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十四話

〔サーストン家〕


朝アリシアを起こしにチェルシーが部屋にやって来た。


「お嬢様?朝ですよ起きてください」


たまにすんなり起きるこのご令嬢であるが基本的には中々起きない。


そのためチェルシーが毎日優しく起こしてあげているのだ。


「んー、後五分〜」


「ダメです、起きてください」


「やー」


可愛らしく抗議の声を出すアリシア。


チェルシーはそんなアリシアの脇をくすぐり始めた。


「あはっ!あはは!も、もう!チェルシー!」


くすぐられたアリシアは流石に起きる。


「はいおはようございます」


「くー…」


起こされたアリシアは口を尖らせた。


「今日のご予定はファタニカ領にまた向かいましょう」


「そうね、剣聖な事で一日行けなかったし」


ファタニカ領の問題解決は王から与えられた仕事だ。


出来るだけ早く成し遂げたいがそれについてはファタニカ領の手の者が集めるアインスベルクの情報による。


情報が集まり次第挑む事になるためその間は雪の上や氷上の戦いに慣れるのが今のアリシア達の仕事である。


「今日は動きが速い敵にしましょうか」


「雪や氷の上で動きが速い敵と言うとウルフが該当しますね」


ウルフは魔物化した狼の事を示す。


組織だって行動ししかも素早いため強さで言うと通常のリザードマン以上の魔物だ。


「そうと決まればレッスンが終わった後に出発よ!」


「はい!」


チェルシーとの話を終えたアリシアは服を着替えるとレッスンに取り組む。




母との魔法訓練をして終わった所にアレスがやって来た。


「あら?どうかした?お父様」


アリシアは母との訓練で荒れた息を整えつつ父に近付く。


「お前の耳に入れておきたい事があってな」


「アインスベルクの事?」


「いや闇ギルドについてだ」


闇ギルド。


違法な武器や薬物の売買や人殺しを行う犯罪者集団の事である。


「大規模闇ギルドの一つ闇鴉が最近活性化して来ている、今回の異常気象に対して国が対応している隙を狙っての事だ」


「闇ギルドに対応する人員がなった隙を狙ったって事ね」


昔からよくある事だ国が何か問題を抱えている隙を狙って闇ギルドが活性化するのは。


「そうだ、お前が対応しているアインスベルクに関しての問題が解決したら、次は闇鴉の相手をする事にやるかもしれんから、その時は頼むぞ」


「ええ、分かったわ」


アリシアは現在剣聖の加護の覚醒の為にも基本的にどんな依頼でも受けるつもりである。


そのため闇鴉への対応も依頼されれば受けるつもりだ。


「ここ数ヶ月でお前は本当に頼りになるようになった、良い調子だぞアリシア、その調子で行け」


アレスは頑張る娘を誇りに思いつつ肩を叩き離れて行った。


「私も嬉しいわ、あなたが頑張って成長しているのだもの」


テレシアはここででもと付け加える。


「無理をして怪我をしないようにね?」


母だからこそ言える言葉である。


もちろんアレスも同じ思いだ。


「うん、分かってる」


アリシアは母に抱き着いてからそう言うと離れチェルシーと共にファタニカ領に向かって行った。



〔ファタニカ家〕


ファタニカ家は公爵家に当たる名家である。


対するサーストン家は辺境伯であるがこれは実力高いサーストン家に国境警備をして貰いたいから与えられている階級でありその権限は公爵家と同等だ。


他の家も王家のこの考えは理解しているためサーストン家を下に見る一族は存在しない。


何故ならサーストン家がいなければ国境を難なく突破されて侵略を何度も受けている可能性が高いからである。


「ようこそアリシア様」


チェルシーとニャルカとセレティアを連れてファタニカ家にやって来ると執事が出迎えてくれた。


「サレナは?」


「もうすぐレッスンが終わる頃合いでございます、しばしお待ちを」


執事はそう言いながら自然に暖かい部屋にアリシア達を通す。


「ファタニカ家とサーストン家は本当に良好な関係なのですね」


「昔から付き合いがある家同士だしね、それに他の貴族達もサーストン家に喧嘩を売って来る事はあんまりなくてよ?、だってうちの武力って王都の駐留軍と同等かそれ以上だもの」


サーストン辺境伯軍がその気になって勝てる領地軍は少ない。


かろうじて王都軍が同等であろうと言うくらいだ。


それくらいに強い武力を持つサーストン家に喧嘩を売って来る貴族はほぼいないのである。


「あんまりと言う事はたまにあるのですね?」


「ありますよー?貴族に成り立ての一族とか力関係をよく分かってませんからね」


そう言う一族に対してはサーストン家は堂々と喧嘩を受け正当なやり方で潰すのである。


「サーストン家ほど力を持っていても色々あるのですねぇ…」


「まぁねそれが貴族というものよ、うちの方針は来るならかかって来い!よ!」


アレシアが当主だった頃から同じ方針である。


ちなみにアレシアの時代は力ある貴族でも喧嘩を売って来たがアレシアは正面から正々堂々受けて立って潰していた。


昔から代々武闘派な一族なのであるまぁ武闘派なのは国境警備を任されているから当然なのであるが。


「お待たせいたしましたわ、アリシア」


レッスンを終えたサレナがやって来た。


アリシアは立ち上がるとサレナと手を合わせる。


「さっ今日もギルドに行くわよ」


「ええ、爺、武器を」


「はい」


執事から武器を受け取ったサレナはアリシアと共にギルドに向かう。


闇鴉は次章で登場する敵となります。

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