二話、闇ギルド
〔サーストン家〕
朝アリシアが目を覚ますと何か柔らかいものに顔を埋めていた。
「むむ…!?」
アリシアが埋まっていたのはセレティアのお胸だ。
夜の間に入り込んで来てアリシアを抱きしめたらしい。
「…」
一緒に寝ていたチェルシーが目を覚ましてアリシアの状態に気付きむむむ…となる。
自分だってアリシアを抱きしめて寝たいのだしかし理性で抑えていた。
「あらアリシア様起きたのですね」
アリシアがもがいているとセレティアが目を覚ました。
目を覚ました彼女はアリシアを解放する。
「もう、いつの間に入ったの?」
「ふふっ秘密です」
セレティアはそう言うと櫛を取って来てアリシアの髪を解き始める。
それを見たチェルシーがアリシアを抱き寄せた。
「申し訳ありませんが!それは私の仕事ですので!」
朝のアリシアのお世話はチェルシーがずっと行って来た仕事である。
それを他人に任せたくないチェルシーは自分の仕事であると主張する。
「あらあらメイドさんに怒られてしまいました、それではまた後で」
チェルシーに怒られたセレティアは舌を出してイタズラっぽく笑ってから部屋から出て行った。
「あなた以外と独占欲あるのね?」
アリシアはチェルシーに抱きしめられながら腕の中で彼女を見上げつつ言う。
「旦那様や奥様に任せられた大切な仕事ですので」
チェルシーはメイドとしての仕事に誇りを持っている。
そのためその仕事を他人に簡単に譲ったりはしないのである。
「うふふ、あなたのそう言う所好きよ?」
「…」
アリシアの言葉を聞いたチェルシーは頬を赤く染め朝のお世話を始めるのであった。
朝のお世話を終え服を着替えたアリシアが部屋から出てチェルシーと共に部屋を出て食堂に向かう。
「おはようアリシアちゃん」
食堂に入ると先にテレシアが朝食を食べていた。
「おはよ、お母様」
アリシアが挨拶を返し挨拶をしている間に一瞬で朝食が並べられた。
「今日の私の可愛い娘の予定を聞いておこうかしらね?」
「今日はみんなとギルドで仕事をする予定よ、お母様も行く?」
母に同行するか尋ねた。
「んー、また今度ね?」
今日は気分ではないらしい断られた。
「分かった、また今度」
「あなたの事だし怪我をしないのは分かってるけど、一応言っておくわ?怪我をしないように」
「うん、注意するわ」
母の自分の身を案じてくれる言葉を嬉しく思うアリシアは柔らかく微笑む。
「うん良い返事ね、それじゃ行ってらっしゃい」
「うん!行って来ます!」
朝食を食べ終えた少女は食堂を出ると玄関に向かった。
玄関に来るとニャルカが待っていた。
「遅いにゃ、危うく日向ぼっこを始める所だったにゃ」
朝のポカポカ陽気に猫族としての本能が刺激されたニャルカは日向ぼっこをしたくなっていたがアリシア達が来たのでやめる。
「ちゃんと猫っぽいところもあるのね猫族って」
「そりゃそうにゃ、私達は猫の獣人だからにゃ、しっかりと猫の本能が私達にもあるにゃ」
「ふぅん?」
猫っぽい本能かと思ったアリシアは鞘に入った剣を動かし始めた。
「…そう言うのに反応するのは子供の時だけにゃ」
しかしニャルカは無反応であった。
アリシアはつまらんと口を尖らせる。
「そんなに猫族と遊びたいなら今度里に来ると良いにゃ、子供達と遊べるにゃよ」
「良いわね考えておくわ」
ニャルカの故郷を見るのも悪くない。
そのため考えておくと返答した。
「お待たせしました」
ニャルカと話しているとセレティアがやって来た。
いつものシスター服姿である。
「ふふっ待ってないよ、それじゃ行きましょうか」
「はい、お嬢様」
皆が揃ったためアリシアは屋敷を離れ冒険者ギルドに向かう。
〔サスノリア〕
冒険者ギルドに向けて歩いているとセレティアが話し始めた。
「闇ギルドについてご存じですか?アリシア様」
「そう言う組織があるのは知ってるわ」
「それで十分です」
「十分って闇ギルドが何かあるの?」
アリシアはセレティアに闇ギルドについて何かあるのか?と聞く。
「以前敗北した第二王子派が闇ギルドと合流したようなのです、その影響で闇ギルドが活性化して犯罪行為が増えております」
「元々が自分達さえ儲かれば良いって人達だから、儲かるのならば軽く販売に手を染めるのよ、ああ言う人達って」
「ええ、嘆かわしい事ですが、そして話の続きですが、闇ギルドの活性化は聖教会として抑えたい所なのです、ですからそのうち闇ギルドの沈静化のためにアリシア様の力を貸してもらうことになると思いますのでその時はお願いします」
「承ったわ、その時が来たら力を貸すわね」
「はい、お願いします」
セレティアとの話を終えるとギルドに到着したので四人は中に入る。
するとかなり注目を浴びた。
一人は最近伝説級の魔物を倒したドラゴンスレイヤー。
二人はそのメイド。
三人はトレジャーハンターとして有名な猫娘。
四人は聖女とどうしても注目を浴びるメンバーである。
「ドラゴンスレイヤーのアリシアだ」
「あの若さと考えると凄まじいな」
皆アリシアについて話し始めた。
アリシアは殲滅姫よりもよっぽどカッコいいドラゴンスレイヤーと言う新しい二つ名に満足気な表情を見せた。
「嬉しそうですね?お嬢様」
「当たり前じゃないドラゴンスレイヤーよ?とてもかっこいいわ」
「ふふっですね」
新しい二つ名を嬉しく思いつつクエストボードに近づいた四人。
「あら丁度ピッタリな依頼なあるわよ?」
クエストボードには小規模闇ギルドの殲滅依頼があった。
「良いですね!受けましょう!」
セレティアはノリノリで受けようと言ってくる。
「よし、なら今日はこれで決まりね?二人も良い?」
「オッケーにゃ」
「私も構いません」
二人も小規模闇ギルドの殲滅姫依頼を受ける事を拒否しなかったためアリシアは受付に向かい依頼を受け仲間と共に小規模闇ギルドがある場所に向かう。




