恐ろしい少女たち
セロは最低限の現金を持って帝央高校に行った。
「・・・」改めて、帝央高校を見ると、あらゆる所に監視カメラがあった。
(ずいぶんと厳重だな・・・)事務に向かった。
「すいません、受付のジョン・ルーはいますか?」」職員に聞いた。
「ん?ああ、あんたがアリカ国から来たジョン・セロだよな?」
「え?」セロは首を傾げた。
「違うのか?」
セロはルーに『とにかく、話を合わせて下さい。』と言われたことを思い出した。
「ああ、そうです・・・」
「だよな、少し待ってろ。」
(どういう風に伝えたんだ?)
「すいません遅れて・・・」ルーは来た。
「ええ・・・・」
「履歴書に関しては、こちらが用意していましたので。」小声で言った。
「しかし・・・」
「大丈夫です、誰にも気付かれませんので。」
「・・・」
「さっそくですが、4階にある警備室に行ってください。
「学校に警備室!?」
「え?どうしましたか?」
「いや・・・学校に警備室があるのは聞いたことが無いから。」
「数十年前まで、教育機関による襲撃やテロが多かったので。」
「そうか。」
「数日前に武装した男が侵入してきましたし、まあ、銃には銃で対抗しないといけませんからね。」
「それもそうだな。」
「あと、ついでに四階の生徒会室に持って行って下さい。」ビニール袋を渡してきた。
「?」中に、紙で包んでいる大福と牛乳パックが入っていた。
「コロニーに頼まれましたので・・・すいませんが、警備室に行く前にお願いします。」
「ああ、」
「では、失礼します。」ルーは去った。
セロは廊下に歩いていた。
(しかし、たまたま警備員を探していたとは言え・・・なぜ、俺を雇ったんだ?星羅達も身元不明の人は雇わないと言っていたし・・・履歴書偽装してまで雇ったのはなぜ?外部から正式に雇った方が速いと思うが・・・)考え事しながら歩いていた。
すれ違いざまに少女に肩をぶつけた。
「すいまっ!!?」少女が突然、刀で切りかかってきたのを間一髪で避けた。
「ご、ごめんなさい!条件反射で・・・け、怪我ありませんか!?」少女は刀を光の中に消すと頭を下げた。
「・・・ええ。」呆然とした。
「謝らなくていいよミル、ぶつかってきたのが悪いから。」
「でもセレナちゃん、切りかかった私も悪いし・・・」
「それはしかないよ、男性アレルギーだかね。」
(今のは何なんだ!?触れただけで殺されかかったぞ!?)
「そういえば、あんたどこかで・・・あ、その袋漏れてれているよ・・・」と顔色を悪くしたセレナ。
「・・・あ!」セロは牛乳パックと袋が斬れて垂れている事に気が付いた。
「本当にごめんなさい!私たちが拭きますから!」ミルは深く謝った。
「これ、お前の?」セレナは聞いてきた。
「いいや、コロニーの・・・」
「ああ、あいつのか・・・ハア~」セレナはため息を吐いた。
「とりあえず、これに移し替えて。」セレナはポケットからビニール袋を取り出した。
「ありがとう・・・」セロは牛乳でずぶ濡れになった大福をとりだした。
「ゲッ!おまけに、限定品の・・・元々、こうだったて伝えておいて・・・」
「無理があるだろう・・・」セロは袋の中に居れた。
「じゃあ、行って。私が処置するから。」斬れている袋を取った。
「いつもごめん・・・」
「いいよ、別に・・・」
「・・・」セロはその場を去った。
セロは生徒会室のドアを叩いた。
「どうぞ。」
「失礼します。」セロは入った。
「・・・ご要件は?」少女は机で書類に何かを書きながら言った。
(ここ高校だよな・・・?)セロは死んだ目をし、幼い少女を見て呆然とした。
「コロニーは何処ですか?」
「私。」
「・・・」(この子が生徒会長!?いや、母国でも飛び級が多かったし、珍しくないか。)
「で、ご要件は?」
「これを・・・」セロは袋を渡した。
「ん?あっ!頼んでおいた限定品の高級大福・・・餅?」一瞬、笑顔になった。
「何これ?牛乳の匂いがするけど・・・?」ドロドロで包んでいる紙と一体化した餅を見た。
「えと・・・もともとこうだっ!?」突然コロニーに腕を掴まれた。
「喧嘩売っているの?」力を少し入れた。
「うっ!?」激痛がし、引きはがそうとしたがびくともしなかった。
(なんなんだ!?この力は!?)掴まれた先の肌の色が変わって行った。
「腕折るよ。」
「くっ・・・!」体を後ろに引いたが、自動車を引っ張っているかのように全く手ごたえが無かった。
「・・・ハア。」コロニーはため息をしながら手を放し、セロは倒れ込んだ。
「ハア、ハア・・・」赤黒くなった腕を見た。
「で、実際は何があったの?」聞いてきた。
(この学校の女性は一体何なんだ!?)セロは冷静を取り戻した。
「実は・・・」
「あいつらか・・・」とコロニー。
「・・・」(さっきの力はなんだったんだ!?魔力を使ったのか?)
「限定品だったのに・・・やる気亡くなった、もう寝よう・・・」頭を抱えて言った。
「さ、さっきの力は魔法を使ったのか?」
「いや、全然。」
(魔法なしであの握力!?見た目は痩せているように見えるが、服の中は筋肉まみれのボディビルだーか!?)セロは寒気がした。
「・・・腕見せて。」
「!?」一瞬、体が思わず反応した。
「怖がらなくていいから・・・」
「・・・」セロは恐る恐る、まだ痛む腕を出した。
「・・・」コロニーは赤黒くなった腕の上に手を乗せた。
(今度は何をする気だ!?)
「・・・」突然、手に緑色の淡い光が現れた。
「・・・?」少し経つと、痛みが少しずつ引いて行った。
「あ、痛くない・・・」
「皮膚の色は時間がたったら戻ると思うから。」
「・・・」少し赤黒い皮膚を見た。
「じゃあ、行っていいよ。」
「ああ、ありがとう。」セロは部屋から出ようとした。
「・・・さっきはやりすぎた・・・ごめんなさい・・・」セロの方を見ず、俯いたまま言った。
「ああ、いや、俺の方こそ悪かった・・・じゃあ。」ドアを閉めた。
セロは廊下を歩いていた。
(握力はモンスター並に強いが、見た目も性格も可愛いらしいっ・・・)筋肉だらけのボディビルダー
を想像した。
(いや、全く可愛くない!恐ろしい少女だ!)セロは思いこんだ。




