顔合わせ
今日はもう2回も気絶させてしまってるし、色々あったので明日から行うことにする。
リンカから結婚する訳だから、魔王城の関係者とは顔見知りになっておいた方がいいと言われ、今はサロンで主要な人物と顔合わせをしている。
事前に俺がここに来るまでの経緯は伝わってるようで、
「よく頑張った。」
「俺たちの仲間にようこそ。」
「歓迎する。」
「分からないことがあったらなんでも聞いてくれよ!」
っと皆温かく迎え入れてくれた。
「サガワです。」
「アガサです。」
おっ、気が合いそうなサガワ左大臣とアガサ右大臣じゃないか!
サガワ左大臣は、俺とその横に座るユニを見てしみじみと言った。
「百合...良いものですなぁ...」
「だから、この法案通して良かったでしょう?」
「アガサ氏の仰る通りでしたな。」
「私も百合てぇてぇ分かるよ!この文化を一緒に推し進めていこう!」
俺も思わず話に乗る。
すると、サガワとアガサは同士を見つけた!っと目をキラキラさせた。
「おぉ!ヒマリア様もこちら側でしたか!このアガサ感動です!」
「ヒマリア様...魔王様との百合てぇてぇを魔王国中の人々に見せつけるのです!さすれば国中に同士が増えることでしょう!このサガワ、全力で協力します!」
俺たちは強く握手をして友情を深めあった。
「...ヒマリア...何してるのバカなのか...」
ヒマリア、サガワ、アガサで百合てぇてぇ同盟を組んでいると、呆れ顔でリンカが現れた。
将軍のような服に身を包んでいて、同じ格好の人がリンカを含めて4人...リンカはもしかして将軍だった?
「何驚いてるのか何となく予想が出来るけど...私それなりの地位なんだよ?」
将軍でそれなりの地位なのか...他の3人含めて四天将軍とかいう、厨二病な称号を持ってるらしい。
なんでも俺の護衛用として、俺専用の騎士団を1つ編成中らしい...俺にそれは勿体なくない?
え?...女の子だけで構成する予定?.........あ...欲しいです...
他にもメイド長やら執事筆頭やら、料理長やらと顔合わせをした。
メイド長からは専属メイドを数名派遣してくれることになり、料理長からは苦手な食べ物がないか聞かれた。
この世界の食べ物何も知らないんで、苦手なものとか言われても...
だからといって、この国の食文化とか言って虫とか出されても困るけど...まぁ、苦手だと思った食べ物はメイドを通して随時連絡すると言っておいた。
こうして大体の人と顔合わせが終わった頃...
サロンの扉が勢いよく開かれた。
「おねー様!......うそっ...ほんとに顔合わせしてる...結婚ってほんとだったんだ...」
中の様子を見て顔を真っ青する少女...
彼女が、ユニの妹メアなのだろう。
ユニによく似ていて可愛らしい。
メアの登場で静まり返ったサロンに、メアの必死の声が響く。
「おっ...おねー様を奪った男はどいつ!」
それに反応したのはユニだった。
「えと...メア?おねーちゃんは男となんて結婚しないよ?女の子のヒマリアと結婚するの。」
その言葉にメアは、ユニの隣に座る俺に視線を向ける。
...とりあえず微笑んでおいた。
「えと...ヒマリアだよ。よろしくね...?」
...きゅん......
ん?なんか今ときめいたみたいな音聞こえなような?
「ぁ...ぁわ...ぇぁ...ちょま...やばぃ...めっちゃかわいい...」
「えっ...?大丈夫?」
「えっ!!はっ...はひ!だいひょうぶ...です...」
...うん。この流れユニでやったな。反応一致ってさすが姉妹。
「おねー様...どっからこんな可愛い子捕まえてきたの?」
真っ赤にした顔で、チラッチラッと俺を見ながらメアは聞く。
「色々あってねー。ドキドキしちゃうイタズラをしてくることはあるけど、いい人だよー。」
「ドキドキしちゃうイタズラ...?」
「不意打ちでキスしてきたり...ほっぺたつっついてきたり...」
「...ラブラブじゃん!爆発しろ!...はー、いいなー。メアも可愛い子と結婚したいー。」
メア...君も百合なんだね。
だから女の子同士の結婚なら許してくれるんだね。