二十一話、お茶会
〔王都グランセイス〕
レイリックにエスコートした貰いアリシアは部屋の中に戻って来た。
「どうだ?レイリック勉強になったか?」
「あぁ転生者とはどう言う者なのかよく分かったよ」
十二歳で自分と引き分けに持って行ける強さ。
レイリックは十六歳ながらに様々な魔物を倒しているこの世界の冒険者の中でもかなりの注目株であるが。
そんな彼に十二歳の時点でやり合えてしまうアリシアはやはり特別なのだ。
「お嬢様は確かに転生者ですが、努力をし続けたからこそこの強さに至れたと言うのを忘れないでください」
アリシアの頑張りをずっと見て来たチェルシーはアリシアが頑張ったからこそこの力を手に入れたのだと言う。
「分かってるさ、アレスが良く言ってるからな」
たまに酒を飲む仲であるアレスとアグリック。
アレスは酒の席で娘の成長や頑張りを自慢するためアグリックはアリシアの頑張りを知っているのだ。
「…」
アリシアはアグリックの言葉を聞いて頬を赤く染める。
自慢に思ってくれるのは嬉しいがそれを他人に自慢されるのは少し恥ずかしいのだ。
「あら、アリシアちゃんったら照れてるの?」
レナは頬を赤くしているアリシアを見て可愛らしいと思いクスクスと笑う。
「そりゃ嬉しい気持ちもあるけど恥ずかしい気持ちもあるわよ…」
自分の自慢をされると言うのはその二つの感情がどうしても生まれるものだ。
「父親ってのはそう言うもんだぜ?アリシアの嬢ちゃん、自慢したくなる気持ちは分かってやんな」
天塩にかけて育てている娘がどんどん才能を開花させて行くのだ。
父親としてはそれは嬉しい事で他の者にその頑張りを話したくなるものなのである。
「ええ」
アリシアはアレスの気持ちを分かってやれと言うアグリックの言葉を聞いて頷く。
「さて、そろそろお開きにしましょうか」
レナがお茶会を終わりにしようと提案した。
「そうだな、これで終わりにしよう、また来てくれ」
「ええまた来るわ」
アリシアは微笑みながらまた来ると言うと立ち上がる。
「玄関まで送ろう」
レイリックはアリシアに近付くと玄関までエスコートする。
「君と一緒に仕事をしたいと思ってるんだが良いかい?」
「良くってよ?いつにする?」
模擬戦だけではなく実際の戦闘を見る事でも互いに勉強になるはずだ。
そのためアリシアとしてはレイリックのこの提案を断る理由はない。
「明日はどうだい?」
「良いわよ、明日仲間を連れてギルドに集合ね?」
「決まりだ」
明日レイリックと仕事をする事を決めたアリシアはチェルシーと共にサーストン家に帰って行く。
「おう息子よ、惚れたか?」
「…彼女はまだ十二歳だぞ」
「今はな?ただあれは成長すれば間違いなく良い女になるぜ?」
アグリックはアリシアの母であるテレシアの若い頃の姿が今のアリシアにそっくりだった事を知っている。
だからこそこう言えるのだ。
「…今は特に言う事はないさ」
「今は、ねぇ…」
アグリックは女性に対して今まで特に何か言う事がなかった息子の反応を見て何かを確信したようでニヤリと笑う。
そんな父を見たレイリックは足早に自分の部屋に向かって行った。
〔サーストン家〕
屋敷に戻ったアリシアはお昼寝する!と部屋に行くなり寝た。
アリシアが寝た後部屋から出て来たチェルシーをアレスとテレシアが捕まえた。
「それでどうだった?」
アレスとしては娘の恋路は気になるためすぐに質問して来る。
「とても相性がよろしいのでは?と思いました、何よりも冒険者と言う事が」
同じ冒険者同士アリシアはかなり楽しそうにレイリックと話していた。
その様子を見ていたからこそチェルシーは相性が良いだろうと判断した。
「なるほど…」
テレシアは思う。
ギルドマスターの息子の奥さんになるルートもあるかもしれないなと。
どちらにせよアリシアが側にいて幸せに生きれる男性と結婚して欲しいという気持ちは変わらないが。
「後お嬢様って歳上が好みなんじゃないでしょうか、話しててそんな気配が」
「まー確かにそう言うところはあるかもねぇ?」
テレシアとしてもアリシアを育てていてそう言う気配はあるなと思っていたのであるかもしれないと答える。
「…なんにせよ俺が認めんと結婚はさせんぞ」
アレスは腕を組みつつ言う。
「そうは言ってもアリシアちゃんが好きで結婚したいと思った相手と結婚させてあげるのが一番幸せなのだから認めてあげなくてはいけなくてよ?分かってる?」
「分かっている、俺が言ってるのは政略結婚とかそう言うのは絶対に許さんと言う意味だ、アリシアが好きになって結婚したいと言う男との結婚を止めることなどないさ」
だからこそ王が持ち掛けてくる婚約はサーシェスに頑張ってもらってくださいと断り続けているのだ。
「あなたのそう言う考え本当に好きよ?」
テレシアはあったの考えを聞いて抱き着くと頬にキスをした。
「アリシアのためだからな」
「ふふっそうね」
チェルシーは思うアリシアは口振りからして前世は良い思い出がないようだったが今世はこの両親のおかげで本当に幸せに生きることが出来ているだろうと。
だからこそアリシアは他人のために動けるように心優しい少女に育ったのだろうと。
「今回はありがとうね?チェルシー」
「ふふっお嬢のためですから、それでは」
チェルシーは一礼するとアレスと照れてるのの元から離れて行く。
「俺も仕事に戻る」
「ええ」
アレスとテレシアも日常的にに戻って行った。




