いよいよ長期休みだ
今回短めです。
学校生活もいよいよ長期休暇の時期だ。
王都は一年を通して比較的過ごしやすい気温だけど、同じヴァイツェンブロート内でも気温の差はあって、例えばグルマン様の実家のグリッシーニ領は雪山であるピロシキマウンテンがあるぐらい一年中気温が低い。
おかげで念願のパイルームが出来て、クロワッサンやデニッシュを作ることが出来たし、流通ルートまで確保できた。
話が逸れたけど、反対に一年中暑い地域もある訳。
これは私も不思議でならないんだけど、ヴァイツェンブロートの隣のシュトレンもその隣のエンパナーダも同じように地域毎に気温の差があるそうだ。
同じ大陸続きだから、地図で言えばヴァイツェンブロートは南でエンパナーダが北。
前世の日本の感覚でいくと、ヴァイツェンブロートが暑くてエンパナーダは寒いってイメージだ。
しかしこの世界には四季は存在せず、地域毎に気温が固定されている。
それが陸続きなのにも関わらず、国毎でそれぞれの気温の場所が存在している。
自分でも言っててよく分かんないけどとりあえず長期休暇は、極端に暑かったり寒かったりする土地の人達がゆっくりする時期なのだ。
学生は一ヶ月半の休みを貰うから、遠方から王都に出て来ている人なんかは里帰りをしたりする。
学生以外は同じ時期に順番に一週間の休みを取る。
一度に皆が休んでしまうと、経済やら何やらがストップしてしまって立ち行かなくなるから、交代で休みを取っている。
エンパナーダにはルーカスも着いてくるからメリッサとトンプソンさんに一緒に来てもらう予定。
ヨハンも私を心配して行きたがったけど、エンパナーダへの入国がエンパナーダ人の後ろ楯が必要だということで、流石に婚約者ではあるけれど他家の人までゾロゾロ連れていくのは無理だと言われてしまって諦めて貰った。
その代わり、シュトレンとエンパナーダの国境付近まで一緒に来てくれることになったから素直に嬉しい。
アンディ様、イーサン様、グルマン様も同行してくれるそうだ。
それで私達がエンパナーダから出国したらまた合流して一緒に帰るのだ。
何だか申し訳ないけど、シュトレンはヴァイツェンブロートの属国になったからヨハン達はシュトレン城に滞在させて貰えるらしい。
「俺らはシュトレン観光しとくから気にするな」
アンディ様にそう言われ、お言葉に甘えることにした。
エンパナーダに入国出来る人が限られているのは本当のことだけど、カスクルート家の本来の家業を知っているのは幼なじみ達の中では王族のアンディ様だけで、表向きはカスクルート商会エンパナーダ支店の見学だけど、ウェンディさんの惚れ薬の出所や噂の魔女についてを調べる為の出向でもあるから、カスクルート家のメンバーだけの方が有難い。
ルーもメリッサもトンプソンさんも私が妖精とコミュニケーションが取れることを知っているし、色々動きやすいのだ。
妖精の加護のことは言ってないけど。
ナンシーがエンパナーダの妖精と久しぶりに会えるのが楽しみだと言っていた。
エンパナーダの妖精を通じて得られる情報もあるかもしれないから、ナンシーにも協力してもらう。
ナンシーは私の大切な仲間の為なら協力するよって言ってくれて心強い。
長期休みまであと一週間というところで、ウェンディさんにも動きがあった。
長期休みの予定を聞かれたアンディ様とイーサン様がシュトレン城に行くと告げると、羨ましがって行きたいとねだってきたらしい。
でも、流石にシュトレンには国賓として行くから連れていくことは出来ないと断ったそう。
そしたらウェンディさんが
「私はエンパナーダの知り合いの所に行く予定だから、シュトレン通るし寄らせて貰えたらなって思ったのに残念です」
とエンパナーダに行くと言っていたらしい。
「シュトレンのお城は諦めますが、今度ヴァイツェンブロートのお城に招待してくださいね。アンドリュー様♪」
然り気無くねだられてしまったらしいけど、これはウェンディさんを攻略する上では必要だと判断したみたい。
流石に、ウェンディさんも実家の家業であるサバラン商会がシュトレンにある以上、無理矢理お城に押し掛けるのは得策じゃないと思ったのだろう。
エンパナーダに行く前に実家に一週間程滞在してからエンパナーダに向かうそうだから鉢合わせることはないと思うけど、鉢合わせたら嫌だな…。
アンディ様が何のためにエンパナーダに行くのか訊ねてくれたけど、親戚が住んでいるから会いに行くだけとはぐらかされてしまったそうだ。
次回いよいよエンパナーダに向かいます。
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