ユニに耐性をつけようキャンペーン
「ほいこれ...」
そう言ってリンカが、机の上に1枚の紙を置いた。
「結婚手続き書?」
「そっ...魔王様の名前はこっち、ヒマリアはこっち。ちゃっちゃと書いて提出してね。」
言われた通りに、ユニと共に名前を書き込み、朱肉に指を付けて指の印を押す。
「よし、妹様、役人、使用人...ユニと関係の深い人達にはもう話を通してあるからね。」
その言葉にユニは疑問をもったのか、おかしいなぁ...っと小さく呟いた。
「メア...ほんとにおっけーしてくれたの?」
「妹様はね、魔王様が結婚するよって伝えた時...
えー!おねー様が結婚!まっさかー!ほんとにそうなら祝ってあげるよ?そんなことないと思うけど。
って言ってたよ。多分信じてなくて適当におっけーしたんだろうね。まっ、言質はとったってことで。」
...それでいいのか.....
呆れ顔をしながら、ユニを見ると
「えと...メアは、私の妹なんだけどね?...ちょっとシスコンで...ヒマリアの事どう思うかちょっと分かんないんだよね。」
「え...それ大丈夫なの?私、夜中に後ろから刺されたりしない?」
ユニは少し考える素振りを見せる。
「大丈夫だと思う。メアは約束は絶対守る子だから...リンカが言質とってるからね。」
「んーちょっと不安だけど信じるよ...」
ユニがそう言うならメアの件は信じることにする。
ただ、さっきからずっと気になっていることは1度も親の話にならない事だ。
これだけ話に上がらないとなると...もしかしたらの可能性もある。下手に聞づらい。
っと思考しているといつの間にか結婚式の話になっていた。
リンカは資料を出した。
「式は1週間後ね。式場やパレードなどで何度か誓のキスをしてもらう場面が出てくるから...魔王様?それまでに慣れておいてね?」
「ふぇ!?1週間後!?早くない!?」
「アガサ右大臣とサガワ左大臣が乗り気で...アガサ右大臣曰く、何でも早く『キマシタワー』なるものを早く建てて欲しいとか。」
...アガサ右大臣......なんでその言葉知ってるんだよ......いやこの世界にもそういう文化があるのか?
「うぅ...アガサのあほぉ...同性婚の法律の時はめっちゃ手伝ってくれたのにぃ...裏切り者ぉー...」
ユニは頭を抱えて項垂れた。
...アガサ右大臣が同性婚の法律手伝ってくれたのって欲望ダダ漏れだっただけじゃ......
ただ、アガサ右大臣とサガワ左大臣とはめっちゃ気が合いそうだ。
「サガワはなんで...?あの人は同性婚の法律の時は反対派だったよね?」
「サガワ左大臣は、アガサ右大臣から百合の素晴らしさなるものを説かれ、百合に目覚めた...と言ってたね。
魔王様がこの人と結婚したいって言ってるよって言いながらヒマリアの写真を見せたら、感動したような顔で...ヒマユニ...てぇてぇ...っと言ってたよ。」
サガワ左大臣...この国の大臣にまともな人は居ないのか...
てか、俺が攻めなのか...いやサキュバススキルの力で確かにそうなんだけどさ。
「うぅ...サガワも裏切り者ぉー...」
「まっ、そうゆーことなんでヒマリア、魔王様を気絶させない程度にならドキドキさせてもいいよ。」
「えっいいの!」
リンカは1つウインクをする。
「荒治療ってやつだよ。このままだと間に合わないからね。」
へー...いいんだぁ...
頭の中を色々なプランが過ぎってゆく...
「ふへへ...へ...」
「やばい、ヒマリアの変なスイッチ押したかも...」
「気絶させないように色々するから...協力お願いね?」
こうして、ユニに耐性をつけようキャンペーンが幕を開けた。