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一話

〔王城〕


アリシアはチェルシーと共に玉座にやって来た。


中にはアレスとケレスもいる。


「アリシアよ、今回は良くやってくれた」


エルアーヌの撃破からネーラの撤退までアリシアは一日で成し遂げた。


チェルシーとアレスと共に戦っていたからこそ出来た事だが十分な功績である。


「チェルシーも良くアリシアを支えたな」


そして王はチェルシーの功績も労った。


「「ありがとうございます」」


アリシアとチェルシーは嬉しそうに返事を返した。


「して、これからについてだが、神はもう脅威が現れるとしても教えてはくれぬのだな?」


「うーん、たまに仕事を振っては来るみたいだけど、基本的にはそうなるみたい」


国の問題だとかサーストン領に問題が起こるとかそう言うことについてはもう神は教えてはくれない何か起こったとしても自分達で解決しろと言う事だ。


神がこれからアリシアに振ってくる仕事は世界の脅威レベルの話となる。


「なるほどな、しかし神に導かれて生きて行く事になど意味などない、我々の力だけで道を切り開いて行かなくてはな」


「ええ、そうね」


アリシアも王の言葉に同意する神に頼りっぱなしでは何の意味もないのだ。


「第二王子派の残党についても注視していかないといけませんね、エルアーヌとネーラが撃破された事で魔族の傀儡から離れいくつかの派閥に分かれて独自の行動を始めたようです」


現在エルアーヌとネーラと言うトップを失った第二王子派はいくつかの派閥に分かれてそれぞれの行動を始めている。


その分かれた派閥が王の暗殺を狙ってくる可能性があるため残党の各個撃破はこれから行わなければならない。


「私が討たれるわけにはいかぬからな、第二王子派の残党は壊滅させなくてはならん、アリシアよ、これからそのために力を貸してもらうが構わぬか?」


第二王子派の残党撃破のためにはアリシアの力を王は借りたいと考えている。


既にアリシアとアリシアがいるところに一緒に来るチェルシーはこの国にいる魔導士の中でもトップクラスの戦力なのだ。


そのためその力が使えるなら使いたいのだ。


「構わないわ」


「私もです」


アリシアもチェルシーも関わっているのだから壊滅まで協力したいと考えている。


そのため迷わずに力を貸すと言った。


「ありがとう、頼りにするぞ」


王は二人の言葉を聞いて嬉しそうな顔を見せた。


「最後に魔族についてだが、まずは本拠地から探さなくてはならん、奴等は過去の記録を見ても思わぬところに根城を作ったそこを拠点に活動をしていたりするようだからな」


例えば街にある軍の駐屯地を支配してそこを拠点にしていたり。


どこかの国の王城に住む人間を洗脳して傀儡にしてそこを根城にしていたりと様々な方法を魔族は取ってくる。


そのため過去の戦いでもまずはどこを拠点にしているのか探す所から始めておりその発見には毎回時間がかかっている。


「厄介ね、奴等化けようと思ったら人間に化けれるから中々見つからない筈だもの」


アリシアが見た魔族であるネーラもリルスもやろうと思えば人間社会に溶け込める見た目だ。


魔族はそこが厄介で行方を追いかけようとしても中々見つからないのだ。


ただネーラのボンデージファッションは目立つためその格好で街中にいたらすぐに見つける事が出来てしまうだろうが。


「うむ、中々、魔族に対しての問題は解決に進むことはないだろう、が、情報が分かればお前達に伝えよう」


「了解」


「それでは話はこれで終わりだ」


「ええ、失礼するわ」


アリシアは王に一礼すると部屋を出る前に父に近付く。


「お父様?」


何か話はある?と首を傾げる。


「先に帰っていてくれ、王都もう少し話があるからな」


第二王子派や魔族に対する対応にどう言う兵の動かし方をするか?サーストン領の領主でありサーストン領軍の指揮官でもあるアレスは王とケレスと話す必要があるのだ。


「分かった、先に帰ってお母様にもう少し話があるから遅くなるって言っておくわね?」


「あぁ、よろしく頼む」


アレスは娘の髪を撫でた。


「それじゃまた後でお父様」


「あぁ」


アリシアは父から離れると部屋から出て行った。



廊下を歩いているとサーシェスの後ろ姿が見えた。


「サーシェス!おはよ」


アリシアは無邪気にサーシェスの背中に抱き着く。


「あ、アリシア!?おはよう」


恋心を抱いている少女に抱き着かれたサーシェスは頬を赤く染めた。


(んー、サーシェス様の反応ってとても分かりやすいと思うんですが、うちのお嬢様はそう言うことには鈍ちんですからねぇ…)


今の反応も側から見れば分かりやすい反応なのだが。


アリシアは特に不思議に思った様子すらない鈍いのだ色恋をする相手としては難関である。


「昨日凄く活躍したと聞いているよ、凄いねアリシアは」


「私も頑張ったけど私がここまで戦えるようになったのは私を鍛えてくれたお父様とお母様のおかげよ?だから凄いのはお父様とお母様だわ」


アリシアは己の力を誇らず謙遜する。


誇れば油断が生まれ自分の命も大切な者の命も守れなくなる事を理解しているからだ。


「確かに君の両親は凄いけれどその教えを守り自分の力にして行っている君も凄いと思うけどな」


「ふふっありがと、褒めてくれて」


サーシェスに褒められたアリシアは嬉しそうに微笑む。


「時間があるならお茶をしたい所だけどこれから授業なんだ、だからこれで失礼するよ」


「うん、またねサーシェス」


アリシアは彼に手を振るとサーシェスから離れて行く。


サーシェスは金色の髪を揺らして歩く後ろ姿を暫く見送ってから授業に向かって行った。




〔サーストン家〕


転移してアリシアは家に帰って来た。


「お帰りなさいませお嬢様」


するとセバスチャンが出迎えてくれた。


「ただいま、お母様は?」


「お茶に出かけました、暫くしたら戻られるでしょう」


「分かった」


アリシアはセバスチャンとの話を終えると屋敷内を歩く。


「流石に今日は授業はないし何しよっか?、チェルシー」


「んー、鍛錬でもします?」


「今日は鍛錬でも戦うつもりはなくってよ?疲れてるのだわ」


「ならお昼寝でもします?」


「良いわね」


お昼寝をする事にしたアリシアはチェルシーと共に自室に行くと初めて見た時はデカい!と驚いたベッドに飛び込む。


とても良いクッションが使われているベッドは飛び込むだけでも眠気が来る。


「チェルシーも一緒に寝ましょ?」


アリシアはベッドをポンポンと叩きつつ一緒に寝ようと言う。


「ふふっはい」


チェルシーは言われた通りアリシアの隣に寝転ぶ。


「ふぁ…思ったより疲れてるみたいだわ」


あくびをするアリシア。


チェルシーは親友であり妹のようでもある少女の髪を撫でてやるするとアリシアは眠り始めた。


「お疲れ様です、お嬢様」


アリシアの寝姿を見ていると自分も眠くなって来たチェルシーはアリシアと共に夢の世界に旅立って行った。

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