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ユリシャイン

 おぉ...!この人たちが私を護衛してくれる騎士団...!みんな可愛いじゃん!...服装バラバラなのは気になるけど...


「彼女らが様々な騎士団から選ばれた子達ね。これからヒマリアの護衛として共通の鎧や紋章を決めていく。」


 あっ...なるほどだから服装が別々なのね。


「紋章や鎧のデザインはヒマリアが決めるといいよ。」


「あっいいの?」


「ヒマリアの騎士団なんだからヒマリアが決めるのがスジだよ。」


 そう言われてもそう簡単に思い浮かんだりしない。


 ただまぁぶっちゃけた話、いくら護衛だからと言っても四六時中鎧に付きまとわれるのは女の子でも暑苦しいんだよね...


「んー...みんなはどんなことが得意なの?」


 1番近くにいた女の子が答えてくれた。


「得意なのは、体術や短剣術、密偵、後は、私達はメイドをしていた時にスカウトされて前の騎士団に入ったのでお世話なんかも出来ます。」


 ...忍者かな?


 てかどんなメイドなら騎士団にスカウトされるわけ?


 そんな疑問をリンカが答えてくれた。


「種族でスカウトされたんだよ。彼女らの種族はメイドより、戦う方が得意な種族だったからね。」


「なるほど...じゃ、鎧はメイド服で!」


「はぁ?」


 リンカから何言ってんだこいつみたいな目で見られ、騎士団の女の子たちは頭の中にハテナが浮かんでいる顔をした。


「いや、普通のメイド服じゃないよ。動きやすい様に形を改良して、メイド服の内側に薄くした鎧を着る。スカートの下なんかに短剣を隠しとけば、普段はメイドに見えるけど実は護衛ってできるじゃん。」


「なるほど...凄くいい案だよ!常日頃からヒマリアのそばにいても護衛とは思えないから相手の油断を誘えるし、警戒もされない。メイド服姿なら城内での密偵すら行える!

よく女の子から鎧は見た目が悪いとかの文句も出てたんだけどメイド服なら可愛いしそれもクリアできる。


そうだ!メイド服の素材には、カーボンクロッシュを使おう!最近開発された素材で軽くて丈夫なんだよ!それにすれば内側に鎧を着る必要は無くなる!」


「お...うん...そーだね...」


 アニメとかで見る、戦うメイドさんを言ったらめっちゃ受けてるんだけど...えぇ...


「紋章はどうする?騎士団は絶対にそれを鎧に入れなければいけないというルールがあるんだけど...メイド服に縫い付けたらメイドの意味が無くなる...」


そんなルールがあるんだ...


「見えるところにつけなきゃ行けないの?」


「いや...そんなルールはないけど...」


「じゃあ、スカートの裏側とか、リボンの裏側とかブリムの裏側とか、とりあえず裏側に着けとけばいいんじゃないの?」


「なるほど!スカートの裏側は見せる時に危ないから、アウトだけどそれ以外はありだね...」


 あっ...見せる事あるんだ...スカートの裏側はそれだと変態だね。


「紋章はどうする?」


「ユリの花に短剣で。」


「意味は?」


「わかる人にはわかるよ。」


 サガワとかアガサとかならすぐ理解しそうだもんね。


「騎士団名...」


「ユリシャインで。」


 うん。私っぽいね。てけとーだけど。


 こうして決めたユリシャイン騎士団。数年後にはこの国で最も力を持つ騎士団となる。


 身の回りにいるメイドがいつの間にかユリシャイン騎士団と入れ替わっていて、その者がしてきた悪事の証拠をいつの間にか掴まれているという恐怖の騎士団として恐れられてゆく。


 悪事をユリシャイン騎士団が暴く度に勝手にヒマリアの評価が知らないうちに上がってゆくという...その度に『いや、私の護衛だったんじゃなかったの?何してるの?』っと頭を悩ませる未来をまだヒマリアは知らない。


 そんなヒマリアは呑気に騎士団の女の子にセクハラをかましていた。


「ねぇ君!おっぱい大きいね!何食べたらこんな大きさになるの?」


「ひゃんっ!...えと...毎日牛乳を...」


「ほぇー...牛乳ぱうあーかー!この柔らかさ好きかも!」


「はいっ!ありがとうございます!ぁっ......もうやめちゃうんですか?」


「えっ!もっと触ってていいの!?」


「それ以上先のことすら...期待している私がいます...」


 ............この騎士団もうダメかもしれない。

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