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【完結】案内ギルドの新人さん~時の聖女と世界の秘密~【130万PV感謝!】  作者: ひろしたよだか


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【五の扉⑤】056)正座する。


「それで、どうしてこうなったの?」


 今、(ニーア)と、私と一緒にギルドまでやってきたノリウスさんは、事務所で正座して項垂れている。


 「そのう、、、」


 ロデオルがフィルさんに対して暴言を吐いた瞬間、私はキレた。


 横にいたノリウスさんが私の手をとって止めたから、物理的な暴力に出ることはなかったけれど、ロデウスにまぁまぁの暴言を吐いた。それからは売り言葉に買い言葉。


 最終的に


「貴様のようなチンチクリンがなんの役に立つというのだ!」


「はっ、あなたの10倍は役に立ちますよ!」


「ならば証明して見せろ! できたら裸で街を回りながら謝ってやるわ!」


「その言葉覚えておきなさいよ! 無限回廊から帰ったら裸で逆立ちしながら「ごめんなさ〜い」って言っているところを、階段から突き落としてやるんだから!」


「なっ! そこまでは言っておらぬ! それでは死ぬではないか!」


「約束したわよ!!」


 と、ノリウスさんに引っ張られて教会から引き離されながら、捨て台詞のように吐いた言葉を最後に、その場を後にしたのである。



「、、、、という顛末です。はい。」


 ギルドまで戻ってくるまでに冷静になって考えたら、結構とんでもないことをしてしまった気がしてきた。


 ウェザーでも難色を示すホルプルスと対峙するのだ。自分で言うのもなんだが、私が足手まといなのは間違いない。


 私にできるのはせいぜい、瞬間移動でなるべく遠くに逃げることくらいだ。


「はぁ〜」とウェザーが深いため息をつく。


 その横で「ニーアがチンチクリンって言われてキレて怒られてる〜」と、レジーがからかい、フィルさんが「こら、レジーちゃん、ニーアちゃんは私のために怒ってくれたのよ」と嗜めている。


 正直、チンチクリンと言われたことにも腹を立てていたので、どちらの言い分も正しく、私には否定の言葉がない。


「それで、ノリウス」


「はいっ!」


 ウェザーに話を振られて、とてもいい返事で背をピンと伸ばすノリウスさん。


「教会としてはどうするつもりかな?」


「いやぁ、教会の建物内ならともかく、入り口で喧々囂々だったのです。朝だったので出発前のパーティや、見送りの観光客も多くいましてですね、、、なかったことにするのは難しいので、、、あのな、ほんっと〜に申し訳ない! あの馬鹿司祭があんなことを言い出すとは思ってもなかった。ニーアちゃんが怒るのも最もだ。すまないとしか言いようがない」


 そのように言うと、正座したまま床に両手とおでこをつける。なんかすごく謝っている姿勢に見える。


「ノリウスの安い謝罪はいらない。教会としてどうするか聞きたいんだ」


 容赦ないウェザーの言葉に、結構怒っているのがわかって私も再びいずまいを正す。


「、、、これ以上は流石に一教会の手に余る。本部に報告するよ」


 覚悟を決めたようにウェザーをまっすぐに見つめるノリウスさん。


「ま、そうするしかないよね。でも、ホルプルスの出る扉は、明日を逃せばまたしばらく先になる。どうするんだい?」


「ウェザー達が帰ってくるまでになんとかするように尽力する。すまないが、予定通り出発してくれないか」と言ったノリウスさん。


 突然くるりと私に向き直ると、「ニーアちゃん、繰り返しになるけれど、君が怒るのももっともだと思う。あの馬鹿にはしっかりと処罰が及ぶようにするから、ウェザーに同行してくれないか? 打算的な話だけど、そうしてくれれば、俺が動きやすいんだ」


 私としては、少なからず自分のせいでもあるので、パーティに参加することに不満はないのけど、ウェザーやトッポさん、ノンノンの負担を考えると二の足を踏んでしまう。


 ちらりとウェザーの顔を伺うと、ウェザーが再びため息をついた。


「ニーア、幸いにも君は逃げるだけなら多分うちのギルドで一番かもしれない」


 そんな言葉にレジーが「私の方が上だよ!」と抗議するも、放っておいて言葉を続ける。


「だから、パーティに同行するなら、僕は止めない。だけど、今回は今までよりもずっと危険で、覚悟のいる挑戦になると思う。それでも、、、行くかい?」


 ウェザーの言葉に、私は深く頷いた。


「ロデオルを裸で逆立ちさせながら、ごめんなさいって言わせて、大階段から突き落とすんだから!」というと、「それはロデオル、死ぬんじゃないかな?」とウェザーが少し笑った。



 ノリウスさんが帰った後、


「あの、ごめんね。ウェザー」


 私は改めてウェザーに謝る。どう考えても私の暴走で迷惑をかけた。でも謝る私に、ウェザーは


「ニーアはさ、、いつも予想外というか、僕の方こそ、君に言った言葉を謝らなければいけないのかもしれない」と返す。


「謝らないといけない?」私には全く心当たりがない。


「君に運がないと言ったことをさ」


「、、、確かに最初の頃にそんなこと言われたような?」


「全く参ったよ。君が来てから、ずっと停滞していたものが動き始めた気がする」


「そうなの?」


「ああ。今回もそうさ。君とロデオルがやりあってくれたおかげで、うまくすれば教会本部に貸しが作れそうだ。ただ、本当に良かったのかい? 今回は本当に危ないのだけど?」


「それは自分できめたことだから構わないけれど、、一つだけ、聞いてもいい?」


「何を?」


「ウェザーの目的って、なんなの?」


 単刀直入に聞いた私に、ウェザーは「ニーアらしい聞き方だね」と愉快そうに言いながら、


「でも、まだ教えられない。時が来たら、きっと話すよ」とはぐらかす。


「、、、じゃあ私、お金返してもウェザーが教えてくれるまでギルドに居座るからね!」と伝えると、ウェザーは静かに微笑んだ。




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