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創造のその先へ  作者: 隠/陰
序章
2/9

002. 新たなる世界へ

まだまだファンタジィ作品へ繋ぐための序章ですが、

ぜひこの先の展開を、物語を楽しんで頂ければ幸いです。

誤字脱字、文法誤用などありましたら御指摘をお願いします。





 TWOの続編は日付変更と共に開始となる。

 つまりはまだニ時間の余裕があるわけだが、VRヘッドセットをセットアップする時間を考えれば実にシビアな時間設定だろう。

 確かに続編を短い空白時間で遊べるのはプレイヤー冥利に尽きるのだろう。本当に運営の人たちグッジョブと称賛の声を高らかにだ。

 だが考えてみて欲しい! ヘビーユーザーであり、最古参プレイヤーである俺たちのような存在について。


 ほぼほぼ常時TWOの世界に居るんだ。

 とても良い、お手本のようなプレイヤーはこう答えることだろう。



――現実もゲームもどちらもリアルです



 なんて眩しいんだ! 俺たちのような人種には眩しすぎる!

 俺たちは現実を捨てて、TWOの世界でしか生きられなかった者たちだ。

 だから俺たちならこう答える。



――現実はクソゲー



 最早、有名を通り越して、名言。大迷言ではないだろうか。


 TWOプレイヤーの内、トッププレイヤーたちは今回の続編発表に伴ってVRヘッドセットを購入した。

 VR界隈ではいわゆる後発組と呼ばれる者たちばかりだ。

 つまり元々ヘッドセットを所持していたのは新人と呼ぶ事が出来る、TWO歴の浅いプレイヤーくらいだろう。


 かく言う俺もその例に漏れず現在進行系でヘッドセットの設定を行っている。


 最近のヘッドセットにはディスプレイや網膜投射用デバイスなどは付いておらず、睡眠導入をしやすくする為に視野を遮る目的の濃い色のバイザーが取り付けられている。

 そして脳の全シナプス信号を送受信する為、頭部全体を覆うジェット型のヘルメットになっている。


 一世代前だかはそれはもうコッテコテのフルフェイス型で、まだまだ『実験的です!』と言っているようなデザインだった。

 それがここまでコンパクトでスタイリッシュになったのだ。

 技術進歩とは本当に日進月歩なんだなと思ってしまう。


 とはいえ充電ケーブルや外装が大きい事もあり睡眠状態になるまでには難がある。

 それがヘッドセットの現状だった。

 まだまだ進歩させる余地が残っているという事なのだろう。


 設定項目は本当に多岐に渡る。

 各身体の可動域確認。まさか眼球の可動域までチェックするとは思っていなかった。


 淡々と設定を熟すこと一時間。

 残る設定は睡眠導入シークエンスの信号強度。

 これが最も重要な設定と言われている。

 なぜならログイン速度に直結する設定だからだ。

 睡眠状態への移行が早ければ早いほど、仮想空間への接続までタイムロスが少なくなる。

 ゲーマー足る者、この設定にはこだわりを持たなければならないだろう。


 だが実際に調整はハード固有の仮想領域へダイブするだけだったりした。

 つまりは運ゲー。普段から眠りやすい人が勝つゲームだったのだ。


 これ何てクソゲーとはこのことだったか。


 さて、続編ゲームであるリ・トゥモローワールドオンラインだが、どうやら前作の映像面をグレードアップさせたVRMMORPGであるらしい。


 運営からの謳い文句は相も変わらず『今日を自由に生きて、明日を謳歌せよ』だ。

 ゲームをゲーム足らしめるコアシステムは前作の《潜在値制》を継承した新システム。

 リリースノート情報によると正式名称《第三世代(ザ・サード)》なる物が使われているとあった。

 この名前からネット掲示板では色々と検討が行われていたな。



――TWOのシステムは第一世代だろう。なぜならパケットの中にザ・ファーストって文字が含まれていたからな


――いや、実はTWOは開発名セカンドってシステムのテスト用だから略称がTWOだったんだってさ


――おまいら、過去なんてどうでもいい


――待望のTWOのVR化だろ? 最新技術だからAIも入ってるだろJK



 さらっと流し読みした結果がこんな感じだった。

 誰もが期待に胸を踊らせている。

 そんな感じだろうな。


 そうそう、リリースノートにはこう書かれていた。

 曰く、完全なる異世界を創造する為に開発したシステムとの事だ。


 『完全なる異世界』が仮想空間を暗喩しての物なのか、はたまた文字通りなのかについてもネット掲示板で論議されている。



「単純にあの運営たちのことだから、彼らが『望んでいる世界』…………。それが答えだと思うんだけどな」



 俺は最古参でありながらTWOの廃プレイヤーだった。

 だからこそユーザーイベントもさることながら、公式イベントも全てリアルタイムで経験してきた。

 あの運営は俺たちと同じくTWOの世界に生きていた。

 そう感じられる程のイベントをいくつも開催してきた実績がある。


 だからこそ『自由』という完成度を妥協しなかったんだろうな。


 壁掛けのなんの特徴もない電波時計。

 時刻はもう少しで零時になる。

 俺は急いでヘッドセットを被り、心地良い音とサーマルユニットによる温度も併用した睡眠導入を開始し、程なくして半覚醒状態となり、ヘッドセット内の仮想空間へログインした。








――――リ・トゥモローワールドオンラインの世界へようこそ



「これが仮想空間ってやつか……。真っ白な空間なのに眩しくない。ちょっと、いやかなり違和感を感じるな」



――――あなたはキャラクターコンバートを行っています。改めて外見を変更するか選択出来ます



「ん〜、不要」



――――《創造(ザ・クリエイション)》クォート  あなたを待っていました



「ん? 俺を待っていた? これはデータ検証用のインスタンスエリアじゃないのか…………。そういえば、さっきから自然と対話出来てたけど、この声はなんだ? 人工知能なのかな」



――――私は世界の意思 《ヘルマ》  どうかあなッ――――



 突如耳障りなノイズが入り、声を聴き取ることが出来なかった。

 最後に甲高い警告音のような物と、強烈に引き寄せられ落下する感覚が襲ってきた。


 それを機に俺の意識は途切れてしまった。







実はこの二話目に設定を盛り込みすぎた感が否めません。。。

できるだけ私が読みたい物語へ導入しようとすると、

こんな形になってしまいました。


ですが安心して下さい。

この先細かいことは分からなくても大丈夫です。

MMORPG物っぽさを演出したかっただけです。

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