表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異常者達の異世界生活  作者: ナレオトコ
6/24

ダメ人間

「お客さん、外国人?。」運転しながら言った。

「・・・そうです。」セロが答えた。

「そうだと思ったよ、それっぽい雰囲気してるもんな。」

「・・・」

「奥さんは?」

「え・・・」セロは戸惑った。

「居ません。」鈴鹿が答えた。

「そうだよね!奥さんなんて要らないよね!」

「え?」

「浮気しても噛みつかれることも、殴られる事もないし・・・」

「・・・」

「ちょっと、女とホテルで一夜を明かしただけなのに、火炎瓶をぶん投げて来たんだぜ!お陰で死にかけた!」

「浮気するのが悪いと思うけど・・・」と静。

「浮気じゃあねえよ~娯楽を楽しんだだけなのに、ゲームや運動をしてストレス発散するようにね・・・うう・・・それなのに・・・」泣き始めた。

(何このダメ人間!?)鈴鹿達は永遠と続くダメ人間の愚痴を聞かされた。


進むにつれ、家がどんどん少なくなり、多くの畑が見え始めた。

「ぐえ!?」薄暗い細い道の山を登っていると、林の横から黒い影が出てきて、それに強く衝突した。

運転手はすぐに車を止め、前を見ると、鹿が痙攣し、早い呼吸をしながら横たわっていた。

「鹿ちゃんが!」静はドアを開けて飛び出した。セロとベルが外に出た。

「車はフロントに少しひびが入っただけか・・・」ベルは安心した。

「かわいそう・・・」静はゆっくりおなかの部分を撫でた。

「大きさは標準くらいか・・・」運転手はつぶやいた。

「動物病院に連れていこうよ!」静は運転手に言った。

「何言ってるんだ?」

「そっか!回復魔法で!」

「無理に決まっているだろ・・・見た目は大丈夫そうに見えるが、衝撃で内臓とかぐちゃぐちゃだろ、ほら口から血が・・・」

「え?」静は鹿の方を見ようとしたが、セロに手で目を覆われた。

「見ない方がいい・・・」セロが言終わった瞬間、鹿の口から大量の赤い血が流れた。

「悪い、子供がいること忘れてた・・・子供を連れて車に戻ってくれ。」運転手はしゃがみ、両手を鹿の頭部に当てると、青い光が発生した。

「どうするつもりなの!?」静はセロに車に向かって、背中を抑えられながら大声で聞いた。

「・・・」運転手は無視した。

(・・・埋葬の儀式でもしているのかな?)鈴鹿は車の中から見ながら思った。

「よし!しかし、今日は運がいい・・・セロさん手伝ってくれ。」運転手がトランクを開けた。

「何をする気ですか?」セロは外に出た。

「このままだったら車に入らんから、足を切断して小さくして・・・あった。」小型でところどころ錆びているが、鋭い歯が並んでいるエンジンカッターを取り出した。

「何する気なの!?止めて!」静が外に出ようとした。

「落ち着いて!もう、あの鹿は楽にさせた方がいいから!」(でも、これで何をする気?)鈴鹿は出ようとする静を取り押さえた。

「台を鹿の足に入れて抑えておいてくれ。」ゼルがエンジンカッターに電源を入れた。

「・・・」セロは鹿の死体を見てみると、白く凍っていた。

「食用か?」冷たい足の下に台を置きながら聞いた。

「いや、友人が高く買い取ってくれるんでな・・・しっかり持ってろよ。」エンジン音を鳴らしながら鹿の足を切断した。

「あんた平気なのか?」切り落とした足を、袋に入れながらゼルは聞いた。

「・・・雪山のサバイバルで鹿を狩ったことがある。」セロは手伝いながら言った。

「そうか・・・軍人か?」足を入れ終えると、トランクに入れた。

「なにをしているんですか?」車から座席でよく見えなかった為、鈴鹿は恐る恐る聞いた。

「もう少しで終わるから・・・」セロの所に戻った。

「持つぞ、せーの!」ゼルとセロは一斉に鹿の胴体を持ち上げようとした。

「くっ・・・!」ゼルの方は持ち上がったが、セロの方は全く持ち上がらなかった。

「身体強化使えよ!」鹿を降ろしながら言った。

「え?」

「知らないのか?手に魔力を込めるイメージをするだけだ。もう一度!」二人は胴体の下に手を入れた。

「せーの!」

(どういう意味だ?こういうことか?)セロは手に強く力を入れるイメージをした。

「うわ!?」胴体は一回転し、ゼルの腕を下敷きにした。

「痛い痛い!力入れすぎだ!」歯ぎしりをしながら持ち上げた。

セロは何が起きたか分からなかった。突然、手に力が入る感じがした瞬間、鹿は一回転した。

「!」セロは急いでゼルの手助けをしようとした瞬間、一瞬、強い倦怠感に襲われた。

「・・・」ゼルがトランクに運ぶのを手伝った。

「嘘でしょ・・・」鈴鹿は足の無い鹿を見て寒気がした。

「?」静もそれを見ようとした。

「見ない方がいい!」静の頭をわしづかみにし、強く下げた。

「痛い!痛い!何!?」見ようとして抵抗した。

「・・・」運転手は無言で鹿の胴体を袋に入れ、トランクを降ろした。

「悪いな、今度お礼するよ。」運転手は車に戻りながらセロにい言った。

「・・・」セロは無言で戻った。

「何なの?食べる気なの!?」静は怒り気味に言った。

「売る気だが・・・」車を発進させた。

「鹿を殺してまで?」

「しかたねーだろ!金が無いんだよ!」

「女遊びするからでしょ!」怒鳴った!

「うう~しょうがねーだろ!ノルマが足りなかったら上司に嫌味を言われるし、酔っぱらいが車内で吐くは・・・女遊びしなけれはやっられるか!」泣き始めた。

「だからと言って鹿を殺すことないでしょ!」

「性病にかかっちまって、病院にもいかなければならないんだよ!うう~・・・着いたぞ!降りてくれ!」

「え・・・?」星羅は家を見て唖然した。

「資料と違う気がするんだが・・・」とセロ。

「本当にこの場所で合っているんですか?」鈴鹿は聞いた。

「そうだよ!ここだよ!うう~」腕で顔を抑えながら言った。

「話が違うじゃない!」静は怒鳴った。

「俺に言われても!うう~どうして俺が攻められなきゃいけないんだ!俺は何も悪くねえし!降りてくれ!うう・・・!」ゼルは泣き叫んだ。

「キモ!」思わず星羅は言った。

「戻って!!文句言ってやる!」鈴鹿は運転手に言った。

「ええ!?」

「戻れ!!」怒鳴った。

「うう・・・別料金ですけど・・・」

「分かったから、さっさと行って!!」

「何で俺がこんな目に!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ