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【完結】案内ギルドの新人さん~時の聖女と世界の秘密~【130万PV感謝!】  作者: ひろしたよだか


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【四の扉⑧】045)ポルク


 カイン達の姿が完全に消えた後、ポルクが改めて私たちに頭を下げてきた。


「本当にすみませんでした。それから、助けていただいてありがとうございました」


「気にしなくていいよ。それより、あのバカのギルドを壊滅させるから手伝って欲しい」


 ウェザーにそのように言われて、ポルクは「壊滅、、、ですか?」と目を丸くする。


 ポルクと荷物持ち(ポーター)のラザは、今回の勝負のことは何も知らされていなかった。カインからは「宝を見つける情報を出せたら倍の料金を出す。ただし失敗したらタダ働きだ」とだけ言われて連れてこられたらしい。


「仕事は選ばないと、、、」


 ウェザーの言葉に、ポルクは「仕事がなかったもので」と申し訳なさそうに返す。ポルクとラザは元々、学者として名を成すことを目的としてブレンザッドの街にやってきた。そして夢破れた典型的な例だ。


 しかし諦めきれなかったポルクは、どうにかして定期的に無限回廊に挑戦できる方法はないかと模索する。しかし戦う力は皆無だったポルクたちに、冒険者ギルドに所属するという選択肢はなく、自分達でもなんとかなりそうな案内人を選んだのだそうだ。


「ちょっと待った。どこの案内ギルドに所属しているんだい?」


「ロビーさんのお店です」


「え? ロビー帰ってきているのかい?」


「いえ、ずっとギルドに誰もいないのはまずいから、留守番代わりにと、ジーノさんという人に命令されて、、、それで、僕らが留守番していたらカインさん、、いえ、カインが、、」


 あー、とウェザーが額に手を当てる。隣で聞いている私でも無茶苦茶な話だと思うけれど、あのジーノさんならやりかねない。けれど、ウェザーはため息を止めて、首を傾げる。


「あれ? じゃあベティオルズのことはどうやって知ったの?」


「僕にとってあの大図書館は何にも変え難い宝です。お金が入ったときは、全部大図書館の閲覧料にして通い詰めていました」


「、、、なるほど。悪くないね。まずは情報を擦り合わせたい。ポルク、ベティオルズに関して君が知っていることを教えてくれるかい?」


 先ほどまで少し難しそうな顔をしていたウェザーは、ほんの少しニヤリとした。



「それじゃあまず、ポルクたちが通ってきたルートを教えてほしい。それから道中で気になったことがあれば、なんでも聞きたい」


「そう、ですね。。。と言っても、大した話はできません。ただ、多分ですが僕が歩いて来たのはベティオルズの物語中にあって、大滝に向かうルートに近いものだと思います。半信半疑でしたが、読んだ物語になるべく沿ってきたらここに着きましたので」


「記録のルートに近いかぁ、、、確か、記録通りなら大滝までは取り立てて大きな問題もなかったはずだね」


「はい。平穏なものでした。ベティオルズさん達は大滝に来るまでに、多くの滝を調べながら数日かけたものでしたが、僕らはカインがせっつくので、あまり寄り道せずに来ましたが」


「うーん。とりあえず道中には期待できないか。元々ベティオルズ達はお宝目当てで来たわけじゃないから、仕方がないと言えば仕方がないのだけど、、、」


「え? 宝を探しに来たんじゃないなら、なんのために?」私が思わず口を挟むと、


「うん。ベティオルズに依頼したのは”流浪の学術集団”で知られる、ロブロッソの一団だったんだよ」


「ロブロッソ?」


「知らない? 無限回廊に限らず、世界各地を放浪する学者集団。様々な専門家を抱えて、たくさんの発見をするからどの国に行っても歓迎されるくらい有名だけど」


 知らない。私だけかと思って周囲を見渡すと、ポルク君以外はキョトンとしているので、そんなに有名じゃないと思う。ポルク君はキョトンというか、なんかびっくりしてる。


「えーっと、確かベティオルズに来た時のリーダー格はゾフィって言ったっけ? 有名な生物学の学者だよ。それからコーンズって、、、」


「ちょっ! ちょっと待ってください!」


 ウェザーの説明に被せるように、ポルクが叫ぶ。


「あの! ゾフィ博士にコーンズ博士!? あの有名な!? え!? ベティオルズさんの物語にはそんなの全く載っていませんでしたよ!? そんな情報、どこから!?」


 随分と興奮しているポルク君に、ウェザーは「ああ、そうか」と独り合点する。


「ポルクはちゃんとした報告書の方は見ていないのかい?」


「ちゃんとした報告書、ですか?」


「そうだよ。ベティオルズは風景に感動して、一大旅行記のような物を書いて大図書館に寄贈したけれど、それとは別に案内人の仕事として、参加者や行程なんかを業務的に羅列したものも提出しているんだ。こっちは本当にただの記録だから、見たことなくても仕方ないかもね。それで、その博士達がどうしたんだい?」


「あ! そうだでした! ゾフィ博士とコーンズ博士は、お二人とも多大な功績を残した偉大な先人ですが、後年は仲が悪くて有名だったんです」


「学者なんて変わり者が多いから珍しくないんじゃないの?」


「いえ、説明が足りませんでした。ゾフィ博士とコーンズ博士は元々大変仲が良く、ゾフィ博士の妹さんはコーンズ博士に嫁いでいます。そんな2人がある日を境に突然一切の交流を断絶した話は、学者仲間の中では有名です」


「へえ」


「2人は最期までその理由を明かさなかったのですが、晩年、コーンズ博士がある論文を発表したときに、コーンズ博士の奥様にゾフィ博士が「執念深い」と吐き捨てたそうです」


「執念深い、ねぇ。どんな論文だったの?」


「”ビード鉱石”の加工と希少性、です」


「ビード鉱石!?」今度はウェザーが驚く番。話に水を差して申し訳ないけれど、私はおずおずと


「ビード鉱石ってなんですか?」と聞く。


「普段はヒモのように柔らかく、力を加えると恐ろしく硬くなる、極めて不思議な鉱石です。現在に至るまでほとんど出回っていない幻の鉱石ですよ」


「へえ〜、不思議。ごめんね、話の腰を折って」


「いえ、それでですね。僕は異世界の素材学者になりたくてブレンザッドまできたので、以前にコーンズ博士の論文も拝見したのです。その中に、場所は明記されてはいませんでしたがビード鉱石の産出例として書かれていたのが、、、、」



ポルクはそこで一度勿体ぶってから



「大量の水が穿った穴の壁面とあったんです!」



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