二話、アレシアと
〔???〕
アリシアはいつの間にか精神世界のような場所に立っていた。
「エレシアさんがいるところとは違う…?」
エレシアがいる精神世界はエレシアの小屋を再現した姿となっているのだがここはどこかの宮殿のような場所なので精神世界かと思ったが違う。
「あら?もうここに来たのね?」
歩いていると一人の女性が立っているのが見えたため近付く。
女性はアリシアの気配に気付いて振り返ると柔らかく微笑んだ。
「あなたは…?」
アリシアはどこかアレスの面影を感じる女性の正体を問う。
「ふふっ私はアレシア、あなたの先代の剣聖よ」
「!」
アリシアは目の前の女性がアレシアだと知り驚く。
「あなたが私の子孫なのは分かるわ?名前を教えてちょうだい?」
アレシアはアリシアに近付くと優しく頬に手を触れ名を聞く。
「アリシアよ」
「そう…アリシア、ようやく産まれてくれた私の跡を継ぐ者ね」
アレシアはそう言うと嬉しそうに子孫を抱きしめる。
「私はここにこれだけどまだ剣聖の力に目覚める事は出来ていないの…」
「ふふっ私もそうだったわ、この力はそう簡単に目覚める事が出来るものではない、でも必ずその時が来るわ」
「うん」
その時が来るそう言われたアリシアは頷く。
「さてアリシア、あなたの目覚めを早めるためにもあなたの精神がここと繋がった時は私が剣の稽古をしてあげる、精神体で起こった事は現実でも反映される、つまり私がここであなたを鍛えればあなたは確実に強くなれるのよ」
「私もあなたみたいな強さに?」
アリシアはアレシアの活躍について調べていた。
その結果正に天下無敵の強さであったと知る事が出来た。
「私の後継者であるあなたな必ず」
もしかすると超える力すら可能かもしれない。
「そっかなら頑張ってみる!」
「良いわね、それじゃ今日から早速始めましょう!」
「ええ!」
こうしてアリシアはアレシアに剣を教わり始めた。
〔サーストン家〕
朝目覚めたアリシアは急いで父の元に向かった。
起きるなり部屋からすっ飛んで行く令嬢を見てチェルシーは驚く。
「お嬢様!?どうなされたのです!?」
「ご先祖様と話したの!それをお父様に報告しなくてはいけなくてよ!」
「なるほど!」
急いでいるわけだとチェルシーは思う。
「お父様!」
アリシアはアレスの部屋の扉を開ける。
するとまだまだお熱い夫婦が朝のキスをしている所であった。
まだまだ幼さが残る年齢であるアリシアであるが流石に両親のキスを見ればポン!と頬を赤く染める。
「し、失礼しました!つ、続きをどうぞ!」
そして慌てて扉を閉める。
「あのね?アリシアちゃん、娘にキスしている様子を見られて続きなんて出来ないわよ…?それで?どうかした?ギルドに行くのはレッスンが終わってからよ?」
「お、お父様に話したい事があったの…」
アリシアは俯き頬を赤く染めつつ話す。
テレシアはそんな娘の様子を見てまだまだ子供で可愛いなと思う。
「分かったわ、入りなさい」
「うん」
アリシアは俯いたまま父の元に近づくと話し始める。
「お父様、夢の中でアレシア様と会ったわ」
「ご先祖様とか!素晴らしい!」
アレシアと会えた時点で剣聖である事の裏付けが更に強まったそのためアレスは喜ぶ。
「それで?アレシア様は何か言ってたか?」
「私の剣の稽古をしてくれるって」
「ほほう…羨ましいな…アレシア様に剣を見てもらえたのは彼女の孫娘までだからな」
アレシアは孫娘が十三歳になった年に亡くなっている。
あーそのためアレスが剣を見て貰う事はあり得ず精神世界の中でアレシアの稽古を受けれる娘をアレスは羨ましいと思う。
「アレシア様が言ってたけど毎回アレシア様がいるところに行けるわけじゃないからこれからもお父様との鍛錬は行うようにだって」
「承知した、アレシア様の名と言うのならば従おう」
サーストン家にとってアレシアは英雄だ。
そのためアレシアが言う事はアレスにとっては絶対である。
「今日の鍛錬で私の動きがどのくらい変わったのか見てくれるかしら」
「うむ、ぜひ見せてくれ、楽しみにしているぞ」
この日からアリシアの剣技は十二歳としては十分以上に優れていたのだが更に凄みが増して行く。
アレスは後にこの時のアリシアの姿を蕾が成長して行くような様子であったと評している。
レッスンが終わりアリシアはアレスと廊下を歩いている。
「確かに変わったな、隙がなくなって来ている」
アレシアの稽古は効果覿面であった。
アリシアの動きには剣士としての長い経験があるアレスからすると少し隙があったが。
アレシアの稽古を受けた事によりその少しの隙が減っている。
「まずは隙を潰そうって事で重点的に見てもらったもの」
「なるほどな、これからも彼女がいる場所に行けた時は稽古をして貰い弱点を潰した行け、確実に強くなれる」
「ええ、もちろんそのつもりだわ」
弱点を潰せるのだアレシアの稽古を受けるの事をアリシアはとても楽しみに思うようになった。
「それでは依頼、気を付けて行くんだぞ?」
「今日はお母様がいるし大丈夫だと思うけどね」
アリシアはそう言ってから手を振ると母と合流し街に出た。




