堕天使と僕
僕の名前は原田勇也、十四歳。今日もいつものように朝六時半に起きる真面目で健全な中学二年生の男子です。
そうなのです、僕は真面目な男子生徒。クラスでも人気であるわけでもなく、かといってイジメられているわけでもない普通の位置にいて、好きな人がいても告白もまだ出来てない思春期まっ盛りの男の子、当然のごとく今まで不純異性交流もしてない男です。
それなのに朝起きると隣には可愛い少女が寝ているではありませんか
その少女は髪の長さはセミロング、色はクリーム色、小柄な可愛い女の子ってそんな事解説している場合じゃありません!
今は冷静にならなければ………確か昨日は両親が結婚記念日で旅行に行ったのを見送って、その後テレビを見て、お風呂に入って、宿題をして、寝たはず……やっぱりこの女の子が出てきません。
考えても答えは出てこないので起こしてみることにしました。
僕は誤解が出ないようにベットから降りて彼女の体を揺さぶりながら
「お〜い、起きてくださ〜い」
すると彼女が起きましたが、その瞬間彼女が悲鳴を上げさっきの行動は無意味だったと反省している僕を平手打ちするではありませんか。しかもその威力は半端なく僕はその平手打ちに負け部屋の端へと転がっていきました。
そして、彼女は赤面しながら口を開き
「勇也君の変態!!」
その言葉に僕は驚きつつ
「な、なんで僕の名前を知ってるの!?あとなんで僕の部屋しかも僕のベットで寝てるのさ!?」
彼女はキョトンとしながら何かを思い付いたかの様に手を叩き
「私は天界から追い出された堕天使ユイナといいまーす♪」
残念、彼女はどこか頭をぶつけています。会話が成立しません。
「ユイナさん、堕天使っていきなり言われても信じられないよ。とにかく今警察に連絡するからおとなしくし……」
僕は話すのを止めて両手を挙げました。彼女は漫画で天使が使っているような矢の先端がハート型になっているキュートな弓矢をこっちに向けているではありませんか!
「私は堕天使だよ?証拠にほら空を飛べるんだから、あと私の事はユイナちゃんって呼んでね?」
彼女はそういうと弓矢を構えたまま空を飛び始めました。僕は堕天使から向けられる弓矢の恐怖し今の事態を理解しました。
「ユイナちゃん、堕天使というのはわかったからその弓矢をしまってよ」
彼女は僕の言葉を聞くと弓矢をしまい始めました。
僕はそれを見て話、始めました
「あの、何で僕の名前を知ってるの?」
「あ〜それは私が堕天使になる前のお仕事が勇也君でその書類を持ってたから知ってるんだ」
「じゃあ、僕の部屋で寝ていたのは?」
「それはここに着いて勇也君が寝てたから私も眠くなって寝ちゃた」
彼女は舌をちょぴり出して笑顔で元気に答えます。
「なんでユイナちゃんは天界を追い出されちゃったの?」
「私ちょっとお仕事を失敗しちゃって、それで失敗した子に謝りと護衛に来たの」
「へぇ〜それは大変だね、その謝りに行く家は近いの?」
「う、うん………あの、その……勇也君ごめんなさい」
彼女はいきなり謝りし始めた。僕はその意味を理解し
「あの〜、僕に対してどんな失敗を起こしたんだい?」
「実は……勇也君に[同性から恋愛対象として好かれてしまう矢]を射っちゃたんだ」
「えっ?」
こうして僕の男から好かれ日々が始まった……