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十話、VS騎士団長

〔サーストン家アレスの部屋〕


アリシアは今日もアレスに部屋に呼ばれていた。


「今日も王様案件かしら?」


「あぁ、剣聖の加護を持つ者の覚醒前の実力を見ておきたいと言って来てな…」


「なるほど、それで誰と戦えば良いのかしら?」


「ケレスだ」


騎士団長である。


「…今の私ならごく普通に負けると思うわよ?」


何を期待してるのやら?とアリシアは思いながら言う。


父にたまに勝てると言う状態のアリシアでは騎士団長に一回目の戦闘で勝てる見込みは低い。


「それは王も分かっていると言っていたが、それでもお前が戦う様子を見たいらしい」


将来間違いなくナタリア王国最強の魔法剣士となるアリシアの現状の実力を見ておきたいのだ。


「はぁ…分かったわよ、行くわ」


どうせ断れないしと思いながら言う。


「すまんな、それでは行こうか」


「ええ、それと明日闇鴉の構成員についての情報が分かるのだったかしら?」


「そうだ、最近は構成員が捕まったからか大人しいが、こちらが拠点を攻め始めたらまた活性化するかもしれん」


現在は構成員が捕まり襲撃されるかもしれないと考えて守りを固めているのだろう。


だから目立った活動がなく大人しい。


「そうなったらなったらで叩いてやるだけよ」


「そうだな、それを続けて最終的に本部を潰して沈静化させよう」


「ええ」


アリシアは父の言葉に頷く。


「それでは行くぞ」


「ええ」


アリシアは父と控えていたチェルシーと共に転移して王城に向かう。




〔王都グランセイス王城〕


王城の鍛錬場にやって来ると王とサーシェスそしてケレスが待っていた。


アリシアの姿を見たサーシェスはすぐに心配そうな顔で近付いて来た。


「アリシア、君が強いのは分かっているが、いくらなんでも騎士団長相手は部が悪い、嫌なら断ってくれ」


アリシアのことが好きだからこそ痛い目に遭う前にサーシェスは止めようとする。


「ありがとう、サーシェス、でも私自身がやってみたいからやるわ」


アリシアは彼の手を握り微笑み自分がやりたいからやると言った。


「分かった…」


こう言われると止めれないためサーシェスは引き下がった。


「よく来てくれたなアリシア、今のお前の実力を見ておきたくてな、すまんがケレスと戦ってみてくれ」


「分かったわ」


アリシアはケレスの前に立つ。


「良い目だ、さてやろうか」


ケレスは木剣を投げて来た。


アリシアはそれを受け取ると構えを取る。


「今回のルールは剣術と格闘術のみ勝負、良いな?」


「ええ」


「よし、始めるぞ!」


ケレスから向かって来た。


アリシアはギリギリまで引き付けてから横に飛びつつ剣を振るう。


ケレスはその動きに反応しパワーの差を考えて鍔迫り合いで押し潰そうとして来るが。


アリシアは鍔迫り合いには乗らず足払いをするが筋力で足払いは成功せず止められた。


(流石騎士団長…かなり鍛えてるはずなのに私の力じゃビクともしない…)


アリシアは力では敵わないとこれで完全に理解しならばと一本を取る事を優先し始める。


しかしケレスはこの変化に反応し苛烈な攻めを始めた。


突きを放ちアリシアがそれを避けるとすぐさま横振りの斬撃を振るって来る。


アリシアはそれを弾くと得意の鳩尾狙いの拳を突き出すが左手で止められ放り投げられた。


「くぅ!」


アリシアは片手で地面を叩いて体を浮かせると転ける事なく立ち直る。


がそこにケレスが迫っていた。


一本を狙いの突きを放って来たがアリシアはなんとか前に飛んで突きを掻い潜りケレスの顎を木剣で突き上げる。


「…!」


アレスは今の攻撃で娘の異変を感じ取った。


いつもアリシアを鍛えるために鍛錬を行っているアレスだからこそ突発的に引き出される剣聖の力が発動した事を感じ取ったのである。


「やるな!」


ケレスは動きが変わったアリシアに舌を巻きつつまた苛烈な攻めを始めるが。


今度はアリシアは剣で全て捌き一回二回三回と突きを命中させ最後に横っ腹にフルスイングの一撃を命中させる。


「ほほう…ケレス相手にこれか…それもたった十二歳の娘が…」


王はこれが剣聖の力か…と思い凄まじいなと思う。


同時にこれが突発的に引き出されている力なのならば覚醒すればどれほどの力を安定して引き出せるようになるのだろう?と思った。


「やぁ!!」


アレシアは勝ちを取りに行き得意の下から振り上げる斬撃を放ったが。


ケレスはそれを避けアリシアの首に剣を突き付ける一本だ。


「よく頑張った、その歳で俺とこれだけやり合える時点で異常な強さだ、今の君の力でもかなりの数の命を守れるだろう」


ケレスは十二歳と言う歳を考えればかなりの力を持つアリシアを褒めて認め肩を叩くと去って行った。


アリシアは騎士団長に褒められた事を嬉しく思う。


「私の頼みを聞きよく戦ってくれた、礼を言うぞ」


「こちらこそ良い経験をさせてもらったわ」


騎士団長との戦闘はアリシアにとっても更なる成長のための良い経験であった。


「それは良かった、それではアレスよ、遂に明日だったな?闇鴉の情報が分かるのは?」


「はい、明日情報を持ってもう一度来ます」


「頼んだぞ、闇ギルドなどと言う愚か者をのさばらせるつもりはないからな、国として確実に潰す」


闇ギルドの好きにはさせないと言う王の考えにアリシアは同意する。


何故なら好きにさせていたら国民に多大な被害が出るからだ。


「それでは、今日はこれで失礼します」


「ごきげんよう」


アリシアはカーテシーをし父と共に部屋から出て行った。


「アレがアリシアの力なんですね」


「そうだ、アレを妻とするのは大変だぞ?我が息子よ」


「分かっています、だからこそ努力してアリシアと並んでも恥ずかしくない男になって見せます」


「良い言葉だ」


息子の言葉に頷いた王は肩を叩いてから部屋から出て行く。


父を見送ったサーシェスは素振りを始める。



〔サーストン家〕


屋敷に帰って来たアリシアは玄関で父と別れると自室に入る。


「疲れ様ですお嬢様」


「ふふっまだまだやれるけどね?」


「流石です、夕飯まで時間がありますしランニングでもしに行きますか?」


体力作りにランニングは必須である。


そのためチェルシーはこの提案をした。


「良いわね、やりましょう!」


アリシアとチェルシーは体力作りのためのランニングを始める。


この後運動着を来たご令嬢とメイド服を着たメイドが爆走する様子を見られたとか見れなかったとか街の者達は噂をした。


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