妖精の加護
更新が空いてしまってすみません(´。・д人)゛
マリアンナとヨハンを私の部屋に招き入れて防音の結界を張った。
ヨハンが驚いていたから、秘密にしていたことを謝って、実は助けた妖精達から加護を貰っていたことを告げた。
マリアンナに言って、自分に言わなかったことは気に入らなかったみたいだけど、家族にも打ち明けられない様な危険な能力(狙われるって意味でね)を授けられちゃって誰にも言えない辛さも分かるし、悔しいけどマリアンナの方が付き合いも長くてシルが安心して相談出来る相手なのは認める、けど次からは真っ先に自分に相談するようにって言われた。
マリアンナは苦笑してたけど、シルフが正式にヨハネス様を婚約者として認めた今は、寂しいけど一番に相談すべきはヨハネス様ねって言ってくれて、少しだけ寂しくて心臓がキュッてした。
学校に入って同じクラスになってからはヨハンもマリアンナに家名じゃなくて名前で呼ぶことを許可してくれてヨハネス様って呼ばれてる。
その他のご令嬢方には相変わらず冷たくてブリオッシュ様って呼ばせてるけど…。
学校に行ってからも放課後割りと毎日うちに来るアンドリュー様達には帰りに王都の人気店の焼き菓子を買ってきて欲しいってお願いして(きっと鋭い人達だし私が時間稼ぎしたいんだってことには気付いてると思うけど)私達三人は先に屋敷に戻ることにした。
人気の焼き菓子も気にはなってるんだよ?
カスクルートのバターをたっぷり使ったパウンドケーキに上品な甘さの上掛けが掛かっていて、更にキラキラなレモンピール(この世界では砂糖漬けのレモン皮って長ったらしくてまだ正式名称はない)が飾られてるんだって。
パウンドケーキを作ってから二日間寝かせて馴染ませてから、売る日にトッピングしてるらしくって、本当に美味しいらしい!
脱線しちゃったけど、こういう時何にも詮索とかしないでいてくれる幼なじみ達には感謝しかない。
きっと私が色々隠してることには気付いてると思うんだ。
気になってると思う。
それでも私から話さないことを無理に聞くことはなくて、私は周りの人達に恵まれてる。
また脱線しちゃった…。
イーサン様から貰ったクッキーについてナンシーから言われたことと、私の浄化の能力のことをヨハンに話した。
そんなに危険なクッキーだったことに驚いて、更にそんな卑怯な手でイーサン様を手に入れようとしていたことに怒ってくれた。
そうだよね!?
流石にウェンディさんやり過ぎだよね?
それで明確にイーサン様が狙われてる今、きっと何度か同じ様なことをしてくるだろうし、もしかしたら既に犠牲者(実験体)がいるかもしれないってことでBクラスやウェンディさんについて調べることになった。
うちがヴァイツェンブロート国の諜報部の中枢だってことは幼なじみの中ではアンドリュー様しか知らないことだし(王族だからね)、メリッサが現役の間諜でメイドが仮の姿だってことは秘密だから、後でこっそりメリッサに調べてくれる様にお願いしよう。
きっと明日の朝、ウェンディさんはイーサンにクッキーの感想を求めてくると思われる。
それで食べた(ことになってる)のに惚れ薬が効いてなかったら怪しむよね。
そこでイーサン様には申し訳ないけど、ウェンディさんに惚れたフリをしてもらうことになった。
こっそり持ち帰ったクッキーを調べたら、惚れ薬が盛られてたことを発見したってことにしようって言ったらマリアンナに
「でもそれで現物をもう一度見せてほしいって言われたらどうするの?」
って指摘されて、確かにって思った。
私が妖精の姿が見えることはヨハンもそうだし、幼なじみ達は知ってる。
けど、私が所謂妖精女王の愛し子で妖精達と話すことが出来ることはヨハンとマリアンナしか知らない。
勿論、私が妖精からの加護で浄化と結界の能力を持ってることも知らない。
この情報を伏せた状態でクッキーの異常性をどう伝えるか…。
難しい…。
私には秘密が多すぎる。
転生者だってことは神様とナンシーしか知らないし。
どうしよう…。
そういえば能力のことも授かったは良いけどちゃんと知らないなって思ってナンシーに聞いたら
浄化は私が触れた物(者)や場所が浄化されて無毒化するし、状態異常無効化の作用もあるらしい。
結界は四人の精霊から授かった能力で四つの種類の結界がある。防音、防御、認識阻害、封印が出来るし、それぞれを組み合わせた結界も張れるんだって。
ナンシーの水晶を守ってる結界はこの四つが組合わさってるから普段は人に気付かれることがないけど、ピロシキマウンテンの事件の時みたいに世代交代のタイミングで一時的に結界の力が弱まってしまうときはあるみたい。
それで私にはその力を使った妖精石を作ることが出来ると。
何で今言うの?
能力授かった時に教えてよ!
ナンシーにそう言うと、能力の効果とか聞かれなかったし説明するの忘れてたごめんだって。
確かに聞かなかったし、使うこともないだろうなって思ってたけどさ。
で、その妖精石ってのは水晶に力を込める感じで作るらしい。
今回はイーサン様に浄化の効果を付与した妖精石をお守りとして持って貰うことにした。
これはヨハンが俺以外の男に贈り物は許せないとか言ってたけど、ヨハンに一番に作った奴を渡すことで許して貰った。
妖精石を布で作った小さい袋に入れてお守りだって渡すけど、浄化の効果があるとこととかは伏せないといけないからアンドリュー様、グルマン様、マリアンナの分も作って皆でお揃いのお守りってことにした。
ナンシーがピロシキマウンテンでいくつか小さい水晶を持ってきてくれていたのがあったからそれを使って私が力を込めてる間に、マリアンナは小さい袋を縫ってくれた。
パウンドケーキを買ったアンドリュー様達が屋敷に到着する頃には私も含めた人数分のお守りが出来た。(私には必要ないけど、私だけ持ってないのも不自然だからってことで私の分も作った。)
パウンドケーキは本当に美味しかった!
バターの香りもすごく濃くて、生地にもレモンピールが入ってて濃厚なのに爽やかで、上掛けがシャリシャリして食感も楽しくて人気なのが良く分かる一品だった。
アンドリュー様達にお礼を言ったら、
「俺らに言うこと纏まった?」
って。
やっぱり気付くよね。
それで三人で話し合った通り、イーサン様が捨てたクッキーが勿体なかったから、こっそり拾って犬にあげたらウェンディさんを追いかけて行ったってことにした。
もし本当に盛った犬に追いかけられてもきっと解毒剤的な物も持ってるだろうからそれで犬の件は解決してるだろうしってことで。
毒とか薬を盛ることに関してトラウマのあるイーサン様は激怒した。
只でさえ嫌いだって言ってるウェンディさんだけど、目に入れるのも嫌だって位嫌いだって。
本当はさっさと裁きたいけど、ちゃんとした証拠が揃わないと難しいから、イーサン様には酷なことだけどウェンディさんに惚れたフリをしてもらうことになった。
嫌そうにしてたけど少し考えてから、
「ボクを手に入れたと思わせておいて地獄に叩き込むって、逆に燃えるかも♪」
って満面な笑みで言って、この人は敵に回したらダメだって思った。
それで皆に作ったお守りを渡して、お揃いだから是非肌身離さず持っていて欲しいってお願いした。
イーサン様捨てないよね?って顔に出てたみたいで、
「嫌だなぁ。シルフィーから貰った物を捨てる訳ないでしょ?ちゃんと身に付けるね♪」
だって。
さっきの笑顔が怖すぎてちょっと怯んでしまったけど、とりあえずイーサン様はウェンディさんに惚れたフリをしつつ探るってことになった。
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