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八話

〔王都グランセイス冒険者ギルド〕


銭湯に入った後アリシアは王都の冒険者ギルドに帰って来ていた。


「戻ったか」


仕事をしていたアグリックはアリシア達が入って来たのを見てニカッと笑う。


「アミクム村での闇ギルド退治終わったわよ」


アリシアはアミクム村での仕事が終わった事を報告した。


「うむよくやってくれた、それでは例の情報については頼むぞ」


「ええ、分かったらまた来るわ」


「うむ」


アリシアはアグリックと分かれるとギルドマスターの部屋から出る。



〔聖教会〕


帰り際アリシアはセレティアを送って聖教会までやって来た。


「送ってくれてありがとうございます皆さん」


セレティアは聖教会の前まで一緒に来てくれた三人に柔らかく微笑みかける。


その笑顔はやはりとても美しく聖女である事がよく分かる。


「ふふっ友達ですもの出来るだけ長く一緒にいたいわ」


前世の桃香ならば絶対に言わなかった言葉である。


これもアレスとテレシアが愛情を込めて育てた結果の変化の一つである。


「そう言ってもらえて嬉しいです、聖女として過ごしているとどうしても友達は出来にくいので」


どうしても聖女には近寄り難い雰囲気があるため友人が出来にくい。


そのためセレティアにとってはアリシア達はとても貴重な存在だ。


「私達も同じですよ、セレティアさん、これからずっと仲良くして行きましょう」


「はい!」


アリシア達は互いに微笑み合いアリシア達は屋敷に帰りセレティアは教会内の自室に帰って行く。




〔サーストン家〕


アリシアは屋敷に戻ると今度は父の元に向かう。


「お父様、いる?」


「いるぞ」


ドアを開け父がいるかどうか声を出しながら入るとアレスは中で仕事をしていた。


「どうかしたか?」


アレスは娘に向けて柔らかい表情を見せつつ用件を聞く。


「ギルドマスターのアグリックさんが闇鴉についての情報を教えて欲しいって買って来たの、その見返りとして私のパーティの等級昇格試験を受けさせてくれるみたいだわ」


アリシアとしては等級昇格試験を受けたいため父が許可してくれる事を願いながら話す。


「良い条件だな四人分も等級昇格試験を受けさせてくれるとは、その条件ならギルドに情報を渡しても良いだろう」


「それじゃ決まりね?」


「あぁ、取り調べが終わったらお前に話すから伝えに行ってくれ」


「了解!ありがと!お父様!」


アリシアは父に近付くと腕に抱きつき頬にキスをしてから部屋から出て行った。


「…我が娘ながら可愛いものだな」


アレスはアリシアのキスに喜びつつやる気が漲るのを感じ仕事をとてつもないスピードで終わらせて行く。



アリシアの部屋


既にお風呂に入っているため時間があるアリシアはゆっくりと筋力トレーニングを行っている。


「アリシアちゃん?いるかしら?」


「はーい、なぁに?お母様」


アリシアは筋トレをやめ母の方を見る。


「明日ドレスの合わせがあるからギルドに行くのはその後にしてね」


「そう言えば爺やが言っていたわね」


ドレスはパーティーなどに出る際に必ず必要なためしっかりと似合っている物を複数のメーカーからいくつか選ぶ。


そうやって似合う物だけを複数持っておく事でパーティーに出る際などに着て行くドレスにバリエーションを持たせているのだ。


「知っているのなら良かったわ、明日も可愛いデザインを選びましょうね」


「うん!」


オシャレ好きでもあるアリシアは嬉しそうな顔を見せる。


ドレスを着てパーティーに出るのはアリシアの楽しみの一つであるのだ。


「良い返事、さっもう夕飯の時間よ?行きましょう」


「はーい」


アリシアは部屋から出ると母と共に食堂に向かう。



夕食を食べ終わったアリシアは部屋でのんびりしている。


「お嬢様、そろそろ寝ましょうか」


十二歳しっかりと寝ることが健やかな成長に繋がるためチェルシーは早めに寝る事を促す。


「ええー?まだ本を読んでいるのよ?」


アリシアはもう少し本を読みたいためまだ寝ないと言う。


「ダメです、ちゃんと寝ないとお胸も大きくなりませんよ?」


胸の成長はしっかりとした睡眠により促されるそのため胸を大きくしたいのなら寝ないとダメだぞ?とチェルシーは言う。


「むー」


アリシアは口を尖らせながらも本にしおりを挟みベッドに上がった。


「眠る」


「ふふっはい」


魔導ランプを消しチェルシーもベッドに上がる。


今日もテレシアは部屋にやって来なかったため一緒に眠るのはチェルシーの役目だ。


「ねぇチェルシー、あなたって結婚とかする気はあるの?」


「んー、特にはないですね、お嬢様のお世話をするのとか一緒にギルドで仕事をするのが楽しいですし、結婚したらお嬢様と一緒に仕事に行ったら出来なくなってしまうでしょう?私はそれが嫌なので結婚はしません」


「そう、あなたがそれが良いのなら私は何も言わないわ」


チェルシーがどう生きるのか?アリシアはそれを変えるつもりはないし権利もない。


だからこそ今後チェルシーに好きな人が出来て結婚したいと言って来たとしても止めることは絶対にないのだ。


「ふふっでもお嬢様はお家のためにも結婚しなくてはいけませんよ?この国の未来のためにもサーストン家の血を絶やすわけにはいきませんから」


「そうね、それが私の役目ね」


サーストン領と言う国境防衛の要の中心となるサーストン家の血は絶やすわけにはいかない。


そのためアリシアは確実に誰かと結婚して子を産まなくてはならないのだ。


それはこの家に産まれた時点で必須の役割でありアリシアはそれを嫌だと思う事はない。


「お優しい相手が見つかると良いですね」


「ええ、そうね」


アリシアはチェルシーの言葉に頷きつつ目を閉じて眠り始めた。


チェルシーは眠り始めたアリシアの髪をしばらく撫でた後自分も眠りに着く。

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