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封病魔法

次の日...


それはお昼寝をしていた時だった。


廊下が急に慌ただしくなったので気になって目が覚めてしまった。


何があったのかと思い...ユニの部屋から出て廊下にいたメイドに話を聞くと...


「遊びに来ていたアメジスト様が腹痛を訴えて倒れてしまったんです...って言っても今までも何度も起こってるんですけどね。」


...腹痛で何度も倒れるって何があったらそうなるの?


疑問に思いながらも心配なのでアメジストが運び込まれた部屋に案内してもらう。


その部屋では複数人の治療師が必死な顔で魔法をアメジストにかけていた。


その傍では心配そうにアメジストの手を握るユニもいる。


「腹痛で倒れたって聞いたけど...」


痛みで苦しむアメジストはもちろん答えられない。その代わりにユニが答えてくれた。


「うん。アメジストは大体1ヶ月に一回はこうなっちゃうの...」


「...1ヶ月に一回?」


「うん。私達は死神の呼び声って呼んでる病気なの。」


ユニの説明を聞くと...死神の呼び声とは、急にお腹のみぞおち辺りに激痛が走り、その痛みが右下腹部に移動していく病気で、それ以外にも発熱や嘔吐といった症状も発生するらしい。


なんでもこの病気になると治癒士の全力での封病魔法を受けないとしばらくすると死に至るまであるとか...


封病魔法とは、病気の進行を一時的に遅らせる魔法のことで...病気の重さによって1回の魔法で遅らせられる期間の長さと魔法が使える回数が決まっている。


...つまり不治の病にかかってしまった時に少しでも長く生きようとするために使う魔法だね。


あと、封病魔法には副作用もある。...成長の逆行だね...うん。アメジストの姿...心当たりあるもんね。


少しでも長く生きようとしたアメジストの姿に対して私は可愛いやら舌足らずやら色々心の中で失礼なことを考えしまってたわけだよね...ほんとにごめんね...


アメジストは何度も封病魔法を使っており、今回の封病魔法が最後になるという...


つまり余命1ヶ月を宣告されたようなものだよね...昨日は全然そんな素振りも見せなかったのに...


でも...あぁ...うん。なんかこの病気知ってるかも...。不治の病じゃないよねこれ?


転移する前にお父さんもこの病気になったんだよね。その時と症状がよく似てるんだよ。


え?なんの病気かって?


...急性虫垂炎...盲腸じゃない?


お父さんが病院で手術を受けるときに、医者が急性虫垂炎は放置すると破裂してほかの病気を併発させるといっていた...そして、その併発される病気には死に至る病気もあるとか...


まぁ、希望を持たせて間違っていても悪いし...医学の知識なんてほとんどない私の診断なんで当てにならないのでスキルに頼ることにする。


っというのも...


・さんしゃいん♪


〈華舞の蝶〉lv.4

〈武極の龍〉lv.2

〈暁の狂狼〉lv.3

〈癒の妖精〉lv.2


これ今ある戦闘スタイルなんだけどね。


回復系も欲しいなって思ってたら癒の妖精っていうスタイルが作れたんだよね。


それのおかげで癒の妖精なら、患者鑑定という病気を調べるスキルが使える。


「ヒマリア?急にどうしたの...?」


突然、私の見た目が看護師の格好に変わったことにユニが驚く。


...癒の妖精で看護師ってそういうことなのかな?


って今はアメジストの事だよね。


「患者鑑定...やっぱり急性虫垂炎だ...」


やっぱり私の予想はあっていた。

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