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僻地に追放されたうつけ領主、鑑定スキルで最強の配下たちと共に超大国を創る  作者: 瀬戸夏樹


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第156話 竜騎士の実力

 ナイゼル公子ブラムは独自に情報収集しながらノアの動向を観察していた。


 新たな三人の新大公が現れて、今後彼らとの折衝が主要な外交テーマになることは把握していた。


 三人の新大公がいずれもノアのマギア征服を快く思っていないことも。


 マギアの問題を抱えながらどう対応していくのかとノアの動向を注意深く見ていたが、ノアがどうも魔法院による連邦制・連合制を採用しようとしていると分かり、いよいよナイゼルはアークロイとの結び付きを強くするしかないという結論に至った。


 ユーベルとアークロイに挟まれ、魔法院もノアの政策に靡いているとあれば、ブラムとしてはアークロイの家臣としての地位を確保しなければ生き残れない。


 ノアがフェルミナスとの結び付きを強めようとしているのは知っていたため、外交使節に紛れ込むことを志願した。


「フェルミナスでは竜騎士が運用されていると聞いております。幻獣の運用に知見のあるナイゼルならお役に立てるかと思います」


 そう言って、ブラムは外交使節団にお忍びで加わることをノアに希望した。


 こうしてノアの外交方針を探りながら、マギアの新しい政権内で上手く強国の立場をキープする腹積りである。


 ノアはブラムの同行を許可した。




 ♦︎




「ご覧ください。これがフェルミナスの竜騎士の訓練ですよ」


 ブラムは会食に付き合いながらフェルミナス大公をつぶさに観察していた。


 なるほど。


 流石に勢いがある国のリーダーだけあって、活力とバイタリティを感じさせる。


 頭の回転も速く受け答えも明瞭。


 総じて優秀で機運に乗っている人物が持っているものを全て持っているといった印象だった。


 ただ、ノアのような底知れない不気味さまでは感じなかった。


 ブラムは少しホッとした。


 世の成り上がり者が全てノアのような感じだとどうしようと思っていたのだ。


 演習場に連れられたドロシー一行は観覧席で竜騎士達の見事な飛行能力、翼竜の操縦能力を目の当たりにする。


 竜騎士達は翼竜の手綱を引き、高い塔の上にある灯火台に火の息を吐きかけ上手く火を付けている。


 これにはドロシーもブラムも歓声を上げずにはいられなかった。


 この飛行能力があれば櫓を組む必要もないし、並の守り手では下からの梯子と上空からの竜騎士の攻撃を同時に捌くことは難しいだろう。


(案外、気前よく見せてくれるな)


 ブラムとドロシーは近くにいる案内者とフェルミナス大公にしきりに竜騎士のことについて質問した。


 彼らは竜騎士の強さと威力、勇敢さ、優秀さについては大袈裟に誇示して宣伝したが、流石に配備や運用に関する軍事機密については教えてくれなかった。


 尋ねると、モゴモゴと奥歯に物が挟まったような言い方で曖昧な答弁に終始する。


 その後、ドロシーとブラムは竜の厩舎にも訪れた。


 ドロシーは竜とコミュニケーションを図って、機密情報を盗もうと試みたが、竜達は口を割らなかった。


「もっと美味い餌が欲しくないか?」と尋ねても、竜達はプイッとそっぽを向く。


 ブラムもケルピーに接する要領で竜達を手懐けてみようと思ったが、上手く靡いてくれない。


 なかなかよく躾けられているようだった。


 竜達の忠誠心は非常に高く、よく乗り手と心を通わせているようだった。


 ただ、二人の竜に対しても物怖じせず接する様子は、フェルミナスの家来達を驚かせた。


「流石は魔法文明圏の者達だ」としきりに感心する。フェルミナス大公との同盟は予想通りすんなりいきそうだった。


 魔石の取引や港への寄港の保証、海洋航行の自由と勢力均衡に関する見解の一致、大使館の設置など首尾よく取り決めが結ばれた。


 確かな成果をもってドロシーとブラム、ノルン艦隊は一旦マギア地方へと帰った。


 マギア地方に帰ったドロシーの次の狙いはセイレーン海洋帝国とザールグラード大陸帝国との同盟締結だった。

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本屋さんに並べられているうちにぜひ。

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