球技は苦手
短いです。
前世でいう体育は学年単位で男女別に別れて行う。
体育館でやる時もあればグラウンドでする時もあって、今日はグラウンドだった。
男子は剣術で、女子は基礎体力を付ける為にまず準備体操をしてからバレーボールの様な球技をした。
試合の様なことはしないけど、グループ毎にどれだけラリーが続くか楽しむ平和的な球技だ。
前世で球技がまるでダメだった私は、試合とかがないってだけでもかなりホッとした。
とりあえず最初は二人ずつペアを組んで練習するってことになって、私のペアは勿論マリアンナだ。
有り難いことにミシェル様にも声をかけてもらったけど、球技が苦手すぎるから幼なじみのマリアンナに付き合って貰いますって正直に言ったら、優しく微笑んで、ボールの扱いに慣れてきたら一緒にやりましょうねって言ってくださった。
公爵令嬢の誘いを断るなんて畏れ多いことだけど、組んだ方が迷惑かけるから分かってくれて良かった…。
全然ラリーが続かなくてマリアンナに呆れられながらも楽しくやってたら、何か悲鳴が聞こえて騒がしい。
騒ぎの方に行くとボールを受けきれなくて頭に当たったらしい女子が倒れていた。
騒ぎを聞き付けた体育教師が、男子グループに保健室に運んで欲しいと頼んだ。
するとイーサン様が名乗り出てくれて倒れた女子を保健室に運んでくれることになった。
あれ?
なんかこんなことあったような?
あぁ、ゲームでヒロインが同じくボールが頭に当たったとかで倒れちゃってイーサン様が保健室に運ぶ出会いのシーンだ!
偶然だろうけどあの倒れた女子は誰?
保健室に運んでグラウンドに戻ってきたイーサン様に倒れた女子の様子を聞くと、ボールが当たったことによる軽い脳震盪で、ゆっくり倒れたから特に他はケガもないしすぐに回復するだろうってことらしい。
無事で良かった。
勢いよく倒れてたら全身を打ち付けてあちこちに痣や擦り傷が出来てたと思うし…。
体育も終わって着替えて教室に戻る。
噂によるとさっき倒れた女子はBクラスで、シュトレンから留学してきた商家の娘だそうだ。
爵位はないけど、シュトレンではそこそこ有名な商家らしい。
珈琲や香辛料を扱っている商家ということは、うちがカフェで使っているシナモンや珈琲を卸しているサバラン商会の娘かもしれない。
同じ商売をしている者として通じるものもあるかもしれないし、今度ゆっくり話してみたいな。
翌日、いつものようにヨハンと登校していると門のところでイーサン様と話している女子がいた。
近くに行ってみれば昨日倒れたBクラスの女子で、保健室まで運んでくれたイーサン様にお礼だと手作りクッキーを渡していた。
倒れた女子を運ぶ事位、騎士を志す者として当然だから気にしないでねって柔らかい口調で言っていてクッキーもクラスで食べなって断ってたけど、イーサン様への感謝の気持ちを込めて作ったから受け取って欲しいって半ば無理矢理押し付けて女子は校舎の方に走っていった。
やっぱりこれイーサン様の出会いイベントに似てる。
でもヒロインいないし、私の思い過ごしだよね?
お読みいただきありがとうございます♪
ブックマーク、ご評価などいただけましたら跳び跳ねて喜びます。




