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古今東西、ファンタジーと言うジャンルは皆に愛されてきたと思う。
神話や御伽噺に始まり小説や映画、ゲームと色々な分野で使われてきた。
だから誰でも1度はファンタジーな世界に行きたいと思った事があるだろう。
俺も小さい頃漫画やアニメを見て何度もその世界に行きたいと思った。
悪い魔王やドラゴンを倒す勇者として呼ばれたり、
宿命のライバル魔法使いと命懸で熱い魔法のバトルをしたり、
不運にも異世界に紛れ込み個性豊かで愉快で信頼できる仲間と帰り道探したり。
想像の中の自分はかっこいい主人公だった。
それが現実には絶対起きない夢物語だと理解できる歳になって、現実の不公平さや厳しさが解り始めた高校1年の夏休み初日。
俺は小さい頃夢見た冒険と剣と魔法が渦巻く異世界に召喚された。
でも、異世界に来ても現実ってのは嫌でも俺達を苦しめたいらしい。
俺は物語の主人公とはとことん違うんだな。
「貴方を異世界から召喚したのはほかでもありません。
この世界を闇に包もうとする悪しき魔王から世界を救う勇者様
をどの世界から呼ぶか、選ぶためのサンプルとして貴方を呼びました」
ほらな。
世界からしたら俺の存在なんてこんなもんさ。