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まだまだ全力ではなくてよ?

〔中級者ダンジョン〕


九歳になったばかりのアリシアが突然行方不明になった当時十一歳のチェルシーは行き先に思い当たるところがあったのでこの中級ダンジョンの奥まで一人で魔物を薙ぎ倒しながらやって来る。


「やっぱり…」


そこには剣を構えてダンジョンボスと向き合うご令嬢の姿。


振り返ってチェルシーに手を振った少女は魔物エルダーリッチに向き直ると左拳を突き出した。


「究極階梯魔法一章!グランシャリオ!」


星々が煌めき連続して何度も何度も爆発を引き起こす技グランシャリオが放たれた。


巻き込まれたエルダーリッチはひとたまりもなく消滅する。


「もう…行くなら私を連れて行ってください…」


微塵もご令嬢が怪我をすることは心配していないメイド。


何故ならとにかく強いからだ。


「まだまだ全力ではなくてよ?」


「分かっていますとも…」


今の攻撃アリシアが50%程の出力しか使っていないのはチェルシーは理解している。


「それじゃもっと強い敵…」


「帰りますよ!」


ただでさえ屋敷内が騒動になっているのだ。


連れて帰らなければ収まらないチェルシーは不満そうにしているこのご令嬢を背負うと屋敷に連れ帰るのであった。

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