兄ぃは学校から帰ってくるたび、リビングによらず、部屋に直行する。

そして大声で


「何で俺が・・・・俺がなにをしたぁー。お、おれなのかよぉ~。」


と叫ぶ日々を送る。バイトはどうしたの?と聞いたこともあったけど・・・。


「クビになった・・・。ハハハ・・・」


苦笑いをしているお兄ぃの顔には、目に泣いていた後が見える。


それから数日後、私は学校を休んでお兄ぃを連れて、 

あ、お兄ぃは不登校になりました。

駅前のショッピング街に連れて行きました。

非常に嫌がっていましたが、そこは腕力でw


お兄ぃと楽しくいろんなお店に入ります。

まあ喋ってるのは一方的に私なんですが。


「紗枝・・・ちょっと疲れたからそこのベンチで休んでくるから。」


お兄ぃは、そういうと近くのベンチに向かっていきました。

その時、お兄ぃは女の人とぶつかり、・・・・その女は加西でした。


「やっときてくれたのねぇ・・・。」


手には包丁でしょうか。お兄ぃのわき腹に刺さっています。

そして、お兄ぃがゆっくりと加西から離れ、崩れていきます。

私は余りの出来事に何もできませんでした・・・。

ただゆっくりと崩れていくお兄ぃを見ているだけ・・・。


その後、高笑いをしていた加西は近くの人達に取り押さえられ、

お兄ぃは救急車に乗り、病院で一命を取り留めました。


お兄ぃはその日から完全な引きこもりになりました。

そう・・・・私のお兄ちゃん・・・・・・・私だけのお兄ちゃんに。





笑いいれようにも入れれませんでした。

申し訳ないです。

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