弟子をとりました!
パン屋を開くにしても、このパンを作れるのがシェフ一人しかいないから、弟子をとることにした。
だってシェフが出ていっちゃったら私達のご飯も困っちゃうし。
それで、まずは酵母液の作り方とかパン生地の作り方とかを勿論門外不出で教えて貰って、いずれは暖簾分けって形ででも良いから店舗を増やして美味しいパンがどこでも食べられるような世界にしたいなぁ。なんて。
最初に作ったパンにクルミを入れた丸い″クルミパン″とレーズンを入れてぶどうの形に成型した″ぶどうパン″と″食パン″を作って、街で配ってみようと思う。
まずはお客さんも味が分からないと手を出し辛いからね。
お店は工事中だけど、売るだけならお父様が持ってる店舗でも出来るし、屋敷の厨房で作って街で売ることになった。
なるべくお手頃な値段にしないと一般の人にはまだ手を出しづらいと思うから浸透するまでは利益よりは周知を優先した価格設定にするつもり。
パン屋が軌道にのってきたら、種類を増やして利益が上がるようにしたいなって思ってる。
ちゃんとしたパン屋の厨房が完成したら、食パンを使ってサンドイッチなんかも作って売りたいし、バターロールだって作りたい。
前世の専門学校で一番初めに手捏ねで作ったパンがバターロールで(試験だったの)本当に美味しくて感動した。
勿論パン屋でも作ってたけど、やっぱり自分で初めて作ったパンって忘れられないものよねぇ。
とりあえず″クルミパン″と″ぶどうパン″と″食パン″の三種類に絞ってお父様のお店で売ることにした!
パン作りに私が関与してるのは家族とシェフだけしか知らない。
弟子達にはシェフから教えて貰ってるし、お店を開いてカスクルート家の名前は出しても私の名前は出さないつもり。
変に目立って何かあったら困るしね。
まだ7才のお嬢様が悪目立ちしちゃったら大変だしって。
でも、お父様はこのパンとバターの事業の収益は私に権利をくれるって言ってくれたから、有り難く頂戴して、後々の事業なんかの資金に出来たらいいなって思ってる。
そして、今日からお店が動き出す。
まだパン屋は工事中だから、お父様のお店で仮営業たけどね。
屋敷の厨房で作ったパンを街まで運んで、三日間はお店の前で試食品を配って、フワフワなパンの宣伝に努めて四日目から本格的に売り出すことにした。
そして、秘策として領地の孤児院の可愛い子供達を売り子として雇ったの。
孤児院の収入にも繋がるし、可愛い子供達がお店の前でパンを配ってたらお客さんも受け取ってくれやすいと思うし、ウィンウィンだと思うんだよね。
子供達が大きくなっても働き口に困らないように手に職をつけてあげたいなって思ってたんだ。
店舗拡大したらそっちで本格的に雇ってもいいしね。
そんな感じで初日用意した試食のパンを全部配り終わって、ちゃんとアピール出来たと思う。
その場でみんな食べてくれるんだけど、ふんわり柔らかいし、ほんのり甘いしで大好評だったみたい!
これは営業が終わったら子供達が教えてくれた。
パン作りへの関与は内緒だけど、カスクルート家の長女としてマーケティングは嗜みたいところだから時間がある時は私もお店の様子を見たり、子供達に指導したりしてる。(といってもみんな私よりちょっと年上の子達だけどね。)
電卓やレジなんてないし、全部暗算でお釣の受け渡しをしないといけないからしばらくは会計所にはお父様の商会の人を着けて貰うことになってる。
いずれは孤児院の子供達にもやってもらいたいから、パン屋の休みの日に孤児院で私が読み書きと算術を教えることになった。
二日目も三日目もあっという間に配り終えた。
いよいよ明日から本格的に売り出すぞー!
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