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サンプル・ヒーロー  作者: ヨモギノコ
第2章 チボリ国編
373/498

142, 白紙の日記 3ページ目


 決意を新たにしたものの、まずは白紙のページの解読。

そう思いマシロに続きを読んで貰う。

その中で気になった箇所が1つ。

それはDr.ネイビーが火と水と土の『実』を見つけたって言う内容だ。


「えーと・・・・・・

『どうやら僕の予想通り、本物のオーブは偽物のオーブのほぼ近くにあるようだ。

崇拝する7代目の手の平の上で無様に僕達が踊っていたのがよっぽど嬉しかったんだろう。

あの時のドラク族のあの反応はそれが理由だったんだな。

あの時のあいつ等の可笑しな反応のお陰で本物の火のオーブを見つけられた。

ドラク族の聖地にあるフェニックスの巣に火のオーブが在ったのと同じ様に、水のオーブもベルエール山に在ったし、土のオーブもミワタリの森に在った。

今日中に風と光、闇のオーブは見つけられなかったけど、多分その3つも近くに在る筈。

大助の容態がこのまま変わらない様なら明日も本物のオーブを探す事にしよう』」

「ドラク族って言うと・・・・・・確か・・・

フェニックスが居る火山を守ってる部族、だよな?」

「はい。そうらしいですね。

勇者ダイスの日記からすると」


『教えて!キビ君』や『図鑑』に『蘇生薬』の素材の1つを持つフェニックスの事を乗せたのは、勇者ダイスだったんだろうか?

オリジナルの勇者ダイスの日記に比較的詳しく書かれていたその内容。

その内容をまとめると、フェニックスはドラク族が『聖獣』と崇めるプテラノドンみたいな姿の魔物であるらしい。


『教えて!キビ君』に載ってる写真はフェニックスその物じゃなく、そのドラク族の祖先が書いた大きく翼を広げる幻想的な鳥の壁画のもので、何でフェニックスそのものの姿が載っていないかと言うと、多分そのフェニックスの姿を勇者ダイスがハッキリ見ていないから。

もしくは毎度お馴染みウォルノワ・レコードの壁の仕掛けの人の仕業。

日記によるとフェニックスは凄く速く飛べて、その上地面や壁をドリルの様に掘り進んでくる、らしい。

それでもどうにか本体の姿を見ようと持てるスキルや魔法を駆使した結果、どうにか見えたのが青っぽいプテラノドン。


「それで、『蘇生薬』の素材集めを邪魔する奴等でもある、と」

「ドラク族の人達はドラク族の人達なりのルールで生きてるから仕方ないよ。

フェニックスの苔を手に入れるならドラク族のルールに従わないと」


苦虫を潰した様な顔でそう呟くルグに、苦笑いで答えるマシロ。

フェニックスの事とか重要そうな事は既にルグが俺達が持っていく日記を仕訳けてる間に報告してくれてある。

その時ジェイクさんが言っていたそうなんだけど、フェニックスが暮らす火山を含めたドラク族の人達が住んでいる一帯はマリブサーフ列島国の治外法権区域になるそうだ。


まずそのドラク族って言うのはレッドバー島のジャングルに住んでるとっても強い部族らしい。

そして勇者ダイスの日記から推測するに、その当時から唯一コラル・リーフを信仰対象にしている。

多分それが理由なんだと思うけど、ドラク族は現在も基本マリブサーフ列島の他の島の人達と殆ど交流を持とうとしないし、マリブサーフ列島国の法律にも一切従おうとしないそうだ。

そして火の『オーブ』や『実』もあるフェニックスが住む火山は、ドラク族の聖地。

それ故に部族外の者がその火山に向かうには、ドラク族が与えてくる試練をクリアしてドラク族に認められないといけないらしい。


「間違いなくボク達もその『不死身のドラゴン』と戦う事になるだろうね」


とはジェイクさんの談。

協力してくれてるマリブサーフ列島国の王様達とアルさんが連絡を取れてないらしいから、詳しい事は俺達もまだ分からない。

でももし1000年前と変わって無いなら、その試練としてドラク族が『恵み呼ぶ流れる黒き破壊者』と呼んで使役する魔物と戦う事になるんだと思う。


勇者ダイスの日記によると、その魔物は水のビームとか氷の塊とか吐いてくるし、雷とか強風とか起こせるそうだし、バラバラに切っても直ぐ体がくっ付いて治ってしまう。


まさにゲームのボスの様な、あり得ない位異常に強い黒いドラゴンらしい。


そんな『不死身のドラゴン』を、勇者ダイス達は遠くに吹き飛ばす。

つまり相撲の様に試練のフィールドの外に追い出す事で勝ったそうだ。

日記にはその戦いがとても大変だったと書いてあった。

かなり強かったらしい勇者ダイスでも苦労したなら俺達なんてもっと・・・・・・

そう不安になってもドラク族の村は治外法権が適応されてる訳だから、マリブサーフ列島国の王様達がどんなに頼み込んでもこのルールをドラク族は変えてくれない。

そう思うとルグ達があんな顔になるのも仕方がないだろう。


「でも、このページの内容的に『試練をクリア』するのは不正解なんじゃないかな?」

「え?どう言う事、サトウ君?

その試練を突破しないと火山には行けないんだろう?

なのに不正解?」

「あー・・・・・・

不正解って言うのは『俺達にとって』って言う意味です」

「本当にどう言う事?」

「多分なんですけど、試練をクリアした人をドラク族はコラル・リーフが用意した『オーブ』の元に連れて行くんだと思います。

フェニックスの巣。

正確に言うなら『火の実』がある場所に行くには別の事をしないといけない」

「だから9代目様達と同じ様に試練をクリアする必要はない?」

「はい」


1度許可が下りたからパスされたって可能性もあるけど、Dr.ネイビーは『たった1人』でフェニックスの巣に行く事が出来たんだ。

なら必ずしも『不死身のドラゴン』に勝つ必要はないはず。

そう思ってピコンさんにはそう強く頷き返したけど、そのフェニックスの苔を確実に手に入れる為の『俺達の正解』が一切思いつかない。

フェニックスの事が少し分かったのはいいけど、それでも情報が少ない事には変わりないんだ。

試練を受ける事そのものが間違いなのか、それとも1度試練を受け『別の答え』を示さないといけないのか。

アルさん経由でマリブサーフ列島国の人達の話を聞けば何か分かるかもしれないけど、今は無理だからなぁ・・・・・・

取り合えずフェニックスの話は一旦置いておこう。


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