惚れ薬
ウェンディ視点で、二度目のクッキーを渡した所までです。
うふふっ。
流石に二回目のクッキーは食べてくれたわよねぇ♪
また昇降口で待ってても良いけど、少し長く喋りたいからやっぱり門の所で待とうかな?
イーサン様はフォッカチオ伯爵家の次男。
赤い短髪がツンツンしていて男らしいし、青い目は澄んでいて、人懐こい笑顔がとっても可愛い。
アンドリュー殿下の近衛騎士になるために修行中なんだって。
将来有望☆
実家だって薬で有名なフォッカチオ領の伯爵家だし申し分なし!!
ボールが当たって倒れた時、本当は意識あったのに先生が男子に保健室に連れていくように頼んでくれてたからそのまま気絶したフリしてたんだけどね。
でも、そのおかげであのイーサン様にお姫様抱っこしてもらっちゃった!
それほどガッチリしてる訳じゃないのに、しっかり筋肉が付いていて、いくら女子でも人一人を軽々持ち上げて保健室まで運ぶなんてトキメかない訳がないよね。
しかもお姫様抱っこされてる間は逞しい胸筋に頬が当たっていて、至福な時だったわぁ。
運動をしていたからうっすら香る汗の匂いも全然臭くないし、何なら興奮したし。
爽やかイケメンは体臭までイケメンなの?って思ったよ。
香水を付けてる訳じゃなさそうだけど、ほのかに甘い香りがしたし。
私も勿論サバラン商会自慢の香水を使ってるから臭いとかはなかったと思うけど、イーサン様の匂いはまた嗅ぎたいし、あの逞しい胸筋を感じながら力強く抱き締められたい。
あぁイーサン様…。
何がなんでもイーサン様を手に入れないと気が済まないわ。
うちは貴族ではないけどシュトレンでは有名なサバラン商会だし、顔も広いし権力だってある。
こっそりツテを使って惚れ薬と匂いを嗅いだら食べずにはいられなくなる香料を手にいれることが出来て、身近な男子に実験台になってもらって効果が立証された物があるから、イーサン様を手に入れる為には惜しみ無く使おうと思う。
惚れ薬の瓶には私の髪の毛と爪を入れて満月の夜に一晩瓶に光を当てると紫色だった液体が透明になる。
それを食べ物に混ぜれば、食べた者を私に夢中にさせることが出来る。
怪しい薬だし、本当に透明になるの?とか効果は?とか色々心配だったけど(それなりに高かったからね)、まず実験したら良いって思って試したらちゃんと透明になった。
それでクラスの男子数人のグループにクッキーを差し入れした。
包みを開けたら思わず手を出さずにはいられない香りが漂って、皆すぐにクッキーを口にしてくれた。
味は保障するわよ♪
クッキーだけは昔から得意だったの。
美味しい美味しいって次から次へと食べてあっという間に空っぽ。
さて男子達の様子はどうかしら?
目がとろんとしてるし、私の顔を見てうっとりしてる。
一人が「何で今までウェンディの魅力に気付けなかったんだろう…。こんなにも胸が張り裂けそうな位愛しい存在なのに!」って突然愛を囁いてきたと思ったら、他の男子達も私のことが好きだとか愛してるだとか言い出して、「私のことを奪い合って争うなんて止めて~!」なんて憧れのセリフまで出ちゃった。
効果抜群だわ。
これをAクラスのハイスペック男子に使えば、商家の娘である私も貴族のお嫁さんになれるわよね♪
目指せ玉の輿!
さてまずは誰から手に入れようかなぁ。
そう思ってたらイーサン様と出会ってしまって、これはもうイーサン様を手に入れるしかないだろって♪
誰にでも優しいワンコ系だから、きっとすぐに手に入れられる筈!
そう思って、保健室に運んでもらった次の日に渾身のクッキー渡したのに食べる前に無くしちゃうなんて、イーサン様って案外ドジなんだなぁ。
そんなところも可愛いけど☆
でもそんなこともあろうかとまた作って来たし、今度こそ食べてね?
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次回はイーサン視点の予定です☆




