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百合は素晴らしい 1
この国の女性の地位は低い。
結婚相手も女性の望む相手ではない。
ただ血筋のみを求められる。
身分違いの淡い恋、だなんてよく言ったものだ。
そんな一般常識を抱え、庶民である灯は王族である
月ノ神 宮様の屋敷で働いていた。
灯は至って普通の女である
結婚適齢期は少しすぎたが20歳に結婚。
21歳に出産し、子宝を旦那に渡し31歳に離婚。
その後はこの国の法に則って王族である月ノ神家に
出仕した。
そんな、平凡な灯が庶民であるにも関わらず、
王族である月ノ神 宮様に気に入られるようになったのは
些細なきっかけが原因であった。