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魔王の刺客  作者: oga
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プロローグ

ここは魂加工工場。

現世で死んだ魂の中でもより品質の良いものが集められる。

ここに集められた魂は最終的に異世界で肉体を与えられて蘇ることになるが、その前にロールが決められる。

つまり、勇者陣営か魔王陣営のどちらかに振り分けられるのである。


黒い魂は「自殺」してしまった魂。

これは魔王陣営として振り分けられる。





一つの魂がラインに乗ってやって来た。


「黒か」


男は黒い魂を掴み、魔王側のラインに移した。

その魂は「魔王の力」を組み込まれ、異世界へと出荷される。


ラインの後方は工場に入って初日の青年が担当していた。

包装担当だが、魂を包んだ後に白か黒かが分からなくなってしまった。


(やっべ、これどっちだっけ…… まぁほとんど白だもんな)


そして勇者陣営の方に乗せられた箱。

中身は黒だった。





(……また勉強か)


そう思ったのは精鋭養成機関「エデン」に先日間違って振り分けられた魂の主、三日月狩(みかづきがり)である。


前世の記憶はあまり残っていないが、勉強が嫌で自殺したのだけは覚えていた。


ここに来た時に、エデンで自分が何を学ぶべきかを教えられ、自分に特殊能力が備わっていることも知る。


(びっくりするくらいのクソ能力)


それは、武器を手のひらから取り出す力だが、現時点でひのきの棒しか取り出せていない。


今受けているのは魔法学の授業だが、内容は英語に似ていた。

新しい単語や文法を覚えなければならず、ガリにとってこの上なく苦痛だった。

更に担当のニャンクミはとんでもないことを言った。


「もし次のテストで赤点だったら落第にゃ」


落第、それはすなわち、異世界で魔物として転生することを意味していた。

そして、現世で赤点しか取ったことのないガリにとって、それは死刑宣告と同じだった。


(くっそ……)





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