九話、魔導学園マジアランデ
〔サーストン家〕
母とドレスの合わせをした翌日朝目覚めると誰かがノックをして来た。
「どうぞ?」
アリシアは中に入る許可を出した。
「朝からすまんなアリシア」
ノックをして来たのはアレスであった。
「どうしたの?お父様、今日って何か予定があったかしら?」
アリシアは父に何か予定があったか?と聞く。
「特になかったんだが急遽な、魔導学園マジアランデに視察に行くように王から言われてな…」
魔導学園のような力のある組織はサーストン家のような力のある家に視察をさせる事で監視をする必要がある。
そう言う事をせず好きにさせていた他国の魔導学園が反乱を起こした事もあるからだ。
「なるほどね、魔導学園って興味あるし行ってみたいわ!」
アリシアは魔導学園と言う存在を自分の目で見てみたいと思っていたため行きたいと言った。
「分かった、なら準備してくれ」
「はーい」
父は娘との話を終えると部屋から出て行った。
「チェルシー、着替えるわ、後あなたも行くわよ」
「はい、私も楽しみです!」
チェルシーも見てみたいと思ったためワクワクしながらアリシアをドレスに着替えさせ自分もメイド服に着替え玄関に向かう。
〔魔導学園マジアランデ〕
アリシアはアレスと共に転移してマジアランデにやって来た。
「ようこそお越しくださりました、サーストン様」
マジアランデの校長が出迎えてくれた。
「お初にお目にかかりますわ、カーティス校長」
アリシアはカーテシーしながら校長に挨拶をする。
「こちらこそ初めましてアリシア嬢、色々なお噂、聞いておりますよ」
色々な魔物を討伐したり転生者である事や剣聖である事はこのマジアランデでも知られている。
そのため校長は色々な噂を聞いていると言ったのだ。
「校長、娘には自由に見学をさせたいのだが構わないか?」
これも一つのテストだ。
見せれないものがあるならここで断る筈だからだ。
「ええ構いませんよ」
しかし校長は断らずに構わないと言ったとりあえずこのテストはクリアだ。
「ありがとう、アリシア、学園を色々とみてくると良い、勉強になるだろう」
「授業を聞いてくださっても構いませんよ」
「それは楽しそうね、行ってくる!」
アリシアは楽しそうな様子で父と校長から離れ学園の見学に向かって行った。
アレスはそんな娘を見送った後校長に案内してもらって学園の視察を始める。
「さてとチェルシー、どこから見て回ろうかしら?」
「とりあえず、近くの部屋に入って見ます?」
「良いわね」
アリシアとチェルシーは近くのドアを静かに開けて中に入る。
「であるからして…」
中では授業を行っていた。
内容はアリシアが十歳の頃に受けた内容であった。
ここで授業を受けている者達は十四歳となるためアリシアが受けているレッスンの内容は彼らより四年余り早い内容となっているのだ。
「行きましょ、あんまり見てるとみんな気になるでしょうし」
「はい」
アリシアはある程度聞いてから部屋から出て今度は剣の授業をしていた。
アリシアはその様子を見て目を輝かせるこの少女剣が大好きなのだ。
「ほほう?これはこれは」
様子を見ていると一人の少年が近付いて来た。
「何か?」
アリシアは少年に対して首を傾げる。
「僕はハマル、剣の腕には自信がありましてね?様々な活躍をなさっているあなた様と是非試合をさせていただきたい」
十二歳ながらに様々な活躍をしているアリシアの噂を聞いているからこそ試合を挑んできたようだ。
「良いわよ、やりましょうか」
アリシアは近くにある木剣を手に取ると構えた。
ハマルはその凛とした立ち姿に確かな緊張感を感じる。
少しでも舐めたら一瞬でやられるそう思った。
「それじゃ、行くわよ!」
アリシアから攻める。
七年と言う確かな実戦経験があるアリシア。
授業での試合の経験はあるハマル。
その差は大きくグン!と一気に距離を詰めてくるアリシアにハマルは驚き下がってしまう。
アリシアは彼が下がったのを見ると突きを放つ。
「くぅ!」
なんとか剣で弾くがアリシアはそのまま肩で彼を押した。
「この!」
押されたハマルは下から剣を振り上げたがアリシアは軽々とそれを避け左拳を突き出して腹に食い込ませた。
「ぐふっ!」
拳が飛んでくるなんて思ってなかったハマルは怯む。
その隙を狙ってアリシアは首に剣を突きつけ勝利を収める。
「僕の負けだ…噂通りの強さなんだね…」
歳下の少女に手も足も出ずに負けたハマルは悔しそうな顔を見せつつ負けを認める。
「あなたも中々の強さだったわ、それじゃ」
アリシアはハマルに手を振ると去って行った。
ハマルにとってアリシアの強さは鮮烈であり彼はここから更に努力をしかなり強い剣士となるのだがそれはまた別のお話。
見学を終えたアリシアとチェルシーが玄関にやって来るとアレスが校長と待っていた。
「どうでしたか?アリシア嬢、楽しめましたかな?」
「ええかなり楽しかったわ」
アリシアは微笑みながら楽しかったと校長に伝える。
「それは良かった」
校長は楽しかったと言うアリシアの言葉を聞いて嬉しそうな顔を見せる。
「それでは帰ろうかアリシア」
「ええお父様」
アリシアは父と連れ立って屋敷に帰る。
王への報告の内容は問題なしとアレスは伝えた。




