四話
〔サーストン家〕
朝レッスンとしてアリシアはアレスの剣術講習を受けている。
幼い頃から教わっているため最近の講習の内容はただただ打ち合いをして技量を高める内容である。
「良いぞ!アリシア!」
日々腕を上げて行くアリシア。
アレスとしては娘のこの成長はとても嬉しい事だ。
「やぁ!」
得意の突きからの下からの振り上げ。
アレスは読んでいたと言わんばかりに全て防いで反撃して来る。
アリシアの技量も既にかなりのものだがまだまだアレスの経験と努力が積み重なっている剣術を上回る事は出来ていない。
「っ!」
アリシアは父が放って来た横振りの斬撃を掻い潜り前に向けて跳ぶと腹に向けて突きを放とうとするがアレスは剣を使って逸らし蹴りを放って来た。
アリシアはその蹴りを腕で止めると父の脇腹に横振りのスイングを叩き付け父の首に剣を突きつけた。
「はぁはぁ…」
「ふむ…」
初めて一本取られたアレスは感心した顔で娘を見る。
自分も父から一本を取ったのはかなり早い年齢であったがそれは十四歳であった。
アリシアはそれよりも二年早く親から一本を取ったその時点でアリシアの才能は明らかにアレスを超えている。
「見事だ、やはりお前なら私を越える剣士に慣れるだろう」
「えへへ、頑張ったもの」
父に褒められたアリシアはとても嬉しそうな顔を見せる。
何故ならこの国の中でも有数の実力を持つ剣士であるアレスから一本を取って見せたのだから。
「うむ、しかしこれで努力をやめてはいかんぞ?お前にはまだまだ先があるからな」
アレスは確かに日々の鍛錬で腕を上げているが既に上限が近いためあくまでも現状の実力のキープが基本となっている。
そのためまだまだ伸び代がある娘に対してアレスは羨ましく思うのと同時にもっとこの子を鍛えて国一番だけではなく世界一の剣士と言われるまで強くしてあげたいと思うのだ。
「うん、私は頑張るのをやめたりなんてしないわ、それじゃ剣のレッスンはこれでおしまいね?」
「あぁ、またの次の機会にな」
「ええ、ごきげんよう」
アリシアは父にスカートを持ち上げて挨拶してから去って行った。
「しかしあれほどの力を持って産まれさせたと言う時点で魔王が復活する可能性が高いのだろうな」
アレスは思う魔王の復活確率が高いからこそアリシアは高い実力を与えられて産まれて来たのだろうと。
「もし復活した時にアリシアが死ぬことがないようにもっともっと強くしてやらねばならん」
アレスはマジ魔王が復活した時にアリシアがあなたを失わずに済むくらい強くしようと思う。
レッスンが終わりセレティアとニャルカと待ち合わせているギルドに向かう前にアリシアは食堂で昼食を食べていた。
「今日はどんな依頼を受けるおつもりですか?」
「第二王子派の残党が散り散りになった結果闇ギルドが暴れてるし闇ギルド退治をもう一度やりましょう」
それに加えて対人戦の練習にもなる。
修行にも丁度いい小規模闇ギルドの退治依頼は実力高めていきたいアリシア達としては丁度良い依頼である。
「分かりました、なら今日も小規模闇ギルド退治をしましょう」
「ええ、決まりね」
今日受ける依頼内容を決めたアリシアは昼食を全て食べ終えてからギルドに向けて出発した。
〔冒険者ギルド〕
ギルドまでチェルシーと共にやって来るとセレティアが待っていたニャルカはいない。
「ニャルカは?」
「お昼寝して来るにゃだそうです」
セレティアが上を指差す。
そこには屋根の上で気持ち良さそうに眠っているニャルカがいた。
「あんなところでよく寝れるわねぇ…」
「猫族の凄いところですねぇ…」
セレティアは屋根の上でなど怖くて寝れないためそこでニャルカの度胸は凄いと思う。
「それじゃ依頼を受けて来るから待ってて?その間にニャルカを起こして貰えるかしら?」
「任されました」
「了解です」
チェルシーとセレティアは眠るニャルカを起こしに向かった。
アリシアはそれを見送ってからギルドの中に入り依頼を受ける。




