銀行強盗(笑)
「ねえね!あのパトカーみて!」静は鈴鹿の肩をポンポン叩いた。
「え?何って、え!?」
駐車場に窓ガラスやドアに銃を撃ち込まれた後のあるパトカーがあった。
「中の人は・・・普通にハンバーガを食べている・・・」
「合衆国に居た頃を思い出す・・・」セロは呟いた。
「直さないん!?」と鈴鹿。
「いちいち直すのがめんどくさいらしい・・・」
「何て物騒な・・・」
しばらく歩いて・・・星羅達はコガネムシ銀行に着いた。
玄関は全身防弾チョッキとヘルメット姿の警備員らしき男が腕を組みながら、通行人を警視していた。
「完全武装・・・」鈴鹿はつぶやいた。
銀行内は人が多く30分くらい待たされた。
「ご要件は?」女性の受付。
セロは千円取り出した。
「この国の金に両替えしたいのですが・・・」
「えーと・・・」首を傾げながら目を丸めた。
「何処の国のお金ですか?」
「・・・」セロは星羅達の方を見た。
「落ちていたお金です。」星羅は答えた。
「そうですか・・・少々お待ちください。」受付は千円を持ったまま部屋の奥に行った。
「大丈夫なの!?」と静。
「大丈夫、この世界の物では無いと気付かれたとしても、拾ったと言えば・・・」
受付が戻ってきた。
「申し訳ありませんが、当社はこの現金を扱っておりません。骨董屋に行ってください。」
「骨董屋!?なんで!?」鈴鹿は言った。
「あそこでしたら、こういう物を扱っているかもしれませんので・・・」
「そ、そうですか・・・」
「骨董ぐ屋は何処ですか?」星羅は聞いた。
「手前にあります。」
「ありがとうがざいました。」星羅達が去ろうとしていたら、玄関で警備員が男と言い争いをしていた。
その時、男が突然、天井に向かってピストルを2発撃った。
乾いた音が鳴り響き、全員が注目した。
「強盗だ!全員床に伏せろ!」男が叫んだ。
強盗が受付の方を向いた瞬間、複数の銃声音が聞こえた。
「ぐは!?」三発の銃弾が胸や腹部に当たり、ピストルを落としながら後ろに倒れた。
「・・・」星羅達の受付を行った女性が、ピストルを構えていた。
数秒前・・・
外にいた警備員が銃声のした方を向いた瞬間、前にいた男がナイフを取り出し、首にめがけて、突き出した。
瞬時に警備員は男の腕を掴み、軌道を逸らすと、右手にスタンガンを召喚し、男の首に突き刺した。
「あべべべべ!!」男は痙攣した後、倒れた。
「あう・・・」倒れた男が撃たれた所を抑えながら、唸り声を上げた。
周りの人は何事もなかったかのように、普通にしていた。
「な、なにが起きたの?」鈴鹿はつぶやいた。
「・・・う・・・」静は動かなくなった男を見て体が震えた。
「うう・・・うわーん!!」大声で泣き叫んだ。
「え!?」星羅達は驚いた。
周りに人は静達に注目した。
「す、すいません!!」鈴鹿達は静を引き連れて銀行から出て行った。
出ている途中、二人の警察官が気絶している男をパトカーに連れて行っていた。