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何で聞いたの?

最近思うのだけど、カスクルート子爵家の屋敷が溜まり場になっている気がする。


表向きはルーカスの来客としてちゃんと約束をしての訪問なんだけど、流石に来すぎでしょ!


孤児院のボランティアにも来てくださっているし?邪険にするのは申し訳ないけど、それにしても何かほぼ毎日いるような?


ヨハネス様ですら週に一度程なのに。

まぁそれは毎日でも来たいって言っている(ヨハネス)にボランティアでも会うし、あまりにしつこいと嫌いになりますよ?って言ったからなんだけど。


それにしても来すぎでしょアンドリュー殿下!

ルーが嬉しそうにしているし、お勉強も見てくれているらしいから有難いのかもしれないけど、自分の家なのに落ち着かないわ。


いつものようにパン屋の様子を見に行ったりして帰宅するとキラキラな笑顔で、


「シルフィーおかえり!」


ってお出迎えしてくれる。


いやいやいや、王子殿下にお出迎えさせるなんて不敬極まりないからやめてくださいって言ってるのに、毎回やられる。


私が出掛けない日もルーの勉強の合間に私のパン作りを覗きに来たり、我が物顔で屋敷をウロウロしている。


カスクルート子爵家の裏の顔が、王家の諜報部だということをこの殿下も知っている訳で、いずれ子爵家を継ぐルーカスと親密になるのは良いことなのかもしれない。


ルーは殿下のことを兄の様に慕っているし、殿下もルーのことを弟の様に可愛がってくれている。


見ている分には微笑ましいんだけど、このキラキラな王子は攻略対象な訳で、モブ志望な私としてはお近付きになりたくはない。


しかも、殿下と仲良くなったイーサン様も殿下に会うために何故か(・・・)!頻繁にうちに来るの!


それで、それを知ったヨハネス様も変な方に拗れて、『私より殿下やイーサンを選ぶつもりなのか?』とか暗黒オーラ全開で言ってくるから、面倒臭くなって好きにしてって言っちゃったらやっぱり毎日来るようになってしまった。


流石にレディの部屋にズカズカ入ってくるようなことはしないから嫌なときは部屋に引きこもって、メリッサに誰も入れないようにお願いしている。

表向きはルーの客人として来てるんだし、私のことはスルーして貰いたい。


元々ヨハネス様にも懐いているルーはヨハネス様もイーサン様も兄のように感じて喜んでいた。


孤児院では年下の小さい子を担当してくれているルーは孤児院の子供達を弟の様に思っているから、兄の様な存在にずっと憧れていたのだ。


素直に甘えて慕ってくれるルーは下の兄弟がいない三人には可愛く思って貰えているようで、私に構いさえしなければ全然構わないんだけどね。


9才になってもこの関係性は続いている。


ある日殿下に婚約者のことを聞いた。

ゲームではあのお茶会で集められたご令嬢の中から婚約者が決まっていたハズだったのに、未だに婚約の発表がなかったからだ。


しかし、これを聞いたのはマズかった。

聞かなきゃ良かった。

本当に後悔先に立たず…。


数分前の自分をぶん殴りたい。

何故聞いたんだ!と…。


どうやら何かの切っ掛けでヨハネス様がうっかり、12才の入学までに私の心を射止められなければ婚約は白紙になると言ってしまったらしい。


それ自体はどうでも良いんだけど、盛大に巻き込まれることになってしまったのは許し難い…。


殿下が仰るには、あのお茶会で急に発表されたヨハネス様と私の婚約により、私に興味を持ってしまい他のご令嬢方との縁談に乗り気になれず断っているらしい。

そして孤児院のボランティアでの私の素の姿を見て不本意ながら益々気に入って下さったらしく、ルーを通して屋敷に通うようになって、ルーとヨハネス様とイーサン様の4人で話をする機会も増えた。


そこで先程の婚約白紙になる条件を聞いて、殿下もガンガン攻めることにしたんだって!


私を!


便乗してイーサン様までも『ボクもシルフィーの婚約者枠狙って行くね☆』なんて宣言してくれちゃって、ヨハネス様は絶対にシルフィーの婚約者の座は渡さない!とか言ってるし。


何この展開…。


私はヒロインじゃなくてただのモブですよ!


ほんと聞かなきゃ良かった。


聞いてしまったから、


「これからは堂々とアタックするから!」


って殿下に宣言されるし、イーサン様も


「ボクも負けない!」


って闘争心を露にしてるし、ヨハネス様も


「絶対に入学までにシルの心を射止める!」


って改めて言うし、ルーは誰が義兄になっても嬉しいからって


「皆さん頑張ってくださぁい☆」


なんてニコニコしてる。


本当に何で聞いたの?私は!?


ていうか毎日来るな!


暇なのかお前らは!!



お読みいただいてありがとうございます!

本日は10時にもう一度投稿します。

ご評価いただけたら跳び跳ねて喜びます☆

宜しくお願いします☆

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