雨によろこぶアマガエル
けこけこ
げこげこ
けっこげこ
けこけこ、げこげこ。
梅雨時期前。
2匹のカエルが蓮の葉の上で日向ぼっこ中。
「はぁ、早く梅雨にはいらないかなぁ」
「そうだなぁ、人はジメジメが嫌だとか言うが、カエルとしては生きがいだよなぁ」
「そうだよぅ!まぁつまらないから、歌でも歌おう」
「歌?」
「そう、歌!かーえーるーのがっこうはー♪」
「それ、メダカな」
「じゃあ、おーたーまーのじゃくしはー♪」
「学校ですらないのか」
「あ、間違えた。おーたーまーのがっこうはー♪」
「…おたまって…何?おれがつっこんだから無理に変えたろ」
「…ちっ」
「舌打ちできないから声に出すなや」
「でさ、この歌カエルにあってたらカエルになったのかな?」
「多分な」
「そっかー。カエル大好き促進ソングとして売り出せばいいのにねー」
「んなもんカエルができるわけないだろうが」
「できるよー」
「どうやって?教えろ」
「ぱっ、ってやってしゅばってやれば!」
「とりあえず意味わからん」
「えーわかんないのー?ばかだなー」
「俺はお前よりは頭がいいと思ってますが」
「えーまっさかぁ」
「……(いらっ)」
そんな他愛の話をしていると、ぽつりぽつりと冷たい水が頭におりてきた。
「あ、雨だー!雨だよね雨だね!」
「そうだな、雨だな」
「ぅわーい、雨だぁ!!」
近くにあった蓮の葉の上をぴょこぴょこと跳ねる。
右や左に行ったり来たり。上下にも跳ねる。
それを見ていた片方は。
「雨に喜ぶあまがえる、だな。まぁ俺たちはアマガエル科のカエルじゃなくて、アオガエル科のカエルだけど。でもまぁ、性格と頭だけは、カエルになってもおたまじゃくしのままだなぁ、あいつは」
終
あめ、あめ、ふれふれ!