表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】案内ギルドの新人さん~時の聖女と世界の秘密~【130万PV感謝!】  作者: ひろしたよだか


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/157

【一の扉⑤】005)満点の星空と星読みの少年


 無限回廊挑戦に必要な、備品の買い物から帰ってきた夜のこと。


 レデルとニーア、シグルと、もふもふ耳のフィルさん、それにもふもふ尻尾のノンノンの5人で夕食を囲んだ。フィルさんの膝の上には胴の長い可愛い生き物、ハルウが丸くなっている。


 ウェザーの机ではフクロウのセルジュさんが食事をついばんでいた。


「あの、フィルさん。このギルドってここにいる人たちで全員なのですか?」ニーアが聞くとフィルさんは微笑んで首をふる。


「いいえ。今、何人かは無限回廊の案内中よ。依頼人もベテランだったから、経験を積むのにちょうどいいって。ウェザーや私たちはお留守番」


「、、、ってことは、残った方が実力がある奴ってことか?」シグルが聞くと、ノンノンが「俺はでけるやつだぞ」と言う。


 ノンノンは少し言葉がおぼつかないけれど、シグルとは何か通ずるものがあったみたいで、仲良く並んで夕食をがっついていた。


「そうとも限らないけど、ウェザーがあのメンバーで大丈夫って言ったから、ね」


「あの、ウェザーさん?、、、って、見た所私とそんなに年も変わらないと言うか、私よりも年下に見えるのですが、そんなにすごいのですか?」レデルがちょっと心配そうにニーアを見る。自分は残ってニーアは異世界へゆくのだ。ウェザーの実力が心配なのだろう。


「、、、少なくとも、ウェザーは星読みに関しては超一流ね。探索の方は、、、、うーん」フィルさんが少し不安な反応を示し、ニーアがすかさず話題を変える。


「その、星読みってなんなんですか?」


「無限回廊にはたくさんの扉があるのは知っているのよね? その扉が毎回同じところに繋がっていない。ここまでは大丈夫?」


「はい」


「そして扉は、奥に行けば行くほど危険度が上がると言われているの」


「言われている?」


「ええ、必ずしも当てはまらないのよね。一番手前の扉からとんでもない場所に飛ばされることだって、ないわけではないのよ。冒険者や案内人たちが何度も何度も探索に向かい、たくさんの犠牲を出しながら傾向を探って来たの。この情報は案内ギルドが大切に守っているわ。だから今も案内人には帰還後に案内ギルド連合に探索報告義務があるの。案内人が無限回廊には絶体に欠かせないって言われる理由の一つね」


「だから、案内人ギルドって大通りにあんなに沢山あったんですね」


「そう。ノウハウと探索のプロフェッショナルが案内人。冒険と戦闘のプロフェッショナルは冒険者。そうして扉から繋がる世界の傾向を探っている過程で、段々星の動きとの関係が取りざたされてきたの」


「星の、、、なんで星と?」


「さあ? 詳しいことは分かってないわ。ただ、星の動きと扉から繋がる世界に、少なからず連動している部分があるのは間違いないみたい。ウェザーはその星読みが上手。確か、目当ての植物、セレイアだったかしら? それを見つけられる確率は3回に1回って言ってたわよね。でも、ウェザーは実際にはほとんど外さない。逆に普通の案内人なら5回に1回ってところかしら」


「そんなに違うんですか?」


「びっくりするくらいね」


「そんな凄腕なのに、なんでこんな隅にいるんだ?」ノンノンと最後の肉を奪い合っていたシグルが、単刀直入に聞く。


 そんなシグルの言葉には「まぁ、色々あるのよ。例えば私達のような者を雇っている所とか、ね」


 その様に言われれば、シグルも「ふうん」としか返しようがない。こうして夕食が終わると、ニーアは夜起きるために、早めにベッドに転がり込んだ。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 深夜、目覚めたニーアはごそりとベッドを這い出た。好意で泊めてもらっているため、レデルもシグルも同じ部屋でいいと言ったが、部屋は余っていると一人一部屋充てがわれていた。


 物音を立てない様にドアを開け、隣の部屋のレデルを起こすべきか少し悩む。今日は買い物で1日歩き回ったし、叩き起こすのもどうかと思い、やめた。


 「確か、、、コッチだったよね」


 フィルに教えられた屋上への通路を手探りで進むと、足元に何か柔らかいもの触れた! 思わず声をあげそうになり、口に手を当てる。

 

「もう、ハルウ。驚かさないで」


 ニーアの足元にじゃれる様に纏わりつくハルウ。囁く様に言って持ち上げようとするとするりと手を抜けて先へ進む。まるで案内をしてくれているみたいだ。ニーアはそろそろとハルウのあとをついて行く。


 少しギシギシと鳴る階段を上がって外に出ると、空には満天の星。星。星。思わず「わあぁ」と声が漏れた。


「誰だい?」


 ついつい見入ってしまった星空よりも、ずっと足元から声がして、ニーアは慌てて「邪魔してごめんなさい」と謝りながらウェザーの姿を探す。ウェザーはすぐそばで腰をおろして空を見ていた。


「ニーアです。フィアさんが見ても邪魔にならないって言うから、、、、」


「まぁ、好きにするといいよ」ウェザーはその様に言いながらも、空から目を離すことはない。


 ニーアがウェザーのそばに腰を下ろすと、ハルウが駆け寄って来て膝に乗った。そんなハルウを少し撫でてあげてから


「喋りかけても大丈夫?」とウェザーに聞く


「うん。話半分で良ければ」


「フィアさんに聞いたの。ウェザーは星読みの達人だって。こうして星を見て、扉の先を読むって」


「まぁね。達人ではないけど、、、」


「星を見て何がわかるの?」


「うーん。なんて言うか、説明は難しいな、、、」


「そう。セレイアのある世界は見つかりそう?」


「どうかな。簡単に見つかったら苦労しないさ。ただ、君たちには全く運がないわけではなさそうだ。しばらくはこんな晴れた空が続く。星の動きも読みやすくなる」


「その、、、運が悪いってやめてもらえない? 私、これでも結構運がいいと思っているんだけど?」


「運のいい人間はこんなところに流れ着いてこないよ」と返されれば、ニーアも「むう」と口をつぐむしかない。


 夜でも暖かい季節。


 空を眺めながらニーアが眠ってしまってからも、ウェザーは黙って星を眺め続けた。



今年もひろしたの作品をたくさん読んでいただきありがとうございました。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] どうも! ツイッターからやって来ました。 読みやすい文章なんで一気に読んじゃいました。 キャラも個性的で設定もしっかりしてると思います。 無限回廊という概念も面白いですね。 面白かったので…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ