十七話
冒険者ギルド
アリシアはチェルシーと共にギルドにやって来ていた。
「二人でギルドに来るのは久しぶりね」
最近は仲間が出来て皆でギルドに来る事が増えたそのため二人で依頼を見に来るのは久し振りなのである。
「そうですね」
ニャルカはお昼寝。
セレティアは教会の仕事があるため今日は来れないのだ。
「今日はあなたの武器チェックも兼ねてるから、あなたが受けたい依頼を選んでくれてよくってよ」
「分かりました、硬そうな魔物を選びますね」
チェルシーが依頼を選び始めた。
斧使いとして硬い装甲を刃こぼれせずに打ち破れるか?それが良い斧か?悪い斧か?の判断基準となる。
そのためチェルシーは硬い装甲を持つ魔物を相手として選ぶつもりだ。
「喉が渇いたわね」
少女はそう言うとギルドに備え付けられているレストランに歩いて行き紅茶を頼むと椅子に座りチェルシーが依頼を選ぶ様子をお茶をしながら見守る。
暫く見ていると依頼を選び終えたようで受付に向かい依頼を受けてアリシアの元にやって来た。
「決まりましたお嬢様、行きましょう」
「ええ」
アリシアはカップをレストランに返しに行きチェルシーと共に依頼を受けに向かう。
〔パークパント山〕
パークパント荒野はサーストン領の北地区にある場所で鉱石が良く取れる場所である。
質の良い鉱石が取れるためサーストン領の貴重な財源の一つとなっている。
「今回の相手は何なのかしら?」
「ガチガメールです」
「んー名前からして硬そうね」
「はい、すごく硬いみたいです!」
チェルシーは楽しみ!と目をキラキラさせている早く新しい武器の性能を試してみたいのだ。
「剣を使う私としてはあんまり戦いたくない相手だわ」
硬い敵は剣だとどうしても相手にしたくない相手であるその理由は刃こぼれの可能性が高いためだ。
アリシアの場合は魔力剣で突破出来るため問題はないのだがそれでも嫌な相手である。
「今回は私だけで戦う予定ですからお嬢様は見てくれているだけで十分ですよ」
「あら?一人で大丈夫?」
ずっと一緒に戦って来た仲だ大丈夫なのは知っているが敢えて聞く。
「大丈夫です、それでは見つけましたので行って来ます!」
チェルシーが駆け出した。
その先にいるのはまるで岩のような甲羅を持った亀型の魔物だ。
とても硬そうである。
「はぁ!」
チェルシーはまずは魔法剣を使わずに斧を叩き付ける。
すると巨大が数メートルスライドしたが甲羅にダメージは入っていない。
「流石です!」
しかし斧は思いっきり叩き付けても刃こぼれ一つないため信頼に値すると思ったチェルシーは魔法剣を発動させた。
「ヒートアックス!」
燃え盛る炎を全力でフルスイングする技ヒートアックス。
動きが遅いガチガメールは反撃しようとしていたがその前にバターを切るかのようにチェルシーに真っ二つにされて絶命する。
「完璧です!」
チェルシーは今の攻撃でこの斧ならばこれまで以上に戦えると思い嬉しそうな顔を見せた。
すると仲間を殺したチェルシーを狙ってガチガメールが転がって来る。
これがガチガメールの攻撃方法だ。
「正面から受けて立ちますよ!」
チェルシーは転がって来るガチガメールを正面から相手にし正面から次々と斬り伏せて行く。
「凄いわね」
アリシアはエルクの武器の性能の高さに改めて感心する。
「はぁ!」
最後の一匹を斬り伏せたチェルシーはアリシアの元に戻って来た。
「終わりましたお嬢様」
「ええ、アインスベルクとの戦い、あなたがいれば絶対に勝てるわ」
火属性かつエルクの斧のおかげで更に火力を増したチェルシーは確実にアインスベルクとの戦いで起点となる筈だ。
「はい!頑張ります!」
チェルシーはガッツポーズしやる気を示すとご令嬢の手を引き街に帰って行くのであった。
〔サーストン家〕
屋敷に戻るとニャルカが近付いて来た。
「おはようにゃアリシア」
「おはようニャルカ、アインスベルクとの戦いの準備は出来ていて?」
アリシアはニャルカに準備は出来ているか聞く。
「出来ているにゃ、しかも今大出費になるけどにゃ、新しい銃を買って来たにゃ」
そう言ってニャルカがアリシアに見せたのは対物ライフル型の魔法銃だ。
「…」
アリシアはそれを見て思う。
これも転生人が作って広めた好きなのだろうと。
「強そうね」
「凄いにゃよー?これは、アリシアくらいの強さのシールドを張れる子でもそのシールドを貫ける程の威力の魔力弾を撃てるにゃ」
ニャルカはそう言いながら新しい武器であるライフルに頬擦りする。
「凄いわね、私も今度撃たせてくれない?」
「良いけどにゃ、魔力込めすぎて壊さないでくれにゃよ?」
「分かってる」
アリシアは楽しみが出来たと思いつつニャルカと別れた。
「セレティア様も仕事が終わった後に新しい杖を買いに行くと言っていました」
「みんなやる気ね」
皆アインスベルクを倒して異常気象を終わらせると言う想いが揃っている。
この強い想いがあるのならばアインスベルクに確実に勝てるだろう。
「はい、頑張りましょうねお嬢様」
「もちろんよ、絶対に勝つわ」
アリシアはチェルシーの言葉に力強く頷くと自室に入って行った。
次回からアインスベルク戦となります。




