クロワッサン
今日はサツマイモを使ったパンを作ろうと思う。
カスクルート領で育てたサツマイモをこの間皆で収穫したから、早速それを使う。
まず甘めのパン生地を作って、発酵させている間にサツマイモを蒸かして皮ごとダイス状にして砂糖とバターと薄力粉を混ぜたフィリングを作って冷ましておく。
生地を60グラムで分割してフィリングを50グラム包む。
丸く成形したら等間隔で鉄板に並べて発酵させる。
発酵したら上に中身が見えるように十字の切り込みを入れてオーブンで焼く。
焼き上がったら切り込み口にバターを落として出来上がり♪
こっちには四季はないけど、秋って感じ!
ついでにスイートポテトも作ってみた。
殿下達には大好評!
ヨハンにはスイートポテトは少し甘過ぎるみたいだけど、パンは美味しいって食べてくれた。
うちの領では一年中サツマイモ採れるし、スイートポテトはカフェに置いてもいいかも。
グリッシーニ領のパイルームが完成間近だから、近々行こうと思うんだけど、ヨハンには言っておいた方が良いよね?
別にグルマン様と行く訳じゃないけど、また闇オーラ出されるのも困るし。
そしたらやっぱり一緒に行くって言い出した。
いや、ヨハンも色々やることあるんじゃないの?って聞いたら、鍛練はどこでも出来るし、勉強も学校に入るまでの分はもう習得してるから大丈夫だって。
まぁ私も自由に色々させて貰う代わりにお勉強の方はある程度終わらせてるんだけどね。
(中身が大人だから前世では全然だったけど、今世ではそこそこ優秀な私。)
だっていずれはもっと手広く色々手掛けていきたいし!
そんな感じでグリッシーニ領のパイルームにやってきた。
今回はお父様は来れないから、私の護衛件お世話係としてメリッサが着いてきてくれた。
ルーカスは屋敷に残って殿下たちとお勉強しとくって。
先発でオリゴさん率いるクロワッサン部隊が出発していたので、私達が着く頃には試作が焼き上がっていた。
パイルームに併設して、生地を捏ねたり成形したりする部屋、発酵させる部屋、複数の窯を完備した焼成部屋、焼き上がったクロワッサンを冷まして仕上げる部屋があって、ここで全ての工程を行えるようになっている。
更にそれを馬車に積んで王都まで運ぶルートを確保出来れば言うことなし!
まずは安定した商品を作れるように、オリゴさんに従業員の教育指導をしてもらう。
なかなか最初は上手くいかなくて、生地の休ませが足りなくて延ばしてる間に生地が破けて中のバターが出てしまって上手く層が出来なかったり、成形中に触りすぎて層を潰してしまったり、焼成前の卵を塗る時に力が強くて生地を傷めてしまって膨らまなかったり、色々あった。
オリゴさんにずっといてもらう訳にはいかないから、覚えて慣れて貰うしかないんだけど、なかなか難しい。
クロワッサンが軌道に乗ったら、デニッシュ食パンなんかも作りたいし、まずは何としてでもクロワッサンを安定生産出来るようにしないとね。
ヨハンはクロワッサン気に入ったみたいで、試食ばっかりしてる。
カロリー高いから食べ過ぎたら太るよって注意したら、その分寝る前に鍛練するから大丈夫!だって。
今回着いてきてベッタリされるかと思ったけど、私の邪魔になるようなことはなくて、ちゃんと空気を読んで節度を守ってくれてるみたいで安心した。
滞在して一週間程経った頃漸く安定したクロワッサンが出来るようになって、試作品をたくさん作って貰って、私達は王都に戻ることにした。
戻ってすぐにあちこちに試作品を持っていって宣伝をして、ホテルやレストランに定期的に卸す契約を取り付けた。
アンドリュー殿下にもお願いして、お城での反応を伺って貰って週に四回も卸せるようになった。
ここまできて学校入学まであと一年。
きっとあっという間に過ぎると思うけど、入学したら攻略対象である幼なじみ達はヒロインに夢中になって、私はモブに戻るんだろうな。
何か寂しいけど、これは仕方ないことだよね。
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