十八話、アインスベルクとの戦い1
〔サーストン家〕
決戦の日アリシアはいつもより早く目を覚ました。
「お、お嬢様がこんなに早く…」
「あなたは私を何だと思ってるのかしら?」
「お寝坊さんですが」
毎日様子を見ていた結果の印象である。
「…」
図星であるためアリシアは何も言い返せない。
「ふふっ着替えますよ」
グヌヌ…としているアリシアを見て楽しげに笑ったチェルシーはアリシアを着替えさせた。
「アリシア〜?準備は終わったかにゃ?」
するとニャルカがやって来た腰に魔導銃背中に魔導対物ライフルを装備している。
「終わったわよ、フル装備ね?」
「まぁにゃ、全力全開で当たってやるにゃ!」
「ふふっ頼りにしているわ」
アリシアはニャルカの肩に拳を当てる。
するとセレティアがやって来た。
背中には新しい杖を装備している白く美しい杖だ。
「皆さん早いですね、遅れましたか?」
「あなたも十分に早いから大丈夫よ、さっ全員揃ったしサレナの家に行きましょう」
全員揃ったアリシア達はサレナの家に向かう。
〔ファタニカ家〕
四人はファタニカ家にやって来た。
「待っていましたわアリシア」
「お待たせサレナ、準備は出来ていて?」
「ええ準備万端ですわ」
準備は出来ていると言ったサレナはアリシアと目を合わせ頷き合った。
「これ以上異常気象を広げない為にも今日の戦いは負けられないわ、みんな頑張って勝ちましょう!」
アリシアの言葉に皆頷く。
「それじゃ行きますわよ!」
「ええ!」
サレナを加えたアリシア達はアイルアルサ山に向けて転移した。
〔アインアルサ山〕
アリシア達はアインアルサ山にやって来ると頂上に向けて飛行する。
「ここで一度降りて」
五人は一度着地してアインスベルクがいるかどうか確認する。
するとその姿を確認出来た銀色の翼を持つ美しい魔物である。
しかし異常気象を広げる存在である為いくら美しくても倒さなくてはならない。
「チェルシー、手筈通りに」
「はい!」
チェルシーが魔力を溜める十分に溜まった所でファイアボールとして放った。
「!」
アインスベルクは気付けずに命中した。
「キェェェ!!!!」
大きなダメージを受けたアインスベルクは空に浮かび攻撃をして来た敵を睨み付けた。
「キェェェ!!!!!!」
そして彼にとっては一撃必殺の氷結魔法を放って来る。
「させませんよ!」
チェルシーが迫る氷結魔法を火の魔法で相殺する。
通常の火の魔法使いならばアインスベルクの氷結魔法に押し負けてしまうがここにいるのはアレスが鍛え上げた火の魔法使いだ。
強力な氷結魔法だとしても押し切れる程の威力を有している。
「…」
彼にとっては必勝である氷結魔法を防がれた為これは使えないとアインスベルクは別の攻撃方法に移る。
翼を広げると大量の氷の矢を放って来た。
「セレティア!」
「はい!」
今度はセレティアが光の防御魔法で強力な氷の矢を防ぎ切る。
セレティアが氷の矢を防ぐのと同時に駆け出していたアリシアはアインスベルクの背後に回ると全力の回転斬りを叩き付け長らく敵に地面に落とされたことなどないはずの氷鳥を地面に突き落とした。
「サレナ!」
「はい!」
サレナが突き落とされたアインスベルクの首を狙って剣を突き出したが。
アインスベルクは何とか空に飛んで避け口から氷のブレスを放って来た。
「フレイムブラスト!」
チェルシーは火の魔法でブレスを相殺しセレティアが光の矢を放つが避けられた。
「強いわね…ダメージが全然入ってない感じだわ」
それなりに攻撃を当てているがアインスベルクに大したダメージを与えられていない。
もっともっと高威力の攻撃を当てる必要がある。
「そうですわね….」
「任せるにゃ!」
威力なら任せろ!とニャルカが対物ライフルを放つ。
アインスベルクは迫る弾をなんとか避けつつ戦慄する。
すぐ近くを通り過ぎた弾丸は当たれば間違いなく一溜りもない攻撃だと思ったのだ。
「キェェ!!」
チェルシーを抹殺対象として捉えたアインスベルクは猛スピードで迫ると嘴を突き出す。
そこにアリシアが割って入り嘴を剣で弾いてニャルカを守り下から振り上げた斬撃で胴体を斬り裂いた。
(…まただ、この感覚!)
アリシアは周囲の動きがスローに感じる感覚を認識した。
「キェェェ!!!」
アリシアに攻撃を避けられたアインスベルクは次々と嘴を突き出して来るがアリシアは剣で全て捌き前に飛ぶとアインスベルクの首に切り傷を付ける。
「流石です!お嬢様!」
アインスベルクに決定打を与えるアリシアを見てチェルシーがファイアアックスを放った。
アインスベルクはそれをギリギリで避け空に高く飛び上がった
「まだまだね、簡単に終わる戦いではないわ」
「ええ、あの程度のダメージではまだまだ元気なようですわ」
アリシアとサレナで話しているとアインスベルクは再びブレスを放って来た。
「ここは私が!」
セレティアが再びブレスを防ぐ。
「チェルシー!」
「はい!」
フレイムボムを作り出したチェルシーがアインスベルクに向けて放り投げる。
「セイクリッドバインド!」
更にセレティアが光の鎖でアインスベルクの動きを封じる。
これによりアインスベルクはチェルシーの炎の爆弾に巻き込まれてその姿が見えなくなった。




