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魔王の刺客  作者: oga
5/9

vs○○ 前編

ヘビは対処する間もなく消滅した。

突如丸腰の生徒が武器を持って斬りつけてきたのだ。

当然の成り行きだった。


「ニャンクミをやったのは俺だよ」


ガリは消えゆく体に向かってそう呟いた。





ニャンクミ、ヘビがやられたことにより、教師たちは戦慄、みな個人で最大源警戒するよう注意が促された。

そんな状況とは裏腹に、ガリは悠々と学園生活を続けていた。

そんなある日……





今行われているのは数学の授業である。

黒板に問題が書かれ、誰かが適当に当てられて前に出る、という形式だ。


「さて、今日は15日か…… 佐藤! 前に出ろ」


「は、はい……」


当てられたのは佐藤サヤカ。

黒板に立たされたはいいが、チョークを持ったきり固まってしまった。


「分からないなら分からない、どうなんだ?」


「……」


サヤカはうつむいたきり何も言わない。


「これじゃ授業が終わらんぞ。 どうするんだ?」


「先生のプレッシャーで言いにくいんじゃないですか?」


突然、誰かが手を上げて答えた。

その声の主は、ガリであった。


「プレッシャーなんてかけてないだろう」


「先生ってケーワイなんですか? 生徒の気持ち全然掴めてないですよね」


「あのなぁ、生徒の頭の中なんて分かるわけないだろ! 文句があるなら口で言え!」


「そんなんだから、誰かの恨み買って殺されるんですよ」


教室内がシンと静まり返った。





授業が終わり、帰り道を歩いていると後ろからちょん、と指で突かれた。


「ん?」


佐藤サヤカだった。


「さっきはありがとね」


「……ああ」


「でもちょっと良くないかなぁ、火に油と言うか、殺人の疑いかけられちゃうよ?」


ガリは一瞬ドキリとしたが、冗談で言っているのは分かった。


「……別に。 あいつら教師はテストとかいう嫌がらせが好きな性悪だからな。 もし俺に力があったら同じことしてるさ」


「ひねくれ者だなぁ。 私、魔法学のニャンクミの授業が唯一の楽しみだったのに。 異世界に行ったら魔法使いとして活躍するのが夢なんだ」


……!

ガリは少し悪い気がした。

その授業を楽しみにしている生徒もいたのだ。

すると、反対側からルシファーがやって来た。


「ガリ、夕飯行こうや。 お前は帰ってええで」


ガリの肩を組み、しっしとサヤカを追い払う素振りをした。





ショッピングモール内のマックでモスバーガーを注目し、席に着く。


「ああいう変な虫は厄介や。 せっかくいい傾向になってきてるんや」


「いい傾向?」


「お前にとって教師は敵、それでええねん。 それより、中間テストが始まる前にもっと教師を減らした方がええ」


中間テスト……

これで躓いたら意味が無い。


「2人おらんからテストはそれ以外をやるんちゃうんかなぁ。 だから、お前の苦手科目の教師を始末しようや」


「……分かった」


そこまで話すとルシファーが立ち上がった。


「ちょ、トイレ行くわ。 ここのマック肉腐ってるんちゃうか?」


内股でテケテケとトイレに向かって行く。


「……」


目の前には携帯が置かれていた。


(魔王からどんな指示を受けているんだ?)


ガリはトイレを振り返り、すぐには戻ってこないのを確認して携帯のメールをチェックした。

次の文面を読んで、ガリは絶句した。





やつはお前の力がなければ何の役にも立たん。

お前が卒業する前にできるだけ多く教師どもを始末しろ。 それが戦力を削るのに効果的だ。





色々なことが頭を駆け巡った。

よくよく考えたら、卒業には3年かかる。

それまでには抜けの教師も補充されるだろうし、どの道ルシファーがいなければ凌げない。

要するに自分は捨て駒だったのだ。


騙されたという思い。

ガリの殺意はルシファーに向いた。

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