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プロローグ
新作です! 前作からの方はまたよろしくお願いいたします。初めての方は初めまして! 気楽に読んでいただければ嬉しいです。どうぞお楽しみくださいませ!
ひたすら奥へと続いてゆく真っ白な通路。両側に並ぶ無数の扉。この場所にあるのは、それだけ。
扉の先はこの世界ではない、どこかに。つまり異世界に通じている。同じ扉に入っても、行ける場所は同じとは限らない。
ある者が両手いっぱいの財宝を手にした扉が、次の時には大海原に投げ出され、そのまま冒険者が消えるなんてことはよくあること。
危険なことは広く知られている。それでも皆、金や栄誉を求めて、今日も天国と地獄の境目の扉に手をかける。
人はこの通路を、崇拝と畏怖を込めて『無限回廊』と呼ぶ。